「不動産投資やめたい…」所有物件を手放す方法とやめるときの注意点
不動産投資は確実に儲かるわけではないうえに、とても手間がかかることがあります。さまざまな対応に追われて、「不動産投資をしていたけれど、もうやめたい」という気持ちになるのも仕方ありません。
どのようにして所有物件を手放せばよいのか、手放すときにどういったことに注意すればよいのか、不動産投資をやめる方法を解説します。
不動産投資をやめたいときのチェックポイント
不動産投資をしていると、想定外の問題が発生することが少なくありません。不動産投資をやめたいときのチェックポイントについて、改善策とともに解説します。
赤字続きで改善が見えない
不動産投資で赤字になる主な原因には、次の3つのようなケースが挙げられます。
- 家賃収入よりもローンの返済額が多い
- 高額な修繕費を請求される
- 空室が埋まらない
不動産投資をはじめるときはアパートローンなどを利用して、金融機関から融資を受けるケースが一般的です。しかし、家賃収入よりもローンの返済額が多いと、資金ショートを起こしてキャッシュフローが厳しくなります。
そもそもローンの返済額を考慮しながら家賃を設定するため、家賃収入のほうが多いはずですが、家賃収入に対する返済比率が高い場合、手元に残るお金が少なくなってしまいます。そのため、空室が発生すると家賃収入が減って、赤字が発生しやすくなるのです。
対策としては、次の方法があります。
- 返済期間を延長する
- 自己資金を入れて返済金額を減らす
これにより、金融機関と交渉して返済比率を下げられます。
また、アパートやマンションの修繕費も高額になることが多く、部屋の状態によっては家賃収入を上回るほどの金額を請求される場合もあります。不動産管理会社は自社の利益分を上乗せして請求することが多いので、金額に納得できない場合は、請求の根拠を聞くとよいでしょう。
空室がいつまで経っても埋まらない場合は、管理会社に依頼するだけでなく、ほかの不動産会社にも相談することをおすすめします。
物件管理の負担がつらい
不動産経営をしていると、よくある問題が入居者からのクレームや修繕対応です。
なかにはクレーマーのような入居者もいるため、一度問題が発生すると大変な事態になってしまいます。また、「給湯器が壊れた」「水漏れがする」など、入居者から修繕依頼をされることも少なくありません。設備機器に不具合が発生すると入居者が生活できなくなるため、早急に対応する必要があります。
しかし、会社員など不動産投資のほかに本業を持っている人は、すぐに対応できるとは限りません。管理委託費はかかりますが、専業で賃貸経営を行っていない場合は、不動産管理会社に管理を依頼すると負担を減らせます。
確定申告が面倒くさい
不動産投資をしていると不動産所得が発生するため、毎年、確定申告をする義務があります。
会社に勤めている場合は、勤務先の会社が年末調整などで税金に関する作業を代わりに行ってくれますが、不動産所得を申告するときは、自分で確定申告をしなければなりません。そのため、日頃から帳簿をつけるなどの事務作業をすることになりますが、人によっては非常に「面倒くさい」と感じることもあるでしょう。
自分で確定申告を行うのが面倒な場合は、税理士に毎月の帳簿づけや確定申告の書類作成を依頼するのがおすすめです。
不動産投資をやめるときの注意点
このまま不動産投資を続けていても改善策が見えない場合は、いったんその物件を手放すのもひとつの方法です。
ここでは、不動産投資をやめるときの注意点について解説をします。
売却益でローンを完済できるかどうか
不動産投資では、アパートローンなどを利用して金融機関から借入をするのが一般的です。アパートローンの残債が売却益を下回ると借金をそのまま背負ってしまうため、高く売却することが大切です。
不動産投資をやめるときに損失を出さないための対策は次のとおりです。
- 不動産一括査定サイトを利用して物件の市場価格を把握する
- 査定価格をもとにできるだけ高い価格で売却をする
- 譲渡費用をなるべく抑える
まずは、不動産一括査定サイトを利用して、自分が所有する物件の市場価格を具体的に把握しましょう。複数社の査定価格や対応などを比較し、信頼できる不動産会社に売却の仲介を依頼します。
譲渡費用をなるべく抑えるのもポイントです。仲介を依頼する不動産会社に、事情を話して少しでも仲介手数料を減額してもらえるように交渉してもよいでしょう。
売却に適した不動産相場かどうか
査定依頼をすると、さまざまな不動産会社が価格を提示してきます。その際に、売却に適した不動産相場かどうかを見きわめることも重要です。
不動産会社は取引する金額が高いほど仲介手数料を多く取れるので、少しでも高い価格で仲介したいのが本音です。しかし、近隣の相場とあまりにかけ離れた価格では購入する人が見つかりにくいため、早めの売却が難しくなります。
インターネットでは不動産の相場価格を簡単に調べられるため、自分でも不動産価格を調べておきましょう。不動産ポータルサイトやレインズマーケットインフォメーションなどで、不動産会社に相談しなくても相場価格を調べることができます。
購入後5年を過ぎてから売却をする
不動産を売却して得た利益に対して「譲渡所得税」という税金が課せられますが、保有年数によって税率の軽減措置が適用されます。
税率の軽減措置の内容は次のとおりです。なお、税率には復興特別所得税の2.1%相当がプラスされています。
長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 | |
---|---|---|
所有期間 | 5年超 | 5年以下 |
税率 | 20.315% 所得税:15.315% 住民税:5% |
39.63% 所得税:30.63% 住民税:9% |
