1年以上売れない家は諦めるべき⁉売れない理由や対策を解説
家を売りに出したものの、1年以上買主が見つからないケースがあります。家を売りたい理由はさまざまですが、売れないと新居を決められなかったり、将来のライフプランに狂いが生じるかもしれません。
しかし1年以上売れないのだからもうこの家は売れないのでは、と諦めかけている方もいるでしょう。しかし少しの工夫をすれば、売れるようになる可能性があります。
本記事を参考にして、もう一度家の売却計画を見直してみましょう。
もくじ
家は1年以上売れないともう諦めるべき?
そもそも家の売却にはどれくらいの期間を費やすものなのでしょうか。
家の売却期間は約3カ月が目安
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)」によると、中古戸建て住宅のレインズ登録から成約に至るまでの日数は、以下のとおりです。レインズとは、全国の不動産会社が物件情報を公開するシステムです。
年度 | 日数(日) |
---|---|
2011 | 83.2 |
2012 | 87.5 |
2013 | 88.5 |
2014 | 88.4 |
2015 | 89.6 |
2016 | 92.4 |
2017 | 91.0 |
2018 | 96.2 |
2019 | 100.1 |
2020 | 114.1 |
2021 | 95.2 |
平均すると、家の売却期間は約93.3日ということがわかります。
つまり、1年以上家が売れない場合は、売り出し価格を下げるなどの妥協や根気が必要かもしれません。
売却準備は半年前からが理想
中古住宅の売却にかかる期間は、3~6カ月が目安といわれています。もちろん立地や築年数、価格などによって変わるため、必ずしもこの期間に売れるとは限りません。
早く売却するには、事前に綿密な計画を立てておくことが重要です。売却を決めてから売却するまでの大まかな流れは以下のとおりです。
- 家の査定を依頼する
- 仲介を依頼する不動産会社の決定
- 売り出し価格などの決定
- 広告などで売却活動
- 買主が決まったら売買契約の締結
- 家の引き渡し
これらの計画を引き渡したい時期から逆算して立てます。一般的には、引き渡したい時期の約半年前から行動を開始するのがよいといわれています。
計画どおりに売却するには、不動産会社選びが重要です。中古住宅の販売実績が豊富な不動産会社を探しましょう。もちろん不動産会社の営業力や熱意、誠意も大切ですが、売主の尽力も必要です。
1年以上売れない家にはさまざまなデメリットが発生
売却準備を始めてから半年以内で家が売れるのが理想ですが、すべての家が半年以内に売れるとは限りません。中には1年以上も売れない家があります。
では、売却期間が長引くとどのような事態が起こるのでしょうか。
長い間売れていない家は何か問題があるのではと考えられ、購入希望者から敬遠される傾向にあります。
また、すでに新居に引っ越してから家を売りに出している場合、売却期間が長引くということは、誰も住んでいない期間も長くなるということです。家や庭の手入れがされず老朽化が進み、近所からクレームが来るおそれがあります。
しかし早く売却してしまいたいがために焦ってしまうと、当初予定していたよりも大幅に売却価格を下げてしまうことにもなりかねません。
売れないのには必ず理由がある!
家が1年以上もの長期間売れないのには、必ず理由があります。なぜ家がなかなか売れないのか、その理由と対策を紹介します。
築年数が古い
家は新しいほど人気があり、築年数が経過するほど売れにくくなっていく傾向にあります。建物は築年数がたつほど老朽化して、設備も古くなるためです。
買主にとっては、安く家を購入できても、建物が老朽化していると修繕費用でお金がかかるのではないかと不安を感じるでしょう。
地震や台風などの自然災害にも耐えられるのかを気にする人もいるはずです。
また、木造住宅の耐用年数は法的に22年と定められています。築年数が22年を超えると、建物自体の価値はほとんどありません。そのため築20年以上の物件は、ほかの条件がよくても購入をためらう人がいるでしょう。
対策のひとつとして、専門家である住宅診断士に依頼し、建物の劣化状態を確認してもらう方法があります。
- 不具合の有無
- あと何年くらいもつか
- 今後修繕が必要になりそうな箇所や費用
上記のような住宅診断士の診断結果があると、安心して購入を決める人が見つかるかもしれません。
また、必要であればリフォームやリノベーションを検討しましょう。ただしリフォームなどに多額の費用がかかってしまうと、かえって損をするおそれがあります。売却を依頼する不動産会社に相談しながら、費用対効果があるかをよく検討しましょう。
家周辺の環境に問題がある
家自体の状態は非常によいのに売れない場合、家周辺の環境や立地条件が理由かもしれません。
駅からの距離が遠い
特に都心では駅近の物件に人気が集中し、最寄り駅から徒歩15分以上になると駅から遠い物件として敬遠されがちです。
こういった場合は、駅からの距離以外の以下のような優れた点をアピールしましょう。
- 緑が多く環境がよい
- 商業施設や医療機関などがそろっている
- 住宅設備が充実している
- 治安がよい
駅から近くなくても快適な生活ができることを売りにするとよいでしょう。住んでみて感じた長所をリストにしてみると、アピールポイントが見つかります。
一戸建ての需要が少ない
一戸建ての需要が少ないエリアに家があると、買主をすぐに見つけるのは困難でしょう。
たとえば、一戸建ての購入はファミリー世帯が多いため、近くに学校や病院がないエリアは人気がありません。
不動産会社は大手だけではなく、規模は小さくともその地域に根づいた不動産会社にも相談してみましょう。その地域の不動産に精通したスタッフがいるため、どのようにすれば買主が見つかるなどのアドバイスがもらえます。
不動産会社に営業に原因がある
条件は悪くないにも関わらず売れないのは、不動産会社に原因があるかもしれません。
