半地下マンションにして後悔する人しない人|売却時の注意点も解説
2019年に韓国で公開され、アカデミー賞を受賞した映画「パラサイト」では、半地下の住居が話題となりました。
韓国と同じように日本にも、半地下住居のマンションがいくつも分譲されています。本記事では、話題の半地下マンションが日本で普及した経緯や半地下マンションに住んで後悔する人しない人、半地下マンションを売却するときの注意点を紹介します。
もくじ
半地下マンションが日本で普及した経緯
建築基準法に基づいて、分譲会社ができるだけ利益を確保したいためです。
2000年の建築基準法の改正までは、地階に住居をつくるのは禁止されていました。土地を仕入れて分譲する会社の立場からすると、地階に住居をつくれないと、土地を最大限有効活用できず問題です。
できるだけ住戸数を増やして販売し収益を最大化できないかと思いついたのが、半地下マンションです。なぜなら、地階とならない範囲で地盤面よりもしたに1階住戸をつくることで、1フロア分住居を増やせるからです。
住戸数が増えれば、マンションの売上拡大や利益につながります。
半地下マンションに住んで後悔する人
半地下マンションは、ほかの住戸に比べて特徴が際立っているため、購入して満足する人と後悔する人に分かれます。
半地下マンションに住んで後悔する人は、次のとおりです。
- 太陽光が好きな人
- 虫が苦手な人
- 開放感を重視する人
- 高い位置からの眺めを楽しみたい人
- 水害を気にする人
- 他人の目が気になる人
以下でその理由について詳しく解説します。
太陽光が好きな人
半地下マンションは、地面の高さよりも住戸の床面がしたにあります。そのため、床面から大きな窓をつくったとしても、太陽光が室内に入りにくい構造です。
ほかの住戸に比べると日当たりの条件が悪いので、住戸内の照明などで明るさを確保する必要があります。照明器具の明るさと太陽の明るさは、好みが分かれる部分です。太陽光が好きな人は、半地下マンションに不向きといえるでしょう。
虫が苦手な人
半地下住戸は地面に近いため、ほかの住戸と比べると虫が多く発生します。
たとえば、蚊が自力で飛べるのはビルの2階ぐらいまでとされています。3階以上の住戸では蚊が少なくなる一方で、半地下住戸は地面の草木が近いため、蚊やクモなどが多く発生します。
もちろん、虫除けの対策を定期的に施すことで虫の発生は軽減できますが、ほかの階に比べると、虫を見かける機会は多いです。
そのため、虫が苦手な人は避けたほうがよいでしょう。
開放感を重視する人
地面よりもしたになるので、開放感は上部の階よりも劣ります。風通しも弱くなるので、開放的な雰囲気は感じにくいといえるでしょう。
屋外へのつながりなど開放感を重視する人には、おすすめできません。
高い位置からの眺めを楽しみたい人
傾斜地に立つマンションなどの例外を除いて、半地下マンションで眺望は望めません。マンションの醍醐味として、戸建て住宅よりも高い位置からの眺望を期待する人も多いでしょう。
しかし、建築基準法で半地下マンションは『床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1未満のもの』と定義されています。
対して、地階は『床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のもの』と定義されています。
たとえば天井面が240cmの場合、3分の1は80cmです。80cm未満が地下に潜るならば、半地下マンションと判断されます。大人の目線が地面から150cmぐらいと考えれば、地面の少しうえを眺めるような眺望です。
水害を気にする人
地面よりも低いため、ゲリラ豪雨などの大雨のときは、住戸が浸水するリスクがあります。
もちろん、立地条件や周辺の排水設備によっても浸水リスクの大きさは左右されますが、大雨が降ったときは、浸水しないかと不安になるものです。
実際に浸水するリスクを把握することも大切ですが、浸水しないかを気にしながら生活するのも気が落ち着きません。半地下マンションは心配性の人には不向きといえます。
他人の目が気になる人
タワーマンションにおいて、階数カーストという言葉があります。これは高階層に住む住人ほど高額の住戸を購入していることから、低層階の住人よりも高階層の住人のほうが身分がうえで尊重されるべき、という考えです。
マンションにおいては、所有する住戸の面積で議決権数※が決まるため、階層に応じた差はありませんが、居住者の意識の中に存在するといわれています。
- ※議決権数
- 所有者が単独で所有している床面積の割合ごとに持つ権利。共有部分の変更可否やマンションの建て替え可否などの決定は、議決数により決まります。
部屋の広さなどによっても異なりますが、半地下住戸の販売価格は、環境面からそのマンションで一番安価に設定される傾向にあります。タワーマンションほどではなくとも、住民によっては階数カーストを意識する可能性があります。
どの住環境がよいか人それぞれ異なるのは当然ですが、ほかの住戸を意識してしまう人は、劣等感を感じてしまい、購入を後悔するおそれがあります。
半地下マンションに住んで後悔しない人
反対に、半地下マンションに住んで後悔しない人は次のとおりです。
- 太陽光が苦手な(日中は外出している)人
- 虫が得意な人
- 防音重視の人
- 素早くマンションの外へ出たい人