税率が5年をラインに約2倍も違いがあるため、できるだけ5年以上経ってから売却したほうが手元に残るお金が多くなります。
不動産投資をやめて物件を手放す方法
不動産投資を行っていた物件を売却するには、さまざまな手続きが必要です。不動産投資をやめて物件を手放す手順は次のとおりです。
- 不動産会社に物件の査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を交わす
- 不動産の売却活動を開始
- 買主と売買契約を締結する
- 物件の引渡し・決済を行う
- 税務署に確定申告をして納税する
① 不動産会社に物件の査定を依頼する
不動産査定一括サイトを利用して、複数の不動産会社に物件の査定を依頼しましょう。ポイントは1社ではなく複数社であることです。
各不動産会社は市場価格をもとに原価法、取引事例比較法、収益還元法などの方法で対象となる不動産の査定価格を割り出します。
② 不動産会社と媒介契約を交わす
適正な市場価格を提示する不動産会社が見つかったら、媒介契約を交わします。媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つです。
専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約で、契約を結んだらほかの不動産会社に仲介を依頼できません。自分が見つけてきた買主も同様です。メリットは、限られた期間内に買主を探さなければならないため、熱心に取り組んでくれることです。
専任媒介契約の場合も不動産会社1社にしか仲介を依頼できませんが、自分で見つけてきた買主には売却できます。一般媒介契約は同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できるので、幅広く買主を探したい場合に有効な方法です。
専属専任媒介契約と専任媒介契約の契約期間は3カ月ですが、仲介を依頼してもなかなか売れない場合は、契約を更新せずに別の不動産会社へ変更したほうがよいでしょう。なお一般媒介契約には期間が定められていません。
どの媒介契約を選べばよいのか迷ったら、次の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
媒介契約の関連記事
③ 不動産の売却活動を開始
媒介契約を交わすと、不動産会社が不動産の販売活動を開始します。
基本的に不動産会社が広告活動や購入希望者の内覧対応などを行うため、売主は特にすることはありません。買主から値引き交渉などを受けたときは、判断を求められることがあります。
④ 買主と売買契約を締結する
買主が見つかり、特に問題がなければ不動産売買契約を交わします。
売主・買主・不動産会社で、売主側の不動産会社のオフィスで契約手続きを行うのが一般的です。いったん契約を交わすと、原則、一方の都合で契約を解除することはできません。
⑤ 物件の引渡し・決済を行う
売買契約書で定めた日時に決済と引渡しを行います。
売却代金を買主から受け取り、売主のアパートローンが残っている場合は融資先の金融機関の立ち会いのもと同時に返済を行います。
決済が完了したら、売主から買主へ所有権の移転登記申請を行い、物件の引渡し、売却した不動産に抵当権がついている場合は抵当権抹消の手続きも済ませます。登記に関する手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。
⑥ 税務署に確定申告をして納税する
売買取引が完了して利益が出た場合は、確定申告で納税する義務があります。譲渡所得がない場合には税金が発生しないため、確定申告をする必要はありません。
不動産会社選びは一括査定サイトを利用する
不動産投資に利用していたアパートやマンションを売却するときは、できるだけ多くの不動産会社に査定を依頼しましょう。不動産会社によって得意な物件、不得意な物件があるほか、査定価格も違います。少しでも高く物件を売却したいのであれば、査定価格が高く、信頼のできる不動産会社に依頼しましょう。
多くの不動産会社に査定を依頼するときは「リビンマッチ」が便利です。売却したい物件の情報や連絡先などを一度入力するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼できます。あとは各不動産会社を比較して、信頼できる会社と契約を交わすだけです。
24時間365日いつでも査定を依頼できるため、日中だと忙しい人でも利用できます。少しでも早く売却したい場合は、リビンマッチを利用してください。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
離婚で家を財産分与 (27) 老後の住まい (24) 売れないマンション (16) 一括査定サイト (15) 離婚と住宅ローン (13) 海外移住 (11) 訳あり物件 (11) 家の売却 (11) 家の後悔 (10) 不動産高く売る (9) 実家売却 (9) マンション価格推移 (8) マンションの相続 (8) 移住 (7) アパート売却 (7) 不動産会社の選び方 (6) マンション売却の内覧 (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) お金がない (5) 空き家売却 (5) 離婚準備 (5) 離婚と家売却 (5) 農地売却 (4) 近隣トラブル (4) マンション買取 (4) 家の解体費用 (4) 売れない土地 (3) マンションか戸建てか (3) サブリース (3) イエウール (3) 不動産価格推移 (3) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて