「持ち家だけど引っ越したい!」新居へ住み替える方法と注意点
持ち家があるからといって、いつまでも住み続けたい人ばかりではありません。新しい家に住み替えたい人も少なくありません。持ち家があっても新しい家に住み替えるときに、どのようにすればよいのかを解説します。持ち家をできるだけ高く売却する方法も紹介しているので参考にしてください。
持ち家でも引っ越しはできる!
持ち家があって、いまも住宅ローンを払っていたとしても、引っ越すことは可能です。
少なくとも持ち家の売却価格が住宅ローンの残債を上回る「アンダーローン」の状態であれば、住宅ローンを完済したうえで新しい家へと引っ越せます。
どうしても引っ越したい場合は、不動産会社に査定を依頼して、いま家がいくらで売れるのかを確かめておきましょう。
ただし、必ずしも引っ越しがもっとも適した方法とは限りません。さまざまな引っ越したい理由と対処方法を紹介しますので、引っ越し以外の選択肢もないか検討してみましょう。
持ち家でも引っ越したい理由は人それぞれ
持ち家があっても、新しい家に住み替えたいという人は少なくありません。引っ越したい理由は、人それぞれです。
ご近所トラブルに巻き込まれた。ここにいたくない
立地条件や家自体に問題がない場合でも、近隣住民とのトラブルが原因で引っ越したくなるケースがあります。ご近所トラブルの代表的なものは次のとおりです。
- 生活音・騒音
- 悪口など人間関係
- 悪臭・ゴミ屋敷
- ゴミ出し
- ペット
- 駐車・車
トラブルのなかで一番多いのは「生活音・騒音」など音に関するトラブルです。実際に住んでみないとわからないことも多く、ささいな音でもうるさく感じることもあります。
対処法
生活音や騒音に関するトラブルに対しては、騒音元となっているお宅にやんわりと事情を伝えて、改善してもらうのが一番よいでしょう。聞き入れてもらえない場合は自宅の窓をペアガラスにするなどして防音対策をするのもおすすめです。
ほかの項目に関しても、まずは相手方と日ごろから良好な関係を築いておき、「ご相談」という形で困っている内容を伝えるようにします。強めに言うと相手を刺激してしまうので、できるだけ冷静に対処しましょう。
建てた家が気に入らなかった。新しく建てたい
念願のマイホームを手に入れたのに、実際に住んでみたら家の間取りや設備が気に入らなくて、新しい家が欲しくなる人もいます。このような事態が起こる理由として、家の価格や立地などを重視しすぎて、肝心の家の間取りや設備を、ライフスタイルに合わせてきちんとプランニングしていなかったケースが考えられます。
対処法
このようなケースの対処法には、次の3つが挙げられます。
- リフォームする
- 賃貸物件として人に貸す
- 売却する
軽微な間取り変更や設備の入れ替えなどで済む場合は、リフォームをしましょう。たとえば、クロスを自分好みのデザインに貼り替える、2部屋を1部屋にして広い部屋にするなど、リフォームするだけで問題が解決することもあります。まずは、リフォームすれば解決できるかどうかを検討してみましょう。
思った以上に住宅ローンの負担がつらい
住宅ローンの返済が途中で困難になってしまい、せっかく買ったマイホームを手放そうと考える人も多いです。特にコロナ禍で収入が激減し、住宅ローンを組んだときとは経済状況が変わってしまった人もいるでしょう。また、急に親の介護などで働けなくなり、仕事を辞めてしまったケースもあるようです。
対処法
住宅ローンの返済が厳しくなったときは、なるべく早く金融機関に相談しましょう。間違っても、カードローンなどで補おうとしてはいけません。住宅ローンの借入額は数千万円など高額なのが一般的なので、その場しのぎの方法は長く持たないためです。
滞納が続くと金融機関から信用がなくなり、一括返済を求められることもあるため、できるだけ早く相談しましょう。事情によっては返済期間の延長や、利息のみの支払いに変更といった救済措置を受けられます。まずは金融機関に相談をすることが重要です。
三つ子が生まれて家が狭い。もっと広い家がいい
突然、「三つ子が生まれる」「両親と同居することになった」など家族構成が変化して、現在住んでいる家が手狭になってしまうのも理由のひとつです。
思っていた以上に子どもが産まれた、元気だった両親がふたりとも急に介護が必要になったなど、人生には想定外のケースが発生します。
人数が多くなると家の中が狭くなるので住みにくくなり、介護が必要な親を引き取るとバリアフリー化が必要になるため、現在住んでいる家では対応できないおそれがあります。
対処法
家族が増えて広い家に住みたくなった場合は、現在住んでいる家を売却して新しい家に住み替えるのもおすすめです。住宅ローンをすでに返済し終わっているなら、売却の代金を新しい家の購入費に充てられるので、資金的に無理なく住み替えられます。
住宅ローンが残っている場合も、住み替えローンなどを利用して新しい家を購入できます。不動産会社に相談して自宅の査定価格を提示してもらい、予算に合った家を購入しましょう。
通勤時間が長くてもう耐えられない。会社の近くがいい
通勤時間が長いのが原因で違う家に住みたくなる人もいます。「実際に住んでみたら通勤時間が思ったより長い」「転職したので勤務先が変わった」など、人により事情はさまざまでしょう。
テレワークを許可していない会社の場合、毎日オフィスに出社しなくてはならないので、通勤時間が長ければ心身ともに負担を感じてしまいます。
対処法
通勤時間が長い場合は、できるだけ駅の近くの立地に住み替えるのをおすすめします。駅から遠いほど土地の価格は安くなりますが、通勤時間が長くなります。
会社員の場合、現在勤めている会社の近くに住み替えても、転勤になったり転職したりするおそれがあります。そのため、エリアより「駅に近い」かどうかで住み替え先の物件を選んだほうが柔軟に対応できます。
持ち家から引っ越すときのチェックポイント
持ち家から引っ越す際は、次の5つのポイントをチェックしましょう。
- 引っ越すメリットとデメリットを把握する
- 家の売却相場を調べる
- 住宅ローンの残債を確認する
- 引っ越し先を探す
- 引っ越しにかかる費用を把握する
それぞれのポイントについて解説します。
引っ越すメリットとデメリットを把握する
持ち家を手放す際には、メリットとデメリットをしっかり見極めてから実行することが必要です。
メリット
- 心機一転、新しいスタートが切れる
- 家計の見直しができる
- 思い切った断捨離ができる
ご近所トラブルや住みにくい家の問題に悩まされていた場合は、新しい土地と家で心機一転、人生を再スタートできるでしょう。いままで住んでいたエリアより地方へ移った場合は、物価や固定資産税が安いなど家計をスリム化できる可能性があります。
長く住んでいた家の場合は、知らず知らずのうちに不要な物を溜め込んでいることもあります。引っ越しを機に思い切った断捨離をすれば、スッキリとした暮らしを手に入れられます。
デメリット
- お金がかかる
- 住み慣れた環境から離れる
- 転居手続きや引っ越しの手間が面倒
現在住んでいる家を売却して新しい家に住み替える場合は、住宅ローンがないとしても何かとお金がかかります。たとえば、家を売却・購入した際に不動産会社に支払う仲介手数料や、家を売却した場合の譲渡所得税や住民税などの税金などです。そのうえ、引っ越し代もかかります。
また、住み慣れた場所から新しい家で暮らしをスタートさせる場合、新しい土地に慣れるまでに時間がかかるでしょう。さらに、転居届と転入届の提出、ライフラインの解約や契約手続きなど、済ませなくてはならない手続きが山のようにあります。引っ越しの荷物をまとめたり、転居先で再び設置したりと体力的にもキツいのがデメリットです。
家の売却相場を調べる
住み替えをする際は、家の売却相場を確認しておきましょう。家の売却価格の相場は次の方法を使って自分で調べられます。
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産ポータルサイト
- 不動産情報ライブラリ
「レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通省から指定を受けた全国4カ所の不動産流通機構が運営する物件情報サイトです。一般の人でも閲覧できるので、売りたい物件の周辺の成約事例を調べて、相場を把握できます。
業界大手の不動産ポータルサイトで、自宅のエリアや条件と似たような物件の売り出し価格を調べるのもよいでしょう。自宅の市場価値がどのくらいなのかわかります。ただし、あくまでも売り出し価格で、実際の取引価格ではないことに注意しましょう。
また、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際に不動産が取引された価格を調べられます。土地の坪単価なども記載されているため、おおよその金額を把握するのに役立つでしょう。ただし、物件によっては築年数などが記載されていないこともあるため、あくまでも参考価格です。
住宅ローンの残債を確認する
住宅ローンを利用中の場合は、残高がどのくらいあるのかを調べなければなりません。残高を確認する方法は、次の3つがあります。
- 借入先の金融機関のWebサイト
- 金融機関から郵送される残高証明書
- 金融機関から受け取った返済予定表
金融機関によっては住宅ローンの残高照会を、インターネットで24時間確認できる便利なサービスがあります。また、毎年10~11月ごろに郵送される残高証明書や、住宅ローンを借入したときに受け取る返済予定表でも調べられます。
引っ越し先を探す