一般的に半地下の住戸は、環境面などからほかの住戸に比べ安価に設定されていますので、ライフスタイルや性格が半地下マンションの条件に合えば、よい物件といえます。
太陽光が苦手な(日中は外出している)人
半地下マンションは太陽光が差し込みにくいですが、太陽が出ている日中に出かけることが多い人であれば、大きな影響はありません。
たとえば、『DINKs(Double Income No Kids、子どものいない共働き夫婦)』などで、家族全員が夜まで働くならば、太陽は関係ありません。
また、夜勤の人などが日中に睡眠を取る際に、太陽光の差し込みが邪魔になることもあるでしょう。このようなライフスタイルの人であれば、半地下マンションが合うかもしれません。
虫が得意な人
半地下マンションは、上層階と比べ虫と接する機会が多くなります。たとえば、クモの仲間のハエトリグモやアシダカグモなどは低層階でよく見られます。
体長約1cmのハエトリグモは、巣を作らずハエや蚊などの小さな虫を食べる益虫です。アシダカグモは体長約10cmと大きいので、家の中で発見したときはびっくりしますが、こちらもゴキブリなどを食べる益虫です。
これらの虫が家の中で出てきても嫌悪感を抱かず対応できる人は、半地下マンションを購入しても後悔しないでしょう。
防音重視の人
半地下マンションは基本的に一番したの階であり、そのしたに住戸はありません。
元気な子どもがいる家庭やフィットネス機器をたくさん置きたい人など、下階へ音が響く懸念がある人は、半地下マンションが向いています。
地面よりしたの部分は、周囲が囲われて音が外へ響きにくいため、ピアノなどの楽器を演奏する人にも向いています。
素早くマンションの外へ出たい人
半地下マンションは地面の高さに近いので、エレベーターに乗らず階段を数段のぼれば外へ出ていけることが多いです。
大きなマンションでは、通勤時間帯が重なることでエレベーターの渋滞が発生し、想定以上に待ち時間がかかることがあります。
しかし、半地下マンションの場合は、基本的にエレベーターに乗らないため、素早く外へ出ていけます。出勤時間がピークに重なる人などは時間的なメリットを感じられるでしょう。
半地下マンションを売却するときの注意点
半地下マンションはメリットもありますが、一般的には敬遠される傾向にあります。そのため、何も考えずに売却活動をすれば、ほかの住戸よりも価格を下げて金額面の魅力を出すしか方法がなくなります。
ここでは、半地下マンションをスムーズに売却するために注意すべきポイントを紹介します。
照明は見学者が来る前にすべて点けておく
半地下マンションは、ほかの住戸よりも暗くなりやすいです。
そのため、単純に比較されてしまうと、他の住戸に負けてしまいます。太陽光で明るさを補えないため、見学者が来る前に必ずすべての照明を点けて明るくしておきましょう。
少し明るめの照明に買い替えておくのもよいでしょう。
事前に風を通しておく
空気がこもった部屋をよいと感じる人は少ないでしょう。しかし、半地下マンションは、空気の入れ替わりに時間がかかります。
見学者が来る時間に合わせて、全体的な空気を入れ替えておくことで、よい印象を抱いてもらいやすくなります。
売却を依頼する不動産会社をしっかりと選ぶ
誰もが欲しがる物件を売ることは、どの不動産会社のどの営業担当者でもできます。
しかし、半地下マンションのように上手にセールスポイントをアピールする必要のある物件は、不動産会社や営業担当者の質が問われます。
半地下マンションをスムーズに売却したい人は、売却活動を依頼する前に、複数の不動産会社から半地下マンションの印象や想定している販売方法を教えてもらいましょう。
顧客に上手く魅力をアピールできる不動産会社と営業担当者かどうか事前に確認することで、半地下マンションをスムーズに売却しやすくなります。
複数の不動産会社や営業担当者を比較、検討する際は、不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」が便利です。リビンマッチは最大6社の不動産会社に査定価格を確認できる、完全無料サービスです。
半地下マンションの情報を入力すると、最短45秒で査定依頼が完了します。リビンマッチを利用して、半地下マンションの売却に強い不動産会社を見つけましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
離婚で家を財産分与 (27) 老後の住まい (24) 売れないマンション (16) 一括査定サイト (15) 離婚と住宅ローン (13) 海外移住 (11) 訳あり物件 (11) 家の売却 (11) 家の後悔 (10) 不動産高く売る (9) 実家売却 (9) マンション価格推移 (8) マンションの相続 (8) 移住 (7) アパート売却 (7) 不動産会社の選び方 (6) マンション売却の内覧 (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) お金がない (5) 空き家売却 (5) 離婚準備 (5) 離婚と家売却 (5) 農地売却 (4) 近隣トラブル (4) マンション買取 (4) 家の解体費用 (4) 売れない土地 (3) マンションか戸建てか (3) サブリース (3) イエウール (3) 不動産価格推移 (3) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて