二世帯住宅での同居にストレスを抱えている人必見!原因や解消方法を紹介
ライフスタイルや生活習慣が異なる二世帯が同居すると、意見の食い違いなどからストレスが生じるものです。
二世帯住宅にも種類があり、完全同居型や一部共有型、完全分離型などの間取りによってストレスの感じやすさは異なります。
ここでは、二世帯住宅の同居で抱えるストレスの原因や解消方法を詳しく紹介します。
もくじ
二世帯の同居で抱えるストレスの原因
具体的にどのような原因で、二世帯の同居に対してストレスを感じるのかを解説します。
子育てへの干渉
ストレスの原因としてもっとも多いのが、子育てへの干渉です。
具体的には、以下のような事例があります。
- 「もっとこうしたほうがよい」「自分たちのときはこうだった」など、頼んでもいないのに一方的なアドバイスをする
- 食物アレルギーのある子どもに「少しずつ食べさせれば慣れる」といって食べさせたり、おやつを必要以上に与えたりと勝手な行動をする
- 「もっと厳しいしつけをすべきだ」と、自分の子どもに手をあげようとする
二世帯で同居をすると、親世帯は孫の食事や教育、遊びなどが気になり、いろいろ干渉したくなるようです。しかし、自分と異なった子育ての価値観や方針を押しつけられると、ストレスを感じてしまいます。
家事への干渉
子育ての干渉の次に多いのが、家事への干渉です。
- 掃除がきちんとできていない
- 料理のやり方や味付けへのクレーム
- キッチンの後片付けができていない
上記のような嫌みをいわれたという人が多くいるようです。
共働きで子どもがまだ幼いときは、忙しく家事をこなすのも大変です。そういったことへの理解もなく嫌みをいわれると、ストレスになってしまうでしょう。
ただし、この問題は子どもが成長して手が離れると、解消される可能性があります。
プライバシー問題
同じ建物に住んでいると、何をするにも監視されている気分になってストレスを感じる人もいるようです。
- 外出先と帰宅時間の報告を求められて生活を監視されているように感じる
- 玄関が共有の場合、「外出が多いと思われていないか」と気になってしまう
- 夫婦げんかをすると気づかれてしまう
- 親子で一緒に生活するとプライバシーの配慮がなくなる
- お互いが相手のプライバシーに気を遣いすぎて疲れてしまう
このように監視されているようで、窮屈と感じる人が多いようです。
二世帯住宅ではお互いの生活エリアを明確に決めておかないと、プライバシーがなくなってしまうおそれがあります。
生活習慣の違い
世代や考え方が異なる人間が同居するため、生活習慣の違いはどうしても発生してしまいます。特に子どもが幼いときは、子どもの走る音や発する声などで親世帯からクレームがきたという人もいるようです。
また、以下のようなケースもあります。
- 生活スタイルが異なるため、朝や夜に聞こえる物音で眠れなくなる
- テレビのボリュームが大きく騒がしい
- トイレや浴室、キッチンなどの共有エリアの利用時間が同じで使いにくい
お互いの音が気になったり、共有エリアの使い方やルールにも食い違いがあったりして、ストレスがたまります。
【補足】二世帯の同居に向いていない性格の人は?