不動産会社の営業方法のひとつに、「あて物」があります。これは不動産会社が売りたい物件が早く売れるように、それよりも劣った物件を見せて比較させる手法です。本来売りたい物件を決め物、比較させるために見せる物件をあて物といいます。不動産会社からあて物扱いにされてしまうと、当然物件は売れません。
もうひとつは「囲い込み」という営業方法です。囲い込みとは、不動産会社が仲介手数料を自社が確実に受け取れるように、物件を他社に紹介しないようにする方法です。
あて物や囲いこみは違法ではないものの、不動産の売主と買主の両方にメリットがありません。親身になって営業活動をしてくれる不動産会社に依頼先を変えるのが賢い選択といえるでしょう。
また不動産会社を選ぶときは、一括査定サイトのリビンマッチを利用しましょう。リビンマッチなら一度の手間で複数の不動産会社に相談できるので、各社の対応を比較できます。
売主の工夫不足
売主に原因があって売れないこともあります。
広告で物件の魅力がアピールできていない
広告は、家に興味を持ってもらうための大切なツールです。その広告が見にくい、詳細の記載がない、物件の写真がよくないと誰の目にもとまりません。もちろん内覧希望などの問い合わせもないでしょう。
まず、家の状態がはっきりとわかる写真を掲載しましょう。きれいに撮りたい場合はプロに依頼してもよいです。間取りなど家の詳細はもちろん、以下のようなメリットも記載してアピールしましょう。
- 日当たり良好
- 収納豊富
- システムキッチン
- 住環境良好
また、リノベーションやリフォーム済みの物件は、どの箇所をいつ行ったのかも忘れずに記載します。
内覧が原因
内覧希望は多いのに買主が決まらない場合は、内覧に問題があります。
- 実際に見た物件がイメージと違う
- 売主や不動産会社の対応が気になる
内覧時に、このようなマイナスな印象を受けたおそれがあります。
内覧前にハウスクリーニングをして、少しでも清潔できれいにしておきましょう。家がきれいだと家全体が明るい雰囲気がするものです。
また、内覧に来た人に接するときは、以下の点に注意しましょう。
- ぜったい買わせようと圧をかけない
- 自由に見てもらい、こちらから話しかけすぎない
最低限のおもてなしをして、質問されたときは的確かつ丁寧に回答しましょう。
1年以上売れない家を売るための方法!
これまで解説した対策をしたにも関わらず1年以上売れないときは、ここで紹介する方法を試しましょう。
売り出し価格の変更
1年以上売れない場合は、売り出し価格を見直してみましょう。
まず自分が売り出している家の価格が、周辺物件の価格より高いのか低いのかを調べてみましょう。周辺の相場より価格を低く設定してみると、すぐに買主が見つかることもあります。
値下げをするタイミングは、不動産がよく取引される時期がよいでしょう。一般的には、新学期や転勤などで4月から住む家を探す人が多い、1~3月がベストなタイミングといわれています。
注意点としては、周辺の家も早く売却したいために価格を下げている可能性があります。その価格に合わせて値下げをすると、売却できたとしても手元にほとんど資金が残らないおそれがあります。その場合は、ほかの物件が売れるのを待つのもひとつの選択です。
不動産会社との契約を変更する
売り出し価格の値引きをしたくない方は、不動産会社と結んでいる契約の変更を検討してみましょう。
家が長期間売れない場合、不動産会社とは一般媒介契約を結んでいることが多いようです。一般媒介契約は、複数の不動産会社へ不動産仲介を依頼できる契約です。
不動産会社の利益になる仲介手数料は、買主との売買契約が成立して初めて報酬として発生するものです。つまり不動産会社からすると、一般媒介契約では確実に仲介手数料が受け取れるわけではないため、営業の優先順位が下がるおそれがあります。
そのため、物件がなかなか売れないという結果になりやすいのです。
専任媒介契約や専属専任媒介契約に変更すると、複数の不動産会社に依頼ができません。しかしその分、営業担当者が優先順位を上げて積極的に売却活動をしてくれる可能性が高いです。
また、一般媒介契約とは異なり、レインズへの登録や売却活動の進捗報告も行う義務があるため売主も安心です。レインズとは、全国の不動産会社が物件情報を閲覧するために利用するシステムのことです。
一般媒介契約をして1年以上家が売れないときは、専属媒介契約や専属専任媒介契約への変更を検討してみましょう。
不動産買取を検討してみる
不動産買取とは、不動産会社が直接家を買い取ってくれる方法で、契約が成立すれば最短1週間で現金化ができます。
一般的な不動産仲介と違い、そもそも買主を探す手間がないため、売れないことに悩む必要がありません。
ただし不動産会社によって買取の条件は異なり、築年数が経過している物件などは買い取ってくれない会社もあります。
また買取価格は、不動産仲介よりも約2~3割安い価格になるため注意しましょう。不動産会社は買い取った物件をリフォームやフルリノベーションをして再販するケースが多く、その費用を考慮するためです。
1年以上家が売れないため不動産買取を検討したい方は、まず不動産買取を行っている不動産会社を探して相談してみましょう。
リビンマッチを利用する
家を早く売るには、一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用しましょう。
不動産会社には得意不得意があり、マンションの売却だけを取り扱っていたり、特定の地域に特化していたりとさまざまです。
リビンマッチでは、売りたい家の情報などを入力するだけで、条件に合った不動産会社に査定依頼ができます。
査定は家の価値がわかるだけではありません。時間と手間を省いてさまざまな不動産会社の意見を聞けるため、自分の家を早く売るための方法が見つかるでしょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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