近隣トラブルのほとんどが騒音問題!正しい対処法とやってはいけないこと
近隣住民とのトラブルは決して珍しくなく、なかでも騒音問題に悩まされている人は多いようです。騒音問題は、対処法を間違うとより大きな問題に発展してしまうおそれがあるので注意が必要です。
この記事では、騒音問題の正しい対処法とやってはいけないことについて紹介します。
もくじ
騒音問題は決して珍しくない
住まいにおける騒音問題とは、生活音などの騒音が原因となり近隣の人とトラブルになることをいいます。近隣からクレームが来る、近隣の生活音がストレスといったケースは珍しくなく、事件に発展するケースもあるほどです。
近隣トラブルの3割が騒音問題
実際、近隣トラブルに巻き込まれる人は大変多いです。アスクプロ株式会社の「近隣トラブルに関するアンケート調査」によると、近隣トラブルの「経験がある」もしくは「自分はないが、身の回りで聞いたことはある」と回答した人が半数以上であることがわかります。
アスクプロ株式会社「近隣トラブルに関するアンケート調査」より
近隣トラブルが「自他共にない」と回答した人は少数で、誰しもがいつトラブルに巻き込まれるかわからない状況だといえるでしょう。
近隣トラブルといっても、以下のようにさまざまなトラブルがあります。
- 騒音問題
- 子どもの泣き声やいたずらのトラブル
- 共有部分のトラブル
- 境界線のトラブル
- ゴミ捨てトラブル
- 駐車のトラブル
なかでも、近隣トラブルの3割を騒音問題が占めており、騒音問題は近隣トラブルの代表ともいえます。
アスクプロ株式会社「近隣トラブルに関するアンケート調査」より
騒音の基準とは
騒音といっても、人により音の受け止め方は違います。大きな音でも気にならない人もいれば、ちょっとした音をストレスに感じる人もいるでしょう。
どれくらいの音が騒音になるかは一概にはいえませんが、環境省の「騒音に係る環境基準について」はひとつの目安になるでしょう。生活環境を保全し、人の健康の保護に望ましいとされる基準は以下のとおりです。
地域の類型 | 基準値 | |
---|---|---|
昼間 | 夜間 | |
AA | 50デシベル以下 | 40デシベル以下 |
AおよびB | 55デシベル以下 | 45デシベル以下 |
C | 60デシベル以下 | 50デシベル以下 |
地域の類型とは、主にAA地域が療養施設など特に静穏が必要な地域、AおよびBは居住用の地域、Cが居住・商業・工業の地域に該当します。
ちなみに、50デシベルは家庭用エアコンの室外機を直近で聞いたくらいの音が目安です。また、トラブルになる傾向のある騒音としては、以下のような種類があります。
- 生活音
- 子どもの走り回る音や大声・鳴き声
- 人の話し声
- テレビやゲーム・音楽など趣味の音
- 車やバイクの出し入れの音
音だけでなく、時間帯や近隣に住む人の生活・家の構造などによっても聞こえ方は違います。そのため、どの音をどれくらい出したらトラブルになるかは、明確にはいえません。
しかし、音と無縁の生活を送ることは不可能です。現在進行形で騒音に悩んでいる人も、対処によっては騒音の悩みがより深刻になるおそれがあるので、正しい対処法を理解しておくことが重要です。
絶対にやってはいけない対処法とは
騒音問題は対処法を誤ってしまうと相手との関係性がより悪化し、大きな問題に発展してしまうため注意が必要です。ここでは、騒音問題で絶対にやってはいけない対処法を紹介します。
直接苦情を言う
騒音を出す相手に、直接伝えれば解決は早いように思えますが、直接苦情を伝えるのは危険です。
苦情を言われた相手が逆上して、より騒音がひどくなるなどの仕返しを受けるケースがあります。また、直接伝えに行くことで、暴力や罵声を受けるかもしれません。特に相手がどんな人かもわからないなら、リスクが高いため直接会うのは避けましょう。
騒音がひどい場合は手紙を入れたり、賃貸であれば大家に相談したりすることをおすすめします。
壁などをたたいて応戦する