二世帯の同居に向いている人もいれば、向いていない人もいます。ここでは、二世帯住宅でストレスを抱えやすい人の性格的な特徴を紹介します。
神経質な人
神経質な人の中には、真面目で繊細な完璧主義者の人が多くいます。
心配性で衛生面に非常に気を使うため、少しでも自分のルールから外れたことをされると、ストレスを抱えてしまうようです。
親世帯のちょっとした物音や共有エリアの汚れなどが気になり、頭ごなしに相手を否定してしまいやすい人は、二世帯で同居するのは難しいでしょう。
すべて自分ひとりでこなそうとする人
掃除や料理、育児など、すべて自分ひとりでこなそうとするタイプは二世帯住宅に向いていないでしょう。自分たちの家族だけでなく、親世帯の分までひとりでしようと無理をしてしまいます。
ひとりで抱えこまず周囲にサポートを求めることができればよいですが、それができない人はその内、心身ともに疲れ果ててしまいます。
他人に厳しい人
自分以外の人に厳しい人も二世帯住宅は不向きです。
親世帯のすることすべてに不満を持ち、常にイライラしているようでは、世帯間の関係性が悪化してトラブルに発展するおそれがあります。
干渉されるのが大嫌いな人
自分たち家族のスペースに踏み込まれるのが大嫌いな人は、育児や家事、仕事のことなどで少しでも干渉されるとストレスがたまってしまいます。
たとえ親世帯は押しつけるつもりはなく、親切でアドバイスしたとしても受け入れられないため、二世帯の同居に向いていません。
常に我慢してしまう人
自分の意見がいえず、誰に対しても遠慮してしまう人もいます。
自分はこうしたいのに親世帯にいわれるとつい我慢して合わせてしまうような人は、知らないうちにストレスがたまってしまいます。
ストレスになりやすい二世帯住宅の特徴
ここでは、二世帯住宅自体に着目し、ストレスになりやすい住宅タイプ、間取りや設備などを紹介します。
完全同居型
完全同居型とは、寝室以外の各部屋を子世帯と親世帯が一緒に使う間取りのタイプのことです。
- 玄関
- キッチン
- 浴室
- リビング
- ダイニング
- トイレ
上記を二世帯が共有するため、親世帯との関係性が重要です。親世帯と仲が悪いと、完全同居型の生活は非常にストレスになるでしょう。
寝室のみが夫婦のプライベート空間になるため、夫婦だけの時間が確保しにくいです。玄関も共有のため、外出回数や帰宅時間などの行動を監視されているように感じてストレスになるかもしれません。
キッチンや冷蔵庫の使い方、浴室やトレイを使用する時間が同じで使えないなどの問題も発生します。
一方で、一緒に設備を使用するため、高熱費を抑えられるメリットもあります。
しかし、プライバシーを確保したい人や神経質な人にはデメリットのほうが多いかもしれません。
一部共有型
一部共有型とは、一部分だけを共有にする間取りのタイプです。
どの部分を共有するかは、各世帯によって異なります。玄関のみ共有のものもあれば、キッチンや浴室と玄関が共有のものもあります。一般的にはキッチンと浴室、玄関のみ共有の一部共有型が多いようです。
完全同居型よりはプライバシーが確保されますが、共有エリアが多い場合は、ストレスがたまってしまいます。ストレスをためないためには、玄関以外を別々にするなどの工夫が必要です。
避けたほうがよい間取り
ここでは、ストレスになりやすい、よくない二世帯住宅の間取りを紹介します。
水回りの共有
キッチンやトイレ、浴室など、水回りは別々の間取りをおすすめします。水回りは、二世帯住宅でトラブルや問題が発生しやすい場所です。
特にキッチンは、使い方や掃除の仕方、冷蔵庫の中の整理、においなどこまかい部分でもめるケースが多いようです。
また、光熱費が一緒になるため、一方だけが水道やガス、電気を多く使っているのに光熱費が折半なのは不公平などの不満も出てきます。
寝室の階上が子ども部屋
二世帯住宅は1階に親世帯の寝室、2階に子世帯の寝室という間取りが多いです。親世帯の寝室の真上に子ども部屋を設けるのは避けたほうがよいでしょう。
赤ちゃんのころは、夜泣きで階下の親世帯に気を遣うでしょう。子どもが小さいうちは部屋の中で走り回ったりもします。子どもが成長すると、親世帯の睡眠中に帰宅し部屋を歩く音や夜遅くまでゴソゴソとうるさいなどのクレームがくるおそれもあります。
生活動線が考慮されていない
共有エリアの生活動線がまったく考えられていない、以下のような間取りは避けましょう。
- 共用設備を利用するのに親世帯の部屋を通る必要がある
- 足腰の負担をかけたくない親世帯が洗濯物を干せる場所が2階のみ
毎日生活する住まいの生活動線や家事動線がよくないと、お互いが不便を感じて、ストレスがたまります。
二世帯住宅で抱えるストレスの解決方法
ここでは、二世帯住宅で抱えるストレスを軽減するコツや間取りの工夫などを紹介します。
これから二世帯住宅を建てる予定の人、すでに二世帯住宅で同居をしている人の参考になれば幸いです。
二世帯住宅の理想は完全分離型
完全分離型とは、キッチンや浴室、リビング、玄関など、すべての設備が別々になった二世帯住宅のことです。独立二世帯ともいいます。
すべての設備が親世帯と子世帯で分かれているため、プライバシーが守られます。さらに、以下のようなメリットがあります。
