検査済証がない物件が売買しにくい理由と対策を解説
検査済証は不動産売買において重要な書類です。検査済証がない物件は違法建築物だと思われるおそれがあり、売れにくい傾向にあります。
そのため検査済証を紛失してしまった場合は、事前に対処する必要があります。
本記事では、検査済証がない物件の売買が売れにくい理由や具体的な対策を紹介します。
もくじ
検査済証の概要
ここでは、不動産売買に欠かせない書類である検査済証の概要を説明します。
検査済証とは
検査済証は、建物が建築基準法などの規定に違反していないことを証明する書類です。
事前の建築確認申請で提出した建築計画に基づいて建築されているかをチェックする、完了検査の基準をクリアすると交付されます。
なお、検査済証の取得率は築年数によって異なり中古物件を購入する場合には、検査済証がないケースが多いです。
以下は、国土交通省が2019年に公表した「建築確認検査制度の概要」に記載されている表です。
引用:国土交通省「建築確認検査制度の概要」
検査済証の取得率が、築年数によって異なることがわかります。築年数が古い中古物件を売買する際は、まず検査済証の有無を確認しましょう。
検査済証を受け取るタイミング
前述したように、検査済証は完了検査に合格すると受け取れます。
具体的な受け取るタイミングは、完了検査に合格した日から4日以内です。
ただし、完了検査の指摘内容によっては、交付される期間が延びるケースもあるので注意しましょう。
なお、完了検査は建物の工事が完了した日から4日以内に受ける必要があります。
検査済証は再発行できない
検査済証の再発行はできません。
しかし、検査済証に代わるものとして地方公共団体から建築台帳記載事項証明書を発行してもらえます。
建築台帳記載事項証明書は、建物を売却するときの重要事項説明書に使う書類で、主に以下の内容が記載されています。
- 建築主の住所・氏名
- 建築場所・用途
- 工事種別
- 構造規模
- 建築確認済証の交付日と番号
- 検査済証の交付日と番号
過去に検査済証が交付されていた証明ができるため、検査済証の代用書類として利用が可能です。
なお、建築台帳記載事項証明書を発行するには、約200〜300円の手数料がかかります。
検査済証がない物件は売買しにくい理由
検査済証を紛失している場合、不動産の売買がしにくくなる可能性が高いです。ここではその理由を詳しく説明します。
違法建築物だと思われるから
検査済証は物件が違法建築ではないことを証明する書類です。
そのため、検査済証がないと違法建築である可能性を懸念されて、買主が見つからないおそれがあります。
また、仮に見つかったとしても違法建築であるというリスクを考慮して、売却価格が下がるおそれもあります。
とはいえ、前述したように検査済証がなくても建築台帳記載事項証明書が発行できれば、違反建築物だと思われる心配はありません。
住宅ローンが利用できないリスクがあるから
新築の家で住宅ローンを利用するとき、金融機関から検査済証などの書類の提出が求められます。検査済証のない物件は違法建築物である可能性があるため、リスクが高い案件だと判断され、融資が受けにくい傾向にあります。
同様に、中古物件を購入する際に融資を受けるときも、検査済証の提出を求められるケースは珍しくありません。
検査済証がないと住宅ローンが利用できないおそれがあるため、買主が物件の購入を避けるおそれがあります。
増改築ができないから
検査済証がない物件は、建物の購入後に増築や用途変更ができません。建物の適法性が証明できず、建築確認申請を受け付けてもらえないためです。
購入後にリフォームなどができないおそれがあるため、買主が購入を避ける傾向にあります。
検査済証がない物件の売却を成功させるコツ
コツを理解しておけば、検査済証がない物件でもスムーズに売却できる可能性があります。
ここでは、検査済証がない物件の売却を成功させる4つのコツを紹介します。検査済証を紛失して物件の売却に困っている方は確認しておきましょう。
建築台帳記載事項証明書を取得する
検査済証の代わりに建築台帳記載事項証明書の取得ができれば、検査済証がなくてもスムーズに物件を売却できます。
建築台帳記載事項証明書には、検査済証の交付が記載されているためです。
ただし、そもそも建築時に完了検査を受けていないと建築台帳記載事項証明書の取得はできません。この場合は、検査済証がない状態で売却するか、建築基準法適合調査を行う必要があります。
建築基準法適合調査を行う
建築当時に完了検査を受けていなかった場合は、建築基準法適合調査を受けて違法建築でないと証明する必要があります。前述のとおり、検査済証がない状態での売却が難しいためです。
なお、建築基準法適合調査とは国土交通省が定めている「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に沿って実施される検査のことです。
基本的には、建築前の建築確認申請で交付される確認済証や設計図などの書類をもとに現地調査を行います。
しかし、築年数が経過している物件はこれらの書類も紛失してしまっていることが多いです。そのような場合は、建築士が再度調査を行うなどして、必要な書類を復元できます。
ちなみに、建築基準法適合調査にかかる調査費用は、復元する必要がある資料の数や建物の規模によっても違いますが、約10〜30万円かかるのが一般的です。
すべての資料がない場合は100万円以上かかるケースもあるため、建築基準法適合調査を実施する際は費用対効果を確認しましょう。
不動産会社の買取も検討する
検査済証がない物件を売却する場合は、不動産会社の直接買取も検討しましょう。
売買経験が豊富な不動産会社は検査済証がない物件の取り扱いに慣れているため、買い取ってくれる可能性が高いです。
また、買主を探す必要がないため約1〜2週間で売却できるのも利点です。
ただし、買取価格は不動産仲介による売却価格よりも大幅に低くなるおそれがあります。
リビンマッチを利用する
検査済証がない物件の売却を検討するときは、不動産売却の一括査定サイト「リビンマッチ」を利用しましょう。
リビンマッチは、一度の手間で複数の不動産会社に査定依頼ができる無料のインターネットサービスです。査定価格がわかるだけでなく、不動産会社の対応を比較したり、さまざまなアドバイスを受けたりできます。
検査済証がない状態での不動産売却は、一般的な不動産売却よりも工夫が必要です。不動産会社によって得意不得意は異なるため、複数の不動産会社を比較することが重要です。
リビンマッチを利用して、安心して売買を任せられる不動産会社を見つけましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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