相手の騒音がひどい場合は、気づいてもらうために壁をたたいてしまう人もいるでしょうが、これも危険です。
壁をたたいて相手に伝えたとしても、反感を買い、より大きな音で応戦してくることが予想できます。また、逆上した相手から嫌がらせを受ける場合もあるので注意が必要です。
壁をたたいて音が収まったとしても、その後の生活に影響が出るおそれがあります。近隣住民とは、家の前や共用部分で頻繁に顔を合わせます。壁越しに喧嘩をしている状況では、顔を合わせることが大きなストレスになるでしょう。
正しい対処法とは
今後の生活も考慮するなら、騒音問題は穏便に解決したいものです。正しい騒音問題への対処法を紹介します。
騒音の相手と話し合いする
理想的な解決方法は、騒音を出す相手と話し合って平和的に解決する方法です。ただし、やってはいけない対処法で紹介したとおり、最初から直接会うのはリスクを伴います。
まずは、手紙などで騒音に困っている旨をやんわりと伝えるなどの工夫が必要です。手紙などで騒音の非を認めてくれる相手であれば、スムーズに解決できるでしょう。しかし、騒音を認めない相手の場合は、別の対策が必要です。
第三者の協力を得る
騒音を出す相手と直接話し合うと、お互いに感情的になり解決できない場合があります。また、そもそも騒音を発している相手と話し合うことに躊躇する人も多いでしょう。
そのような場合は、第三者の協力を得て解決していくことをおすすめします。マンションやアパートであれば、大家や管理会社に相談して、注意喚起や話し合いに同席してもらいましょう。
戸建ての場合は、町内会や自治体などに相談が可能です。騒音の程度によっては警察への相談も検討するとよいでしょう。
法的手段を検討する
弁護士に相談して法的手段を検討するのも有効です。当事者間や管理会社などでも解決できない場合など、問題が深刻化するようなら早めに弁護士に相談しましょう。
裁判や損害賠償請求まで視野に入れて検討している場合は、騒音の客観的な証拠を取ることが大切です。
- 騒音を感じた日時やその時自分が感じたこと
- 騒音の録音データ
- 騒音計やアプリで測定した記録
- 騒音の時間帯や頻度
上記のような証拠を残しておくと、裁判でも有利になるでしょう。ただし、法的措置を取るには費用や時間がかかります。裁判にまで発展すると、数年といった期間がかかるおそれがあります。
防音工事する
相手に騒音をどうにかしてもらうのではなく、自分から防音をシャットアウトする方法として防音工事があります。
壁に吸音材を埋め込んだり、防音窓に変えたりするなどで、騒音を遮ることが可能です。ただし、防音工事は費用が高額です。壁に吸音材を埋め込む場合、一部屋で100万円を超えるケースもあり、防音窓でも数十万円はかかるでしょう。
また、マンションやアパートの場合は、自由に大がかりな工事ができません。管理規約を確認したり、賃貸であれば大家に確認したりする必要があります。
引っ越しも検討する
騒音の原因から遠ざかるために引っ越しするという方法もあります。
子どもの学区や仕事の都合、すでに購入している場合など、簡単に引っ越せないかもしれません。
しかし、引っ越してしまえば、確実に今悩んでいる騒音から解放されます。この先ずっとストレスを抱えて生活し続けるよりも、引っ越しして新しい環境で生活をスタートするほうが、精神的な負担を減らせられます。
持ち家であっても、売却や賃貸に出すなど引っ越しする手段はあります。持ち家の売却と賃貸で迷っているなら、一括査定のリビンマッチを利用しましょう。売却する場合の売却査定と賃貸にする場合の賃料査定を一度に複数社へ依頼できます。複数社の査定結果を比較することで、少しでもよい条件の不動産会社を選択できます。無料で利用できるので、ぜひ活用しましょう。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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