- 生活スタイルが異なっても、水回りを使う時間が被らない
- 干渉がないため監視されているストレスがない
完全分離型は、ほどよい距離感でお互いが生活できるため、完全同居型や一部共有型によりストレスが緩和されるでしょう。
家を親世帯と子世帯で2つに分割する際、1階と2階の上下で分けるか、左右で分けるかは、それぞれのメリットとデメリットを比較して決めましょう。
上下で分ける場合 | 左右で分ける場合 | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット | 防音が十分でないと、足音や排水音などが気になる | 十分な土地の広さがないと、上下に分ける場合よりそれぞれの世帯が狭く感じる |
完全分離型はすべての間取りを別々にするため、それなりに広い土地が必要になり、費用もかかるというデメリットがあります。
ルールを決める
完全分離型は、費用とある程度広い土地が必要です。また、すでに完全同居型や一部共有型の生活でストレスに疲れている人もいるでしょう。
ストレスを軽減するには、ルールを決めることも大切です。
過干渉をやめてもらう
二世帯でもっともストレスに感じるのが、親世帯の過干渉です。干渉に関するルールは決めておいたほうがよいでしょう。
育児や家事、仕事など、どうしても干渉されたくないことをピックアップして伝えましょう。
配偶者の親と同居している場合は、配偶者からの提案という体で話してもらうと比較的スムーズに話が進みます。
プライバシーを守る
寝室など、絶対に入ってほしくないエリアを設定しましょう。さらに、以下のようにお互いのプライバシーを守るルールを作っておけば、ストレスを軽減できます。
- 夜遅くや早朝に子世帯のエリアに勝手に入らない
- 子世帯の郵便物や洗濯物を勝手にさわらない
共有事項に関するルール
親世帯と子世帯が共有するものや共同で行うことは、あとからトラブルになるおそれがあります。
- 料理を分担制にするなど家事に関するルール
- 共有エリアの使い方
- 光熱費の費用負担をどうするか
上記のようなルールを決めておけば、トラブルを回避できます。
感謝の言葉を忘れない
親世帯のちょっとした親切に対しては、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えましょう。笑顔で感謝されると相手も気分がよくなり、コミュニケーションを円滑にできます。
感謝されたいがばかりに過干渉になったときは、実の子のほうからさりげなく注意しましょう。
ストレスを軽減できる間取りにリフォーム
少しでもお互いのストレスを軽減して快適に暮らすために、リフォームを検討する人も多いようです。ここでは、間取りを決めるときのポイントを紹介します。
生活音を配慮した間取り
最近は夫婦共働きも多く、総体的に子世帯は食事や入浴、就寝が遅い傾向にあります。早めに就寝する親世帯とは生活のリズムが異なります。
そのため、親世帯の寝室は、玄関やキッチン、浴室からできるだけ離れた配置にしましょう。
または、キッチンと浴室を別にして、1階と2階の同じ位置にキッチンと浴室を配置すると生活音のストレスは減らせます。
プライバシーが守れる間取り
完全同居型や一部共有型の場合は共有エリアが多いため、プライベートな時間や空間がなくなりやすいです。プライバシーやプライベートがなくなるとストレスがたまってしまいます。
どんな小さなスペースでもよいので、ひとりになれる部屋や夫婦だけの空間を設けておくと快適に暮らせるでしょう。
共有エリアが広めの間取り
キッチンや洗面所、リビングなど、共有エリアは同居人数に対応できる広さにするのがおすすめです。急ぎの際に使うタイミングが同じになっても、順番待ちを避けられます。
冷蔵庫や洗濯機など、家電製品も大きめのものを置けます。十分な広さの収納エリアがあるとさらに生活しやすくなるでしょう。
いまの家から住み替える
解決方法として間取りをリフォームすると解説しましたが、各家庭にとってベストな間取りは異なります。リフォームやリノベーションで解決が難しい場合は、思い切って住み替えも検討してみましょう。
同居のストレスを抱えながら、無理して住み続けるのはつらいものがあります。
また、子世帯と親世帯がそれぞれライフスタイルに合った家に住み替えるほうがよい結果を生む可能性があります。
たとえば、築年数が経過して老朽化した二世帯住宅の場合は、バリアフリーになっていないことが多いです。親世帯の生活を考慮すると、バリアフリー設計の家のほうが安心して暮らせます。
住み替えのために二世帯住宅を売却するときは、まずは一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用しましょう。
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この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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