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マンションを賃貸に出すとどうなる?費用やメリット、デメリットを解説

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マンションを賃貸に出すとどうなる?費用やメリット、デメリットを解説

マンションを購入して住んでいても、転勤や離婚、家族構成の変化などさまざまな理由で引っ越しが必要な状況があります。

しかし、せっかく購入したマンションをそのまま手放してしまうのは惜しいと感じることもあります。そのためマンションを賃貸に出して、収入を得たいと考える人は一定数います。

しかしマンションを賃貸に出すには、さまざまな費用や手続きが必要です。事前に把握して賃貸に出すべきかを検討してみましょう。

マンションを賃貸に出すとどうなる?

マンションを賃貸に出すメリットとデメリットは、以下の5つです。

マンションを賃貸に出すメリットとデメリット
メリット デメリット
  • 家賃収入を得られる
  • 節税ができる
  • 将来もう一度住むこともできる
  • 入居者の募集や管理に手間がかかる
  • 空室や滞納などのリスクがある

メリット:家賃収入を得られる

賃貸に出すことの最大の魅力は、定期的な家賃収入を得られることです。ローン返済や管理費などの支出を差し引いて手元に残ったお金は自由に使えます。

また、家賃収入は不動産価格の変動に影響されにくく、安定したキャッシュフローを生み出します。

たとえば、東京都内の中古マンションを3,000万円で購入し、月額10万円で賃貸に出したとします。ローン返済や管理費などの支出が月額6万円だとすると、毎月4万円の利益が得られます。年間では48万円の収入になります。これは、3,000万円を利息が0.001%の銀行預金にした場合よりもはるかに高い収益率です。

メリット:節税ができる

家賃収入は不動産所得として扱われますが、さまざまな経費を差し引くことができます。

経費として認められるものは、ローン返済の利息部分や管理費、修繕費、固定資産税などです。また、マンションの建物部分は耐用年数に応じて減価償却費として経費計上できます。

たとえば、年間の家賃収入が120万円、ローン返済の利息部分や管理費などが60万円、減価償却費が100万円だとします。所得税や住民税の課税対象は、家賃収入の120万から経費の合計160万円を差し引いて、40万円マイナスです。 つまり赤字になるため、税金はゼロです。さらに、赤字分は給与所得などほかの所得から控除ができるため、節税効果があります。

メリット:将来もう一度住むこともできる

マンションを手放すわけではないため、将来自分がもう一度住むこともできます。 人が住んでいない状態だと、換気や清掃が行われません。そのため、マンションの劣化や破損が進み、価値が下がったり、近隣住民に迷惑をかけたりするおそれがあります。

しかし、自分が戻るまでの間、人に貸すことでマンションの管理やメンテナンスが行われるため劣化や破損を防げます

デメリット:入居者の募集や管理に手間がかかる

マンションを賃貸に出すことで家賃収入を得られる代わりに、入居者とのやりとりやトラブル対応などの管理業務が発生します。

自分で管理業務を行う場合は、時間や労力がかかります。また、専門的な知識や経験が必要な場合もあります。

たとえば、入居者を募集する場合は、マンションの情報を広告媒体に掲載したり、内見希望者と連絡を取ったり、契約書類を作成したりする必要があります。また、入居者が決まったあとも、家賃の回収や敷金の精算、修繕や清掃の手配などを行わなければなりません。入居者からクレームや相談があった場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。

これらの管理業務を自分で行うのは大変なので、多くのオーナーは不動産会社に委託します。しかし、不動産会社に委託する場合は、仲介手数料や管理手数料などの費用が発生します

デメリット:空室や滞納などのリスクがある

マンションを賃貸に出すことで家賃収入を得ることができますが、その収入は常に安定しているとは限りません。入居者がいない期間や家賃を支払ってくれない場合は、収入が減少するだけでなく、固定資産税や管理費などの支出は変わらず発生します

また、入居者が家賃を滞納した場合は、催促や督促を行う必要があります。最悪の場合は、裁判所に訴えて強制執行しなければならないケースもあります。

マンションを賃貸に出すための費用は?

マンションを賃貸に出すには、さまざまな費用が発生します。

仲介手数料は原則家賃の1カ月分+消費税

マンションを賃貸に出すときに自分で入居者を探さず、プロである不動産会社に一任する場合、仲介手数料が発生します。

不動産会社は入居者を探すほかに、以下の業務も行ってくれます。

  • 内見希望者の対応
  • 賃貸借契約の説明や契約

仲介手数料は、入居者が決まって賃貸借契約を締結するまでは発生しません

また、仲介手数料は宅地建物取引業法で、家賃の1カ月分+消費税が上限と定められています。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第四十六条

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(中略)の一月分の一・一倍に相当する金額以内とする。

国土交通省「昭和45年建設省告示第1552号」

たとえば月々の家賃が6万円の場合、6万円に10%の消費税が加算され、6万6,000円が上限です。

この仲介手数料は貸主と入居者が半分ずつ負担することもあります。そのため、入居者が仲介手数料1カ月分を不動産会社に支払う場合、貸主は支払う必要がありません。

管理委託費

物件の管理を管理会社や不動産会社に委託する場合は、管理委託費が発生します。

会社によって内容は違いますが、おおまかな費用の内訳は以下のとおりです。

  • 事務管理業務担当者への支払い
  • 定期清掃業務への支払い
  • 管理員への支払い
  • 建物や設備の管理業務への支払い

国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」によると、月あたりの管理費の総額の平均は1万5,956円でした。

しかし管理費は、物件の規模や広さなどによって違います。一般的に単身用よりファミリータイプ、低層のマンションよりタワーマンションのほうが管理委託費が高くなる傾向にあるようです。

リフォームやハウスクリーニング費用

設備が古い場合は、リフォームをしてから貸し出すことが多いです。費用はリフォームの規模によって違います。

クロスの張り替えのみは数万円で済みますが、大規模なリフォームだと100万円以上かかるケースがあります。

マンションを賃貸に出すときに住宅ローンはどうなる?

賃貸に出したい物件の住宅ローンがまだ残っている場合はどうなるのでしょうか。

原則、住宅ローンのままの賃貸に出すことはできない

住宅ローンは、借り入れた資金の使い道を借り手本人と家族が居住するための物件の購入費用に限定した金融商品です。そのため、本来、住宅ローンを組んで購入した物件は賃貸に出せません。

そこで、選択できる方法としては、以下の2つがあります。

  • 金融機関の許可を得て賃貸に出す
  • 不動産投資ローンに借り換える

また、自身の居住部分を残したうえで一部を賃貸に出す「賃貸併用住宅」にする方法もあります。しかし、マンションでは現実的ではないため、ここでは割愛します。

金融機関の許可を得て賃貸に出す

住宅ローンの貸し手である金融機関に賃貸物件としてマンションを使用する許可を得られる可能性があります。たとえば「転勤などの事情で家に住み続けることができなくなったが、いずれ戻ってくるので、離れている間だけ賃貸したい」など、相応の事情があるときです。

反対に、そういった事情がなく、たんに賃貸に出したいというだけでは許可されません。

不動産投資ローンに借り換える

一般的には、ローンの借り換えを行い、住宅ローンについては完済するのが通常の手順でしょう。

アパートローンなど、投資用物件のためのローンであれば、ローンを返済しながら物件を賃貸に出せます。

ただし、次で詳しく解説しますが、返済の負担が増えたり、住宅ローン控除がうけられなうなったりといったデメリットがあるため、注意が必要です。

不動産投資ローンに借り換えるときの注意点

住宅ローンを不動産投資ローンに借り換えて賃貸に出す場合は、以下のような点に注意しましょう。

  • 借り換えにも審査がある
  • ローン返済の負担は増える
  • 住宅ローン控除が受けられなくなる

借り換えにも審査がある

借り換えるということは、新たにローンを組むということです。現在の住宅ローンの金融機関の許可がいることはもちろん、新たなローンについても、あらためて審査が必要なため、必ず借り換えができるとは限りません。

また、借り換えにあたっては事務手数料がかかります。

ローン返済の負担は増える

不動産投資ローンは、住宅ローンよりも金利が高いです。住宅ローンは低金利なものなら1%未満のものもありますが、賃貸用は3%以上が主流です。その分、これまでよりも返済の負担が増えるため、注意しましょう。

特に、賃貸し始めてから、思うように入居者が見つからないなど、想定より収益が上がらなければ、返済負担が重くなってきます。資金計画をしっかり立てておくことが大切です。

住宅ローン控除が受けられなくなる

住宅ローンを返済している人は、条件にもよりますが、住宅ローン控除により所得税の税額控除を受けられます。

不動産投資ローンに借り換えて賃貸を始めた場合、この控除がなくなるため、税負担の分だけトータルでの収益が減ってしまいます。

マンションを賃貸に出す方法

マンションを賃貸に出すまでの一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 依頼する不動産会社を選ぶ
  2. 賃貸借契約の方法を選ぶ
  3. 不動産会社と契約する
  4. ハウスクリーニングを行う
  5. 入居者を募集する
  6. 入居者と賃貸借契約を締結する

それぞれについて詳しく解説します。

手順1:依頼する不動産会社を選ぶ

まずは依頼する不動産会社を探します。賃貸物件の取り扱い実績が豊富な不動産会社を選びましょう

なお、賃貸に関係する不動産会社には以下の種類があります。

  • 仲介と管理の両方を行う
  • 仲介のみを行う
  • 管理のみを行う

任せたい業務によって、依頼先を検討しましょう。

手順2:賃貸借契約の方法を選ぶ

不動産会社を選択したら、次は入居者と締結する賃貸借契約の方法を選びます。賃貸借契約は2種類あるため、状況に合わせて最適なものを選びましょう。

普通借家契約

賃貸においてもっとも多い契約方法で、1年以上の契約期間を設定します。一般的には、2年に一度の契約更新が多いようです。

入居者から解約の申し出がない限り、貸主から解約はできません。

定期借家契約

貸主が契約期間を決められる契約で、1年未満の契約期間も設定できます。

期間満了時に契約は終了となりますが、双方合意の上で再契約できます。

手順3:不動産会社と契約する

不動産会社と契約方法が決まれば、不動産会社と契約します。その際、不動産会社との契約は次の2種類です。自分の状況に合わせて契約をしましょう。

媒介契約

不動産会社が入居者の募集や宣伝などを行いますが、入居者の決定はマンションの所有者が行います。信頼できる入居者かどうか自分で判断したいという人には最適な契約かもしれません。

代理契約

入居者の募集や宣伝、入居者の決定までを不動産会社に一任する契約です。時間がない人や面倒な作業を避けたい人は、代理契約が適しているでしょう。

手順4:ハウスクリーニングを行う

ハウスクリーニングのタイミングはさまざまですが、できるだけ内見前に行ったほうがよいでしょう。

入居を検討している人が実際に住むかどうかは、内見によって受けた印象が決め手になる人も多いようです。また、ハウスクリーニングは原状回復の意味もあります。

賃貸に出すマンションに居住中の状態で内見を行う場合は、家財道具が置かれた状態で部分的なクリーニングをします。窓のサッシや換気扇など、普段お手入れしにくい箇所を掃除しましょう。

手順5:入居者を募集する

入居者の募集をするために、条件を設定します。

賃料の設定は難しく、低すぎると十分な利益を得られませんし、高すぎると入居者が見つかりません。不動産会社に相談しながら賃料の相場を調査して、最適な家賃設定をしましょう

その他の条件も細かく設定しすぎると入居者が見つかりにくいため、これだけは譲れないもの以外はなくすなど、条件を絞ったほうがよいかもしれません。

手順6:賃貸借契約を締結する

入居希望者があらわれたら、不動産会社は入居希望者と一緒にマンションの内見を行います。

入居の申し込みを受けたら審査を行い、契約内容に同意が得られたら、賃貸借契約を締結します。

賃貸と比較して売却も検討する

マンションを賃貸に出すには、さまざまな費用や手続きが必要です。そのため賃貸に出すよりも売却したほうがよいケースがあります。

売却のメリット

マンションを売却すると、まとまった金額が手に入ります。さらに維持費や管理費、固定資産税などの費用を払い続ける必要がありません

また、住居用のマンションを売却して発生した利益には税金が発生しますが、次の税制優遇が受けられます。

3,000万円特別控除
利益のうち、最高3,000万円まで課税対象にならない
10年所有軽減税率の特例
10年以上住んだ物件の売却に適用される
買替え特例
売却価格より新居の購入価格のほうが大きい場合に適用される

売却のデメリット

マンションを売却すると、将来的なコストを抑えられますが、売却時に不動産会社への仲介手数料や登記費用、印紙代などは発生します。

費用や税金をあらかじめ把握して、売却計画を立てる必要があります。

また、マンションの買主がすぐに見つかるとは限りません。すぐに売却したい場合、買主がなかなか見つからないと、想定していた売却価格より低い金額になるおそれがあります。

それを避けるには、売り出し価格や売却のタイミング、依頼する不動産会社を慎重に検討する必要があります。

賃貸と売却の比較表

賃貸と売却のメリットとデメリットを以下の比較表にまとめました。

賃貸と売却の比較表
  賃貸 売却
メリット
  • 家賃収入を得られる
  • 節税ができる
  • 将来自分がもう一度住むこともできる
  • まとまった資金が手に入る
  • 維持費や管理費、固定資産税の支払いが不要
  • 税制優遇が受けられる
デメリット
  • 入居者の募集や管理に手間がかかる
  • 空室や滞納などのリスクがある
  • 売却に費用がかかる
  • 買主がすぐに見つかるとは限らない

迷っているなら売却を検討しよう

賃貸も売却もそれぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の状況に合ったほうを選択しましょう。

売却か賃貸か迷っている場合、まとまったお金が入ってくる売却も検討してみてはいかがでしょうか。賃貸に出す手間や費用、リスクに困る事態は避けられるため、所有するマンションで悩み続けることはなくなります。

どの不動産会社に相談してよいかわからないときは、まず一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用しましょう。リビンマッチでは、簡単な物件情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼ができます。

マンションのおおよその売却価格が予想できるだけでなく、専門家によるさまざまな意見を聞けます。

まずは行動することが大切です。賃貸か売却か迷っている人は、いますぐリビンマッチを利用して検討しましょう

マンションの賃貸に関するよくある質問

マンションは賃貸と売却はどっちがいい?
将来自分がもう一度住みたい場合は賃貸に出すのがよいでしょう。しかし手間や費用がかかるため、迷っている場合は、まとまったお金が入ってくる売却を検討してもよいでしょう。
マンションを賃貸に出すにはどんな費用がかかる?
仲介手数料が原則家賃の1カ月分+消費税、管理委託費が毎月約1万5,000円かかります。また、リフォームやハウスクリーニングが必要な場合がありますが、費用は規模によって違います。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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