新たな住まいとなる、引っ越し先を見つけるのも重要です。引っ越し先を探すにあたっては、現在住んでいる持ち家で発生した問題を十分に検討し、反省を活かすようにしましょう。
売り先行・買い先行とは
住み替えは、以下の2パターンあります。
- 売り先行
- いまの持ち家を売ってから新居を購入する
- 買い先行
- 新居を買ってからいまの家を売却する
住み替えをする際には、家の売却と購入を同時に完了させるのが理想です。しかし、「住宅ローンの残債が多い」「手持ち資金が少ない」など資金に余裕がない人がいれば、「住宅ローンがなく、手持ち資金も余裕がある」など資金的にゆとりがある人もおり、人によって経済状況が違います。
売り先行にすれば持ち家を売却した資金が手に入るため、資金に余裕がない人も安心して新居を購入できます。買い先行は新居を先に購入してから自宅を売却するため、資金面でゆとりのある人に向いています。また、住宅ローンの残債があっても、住み替えローンを利用して新居を購入することが可能です。
引っ越しにかかる費用を把握する
住み替え先が賃貸住宅と新しく購入した家に引っ越す場合では、費用に違いがあります。
それぞれのパターンについて解説をします。
賃貸住宅へ引っ越す場合
新居を購入しないで、賃貸住宅に引っ越す場合は、引っ越し費用のほかに不動産会社に支払う仲介料などを支払う必要があります。賃貸住宅を借りるための初期費用もも忘れずに、予算に組み込んでおきましょう。支払い項目の内訳は次のとおりです。
かかる費用 | 費用の目安 |
---|---|
敷金・礼金・前家賃 | それぞれ家賃1カ月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1カ月分+消費税 |
火災保険料 | ファミリーで約2万円 |
保証料 | 家賃+共益費0.5カ月 |
引っ越し費用 | ファミリーで10万~30万円 |
新しく一戸建てを購入して引っ越す場合
一戸建てを購入して引っ越す場合の費用目安は以下のとおりです。
かかる費用 | 費用の目安 |
---|---|
引っ越し費用 | ファミリーで10万~30万円 |
不用品の処分費用 | 地方公共団体(自治体)によって異なる |
家具・家電費用などの購入費用 | 数十万円 |
引っ越しでは、古くなった家具や家電などの処分費用がかかります。費用は各自治体により異なるので問い合わせましょう。また、新しい家に住む場合は、その家に合ったインテリアや最新式の家電を購入する人が大半です。数十万円以上かかることが多いので、予算に入れておくようにします。
持ち家からの引っ越しは高く売ることが重要!
住み替えを成功させるには、少しでも持ち家を高く売ることが重要です。ここでは、高く売るための方法を紹介します。
部屋をきれいに見せる
購入希望者が来たとき、少しでも家の印象をよくするために、部屋のなかをきれいに見せることを心がけましょう。散らかっていると部屋のなかが狭く見えるため、きちんと片付けておくようにします。
必要に応じてハウスクリーニングを依頼するのも効果的です。水回りやキッチンの頑固な汚れを落とすのは困難なため、プロに清掃してもらいましょう。
内覧での対応をよくする
売り先行で住み替えをする場合は、住んでいる状態の家に購入希望者が内覧に来ます。そのため、家の状態の良し悪しが売れやすさに影響します。
売り出し価格を少し高めに設定する
実際に売りたい価格より、少し高めの金額で売り出し価格を設定します。中古の家は意外に傷んでいる箇所もあり、買主が値引きを要求してくることがあるためです。なかなか売れないときも値下げをするケースがあるため、最初の売り出し価格は少し高めにしておきましょう。
相性のよい不動産会社を見つける
不動産会社はすべて同じと思っていたら大間違いです。マンションの取引が得意、戸建ての売却が得意など不動産会社によって、さまざまな違いがあります。つまり、近所の不動産会社に相談して家の売却を託すのは、決してよい方法とはいえないのです。不動産会社の違いを認識して、自分の家と相性のよい不動産会社を見つけることが大切です。
複数の不動産会社を探して連絡するのは大変なので、業界最大手の一括査定サイト「リビンマッチ」をご利用ください。売りたい家の情報や所有者の連絡先などを入力するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼できます。あとは査定価格や担当者のやる気などを比較して、不動産会社を選んで契約しましょう。チャット形式で質問に答えるだけなので簡単に申し込みができます。ぜひご利用ください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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