築浅の戸建てを早く・高く売却する方法と売るときの注意点
事情があって築浅の戸建てを手放すことになったときに、注意するべきポイントについて解説します。築浅だからすぐに売れる、とは限りません。うまく物件の魅力を伝えられないとなかなか売れず、思った以上に時間がかかってしまうことがあります。できるだけ早く、そして高く売却するために、どういったことに注意すればよいかチェックしてください。
築浅戸建ての売却にかかる期間
築浅戸建ての物件を売却するためにかかる期間を把握しておきましょう。おおまかな流れと期間の目安は次のとおりです。
段階 | 流れ | 期間 |
---|---|---|
売却前 | 売却の情報収集 | 2週間~1カ月 |
査定を受ける | ||
媒介契約締結 | ||
売却中 | 売却活動 | 3~6カ月 (※買主が見つかるまで) |
内覧対応・条件交渉 | ||
売買契約締結 | ||
売却後 | 最大3カ月 | 1~2カ月 |
戸建ての売却には、情報収集をはじめてから引き渡しが完了するまで、10カ月ほどかかります。また、築浅の戸建てでも、なかなか買主が見つからないこともあります。その場合は、1年以上かかることもあります。
次からは段階ごとにどのようなことをするのかを紹介します。
売却前:情報収集~媒介契約(2週間~1カ月)
売却前は大切な準備期間です。売却に関する情報収集を徹底するほか、不動産会社との相性をじっくり見極めましょう。
情報収集
築浅戸建てを売却するとき、最初にすべきことは情報収集です。売主は、売却に出す物件と条件が似ている物件が、どれくらいの価格で売りに出されているか調べておきましょう。
査定を受ける
情報が集まったら、不動産会社から査定を受けます。査定額や売却時のサポート体制は会社ごとに変わるため、必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、内容を比較してから契約する会社を選びましょう。
媒介契約締結
査定を受けて売却を依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。売却条件や期間などを担当者に伝え、自分に適したものを選びましょう。
売却中:売却活動~売買契約(3~6カ月)
媒介契約を結んでからは、売主が単独で行動することはありません。困ったことや疑問に思ったことがあれば、不動産会社の担当者に相談しましょう。
売却活動
媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動がはじまります。売却活動では、不動産会社があらゆる手を尽くし、購入希望者を募って成約につなげようと努力してくれます。
内覧対応・条件交渉
購入希望者があらわれたら、内覧に対応します。内覧の際は、売主も不動産会社の担当者と一緒に立ち会い、物件の魅力をアピールしましょう。
所有していたからこそわかる魅力を伝えることで、購入したい気持ちを高められるかもしれません。
売買契約締結
売主と買主の条件交渉がまとまったら、売買契約を結びます。このとき、売主は買主から手付金を受領し、不動産会社に仲介手数料の半額を支払います。
売却後:決済・引き渡し(1~2カ月)
契約成立後のやり取りは、金銭の授受と物件の引き渡しがメインです。成約に至ったあとも、わからないことがあれば不動産会社の担当者を頼りましょう。
決済・引き渡し
売買契約で取り決めた日程で、決済と引き渡しを済ませます。買主から売却代金を受領したら、物件と物件の鍵を引き渡します。
また、同じタイミングで、所有権移転登記と抵当権抹消手続きを済ませ、不動産会社に仲介手数料の半額を支払えば取引完了です。
築浅の戸建てを売却するときの注意点
築浅の戸建てを売却するときに、売主があらかじめ知っておくべき注意点を3つ紹介します。次のポイントを押さえ、スムーズに売却しましょう。
築浅でも購入価格の80%程度に
戸建ては、築年数が浅いほうが早期に高値で売却しやすくなります。しかし、どのような物件でも高値で売却できるとは限りません。
「ほとんど住んでいないから…」と高額な売却価格を設定してしまうと、売却期間が長引くおそれがあるため注意しましょう。
ただし、売却を急ぐあまり、相場より価格を下げてしまうのは、売主の利益が出ないためおすすめしません。相場の価格や物件の状態を加味して、慎重に価格設定しましょう。
住宅ローンの完済が必要
売却する築浅戸建てに住宅ローンの残債がある場合は、売却して得たお金でローンを完済する必要があります。
しかし売主の思い通りに売却益が出るとは限りません。売却益でローンを支払いできないと、手持ちの資金でまかなわなくてはならず、経済的な負担が重くなるでしょう。
売主は契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う
売主は契約不適合責任を負うことも覚えておく必要があります。契約不適合責任とは、買主に引き渡した物件が契約の内容と適合しないときに、売主が買主に負う責任のことです。
たとえば、物件を引き渡したあと、雨漏りや柱の腐食といった欠陥が見つかったら、買主からの請求があれば売主は修復しなくてはなりません。築浅物件の場合、特に施工不良に注意が必要です。売却前に、売主側で把握している欠陥は必ず伝えましょう。
築浅なのになかなか売れない…よくある理由
築浅物件は、築年数が経過している物件に比べると、早く、高く売却できると思っている方も多いでしょう。しかし、すべての築浅物件が条件よく売却できるわけではありません。築浅戸建てでも、売却価格や立地条件などさまざまな理由から、思い通りに売却が進まないケースもあります。
売り出し価格が高すぎる
売却に出してから内覧の希望者もあらわれない場合、売り出し価格が高すぎる可能性が高いです。築浅戸建てとはいえ、高値で売り出してしまうと新築物件の価格と変わらなくなってしまいます。
築浅物件とはいえ、一度でも人が住んでしまった物件は中古物件です。同じ価格で中古物件と新築物件が売り出されていたら、新築のほうが人気を集めるでしょう。売却に出してから1カ月ほどたっても内覧の希望がない場合、一度売却価格を見直すのをおすすめします。
間取りが独特で使いにくい
独特な間取りの物件は、使い勝手が悪い印象を与えてしまい、なかなか購入希望者があらわれないかもしれません。とはいえ、劣化や汚れが少ない築浅戸建てであれば、リフォームして売り出すのはもったいないです。個性的な間取りの場合、設備や機能など間取り以外の部分を最大限にアピールしましょう。
広告量が少ない
広告量が少ないと、多くの人に物件を訴求できず、成約のチャンスに恵まれません。ほとんどの不動産会社は、売主の希望に添った売却を実現しようと尽力しますが、中には手を抜く会社があるのも事実です。売却活動がはじまったら、不動産ポータルサイトに売りに出した物件の情報が登録されているか調べてみましょう。万が一、物件情報が登録されていなかったら、不動産会社に問い合わせることをおすすめします。
生活に不便な立地に建っている
築年数が新しい物件でも、生活するのに不便な立地に建っている場合、購入希望者が見つかるまで時間がかかります。たとえば、近隣にスーパーや病院がなかったり、最寄り駅まで徒歩30分以上かかったりする物件は、生活する場所として敬遠されてしまうでしょう。
築浅の戸建てを“早く”“高く”売る方法
続いて、築浅の戸建てを早く、高く売却する方法を紹介します。大切な住まいの売却を成功させるためにも、次の方法を押さえましょう。
内覧前に室内の整理整頓を済ませる
内覧は、買主の購入決定の意思を左右する大切な活動です。少しでも好印象を持ってもらえるよう、内覧前は不用品を処分し、室内の整理整頓を済ませましょう。必要のないものを処分することで、部屋の中がすっきりして清潔感のある印象を与えられます。
ハウスクリーニングを実施する
早く、高く売却するなら、ハウスクリーニングを実施するのも有効な方法です。特に、水回りやベランダなど普段の掃除では手が届かない箇所の汚れを取り除いてもらうことをおすすめします。掃除のプロの力を借りて、よい条件での売却を目指しましょう。
設備を残したままにする
築浅戸建てを売却するときは、設備を残したままにすると早期に高値で売却しやすくなります。可能であれば、住み替え先の家で必要なもの以外は、すべてそのままにしておきましょう。
エアコンや空気清浄機、食器洗浄機など高価な設備は、新しいモデルのものであれば物件の価値も高まります。
買主に売却理由を伝える
築浅物件を売却する場合、買主にきちんと売却理由を伝えることが重要です。買主の中には、築年数が浅い物件を手放すことを不審に思う人もいます。前もって売却理由を伝えておけば、買主も安心して取引を進められます。あとからトラブルに発展しないよう、正直に理由を伝えましょう。
不動産会社を比較して選ぶ
不動産会社によって、得意な分野や物件が違います。築浅の戸建ての売却を成功に導くには、築浅戸建ての売買仲介の実績が豊富な会社に依頼することです。いくつかの不動産会社に査定を依頼し、査定価格やサポート内容、担当者との相性を見極めてから媒介契約を交わす会社を選びましょう。
不動産会社は一括査定サイトで比較
売却を依頼する不動産会社を比較するには、複数社に連絡をして、査定を受ける必要があります。1社1社に連絡をして物件の情報などを伝えるのは、かなりの手間がかかります。平日は仕事をしている人が大半ですから、1社にだけ連絡するだけでもひと苦労です。
複数の不動産会社の査定を依頼するのなら、一括査定サイトの「リビンマッチ」をご利用ください。
連絡先や物件情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社から査定を受けられます。査定価格だけでなく、担当者の人となりや提案なども比較して、親身になって対応してくれる不動産会社と契約するのがおすすめです。
物件情報には、土地や建物の面積なども入力する必要があるため、あらかじめ登記事項証明書(登記簿謄本)などをご用意ください。また、所有者以外の申し込みはできないため、ご注意ください。
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