住宅ローンがある家を賃貸に出すことはできる?銀行にばれるとやばい?
転勤などの理由で購入した家に住めなくなってしまい、家を賃貸に出すケースがあります。しかし、住宅ローンを組んで購入した家をそのまま賃貸に出すのは基本的にはNGです。しかし、金融機関に黙って賃貸経営をする人も多いようです。
この記事では、住宅ローンを利用している家を賃貸に出すのがNGな理由と、住まなくなった場合の対処方法について解説します。
もくじ
住宅ローンを利用した家を賃貸に出すのはNG
住宅ローンは、長期かつ低金利で組める特殊なローンで、銀行の許可なしに家を賃貸として貸し出すことはできません。
所有権は自分にあるにも関わらず、そのような不都合が起きる理由を紹介します。
住宅ローンは居住用限定のローン
住宅ローンを組むということは、銀行と金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)を締結するということです。その契約書には、居住用住宅であることが条項として明記されています。
実際に下記金融機関がホームページ上に明記している、住宅ローンの資金使途を以下に一部抜粋します。
ご自身がお住まいになる住宅の建築・購入・増改築資金、住宅ローンの借換資金・借り換えに伴う諸費用
ご本人が所有し、ご本人またはご家族がお住まいになる
ご本人が居住される住宅・宅地の購入、新築・増改築資金
お申込ご本人またはそのご親族の方がお住まいになる新築住宅の建設資金・購入資金または中古住宅の購入資金にご利用いただけます。第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金にはご利用いただけませんのでご注意ください。
このように、住宅ローンは居住用に利用することを条件に融資されていることがわかります。
ローンの中でも住宅ローンは借入額が多く、返済期間が長期間という特徴があります。また、住宅取得意欲を促進させるという狙いもあって、かなり低金利で提供しています。2022年8月時点では、カーローンが約2%であるのに対し、住宅ローンは変動金利である場合は約0.5%です。
そのため、安い金利の住宅ローンを利用して、本来の目的と異なる利用をすることを銀行は認めてくれません。居住用ではなく賃貸に出す場合は、投資用ローンを利用しなければなりません。
銀行にばれるとどうなる?
黙って賃貸に出したことが銀行にばれると、聴聞をしたうえで契約違反による一括返済を請求されるおそれがあります。
住宅ローンを利用している家には抵当権が設定されています。それにより、一括返済できない場合は差し押さえられ、最終的には競売となるおそれもあります。その結果、銀行側が管理しているリスト、いわゆるブラックリストに掲載されてしまうため、今後住宅ローンを組むことも投資用ローンを組むことも難しくなります。
なお、銀行にばれる要因としては、郵便物が届かない、銀行員の訪問などが挙げられます。
黙って賃貸に出している人は意外と多い
世に出ている借家に銀行の住宅ローン用抵当権が設定されていることは多く、意外とルール違反の賃貸物件は多いです。
銀行に見つかり一括返済を求められ、賃借人からも契約違反の違約金を求められているケースは年に何十件も起きています。中には、不動産会社からの提案がきっかけで賃貸経営を始めるというケースも多いようです。
長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を不動産投資に悪用する不正が多数発覚した問題に絡み、国土交通省と埼玉県が、不動産業者2社に業務改善命令を出したことがわかった。一昨年に不正多発が発覚した後、関与業者に行政処分が出るのは初めて。
不正が発覚しても、不動産会社がかばってくれるということはありません。住宅ローン不正利用の提案を受けても、決してその話に乗ってはいけません。
投資用ローンに切り替えるとどうなる?
家を賃貸として出すことを銀行に相談すると、基本的に投資用ローンをすすめられます。投資用ローンとは、住宅ローンとは違い投資目的で不動産を購入する際に利用するローンです。住宅ローンとの違いはしっかりと抑えておきましょう。
金利が高くなる
住宅ローンの金利は、変動金利で約0.5%、固定金利で約1.5〜2.0%が目安です。一方、投資用ローンの金利は1.5〜5.0%と、住宅ローンよりも高い傾向にあります。
ローンの種類 | 金利相場(%) |
---|---|
住宅ローン(変動) | 約0.5 |
住宅ローン(固定) | 約1.5~2.0 |
投資用ローン | 約1.5~5.0 |
(2022/8月時点)
銀行としては、居住用としての融資である住宅ローンよりも投資目的の投資用ローンのほうが貸し倒れのリスクが高く、保険をかける必要があります。
そのため、リスクヘッジとして金利を高く設定しています。つまり、住宅ローンを組んだ家を賃貸に出すことは銀行にとってはリスクヘッジできておらず、容認できない理由のひとつです。
他のローンが組みにくくなる
投資用ローンは住宅ローンより金利が高いため、住宅ローンから切り替えた場合に、当然毎月の返済額や総返済額は高くなります。つまり、投資用ローンに変えることで負債が増えるということです。
カーローンなど、新たにほかのローンを組む際には、この負債を加味して審査が行われます。つまり負債が大きいほど、新たな借り入れが制限されるということです。
可能であれば、新たに組むローンは投資用ローンと同じ銀行を選択しましょう。事情を把握している分、審査を有利に進めてくれる可能性があります。
手数料が発生する
投資用ローンへの借り換えをするには、以下の費用が必要です。
- 住宅ローンの繰り上げ返済手数料
- 抵当権の解除と設定の登記費用
- 投資用ローンの保証料
- 印紙代
上記は合計して約40〜50万円はかかります。決して安い費用ではないので、あらかじめ準備しておきましょう。
売却も視野に入れる
住宅ローンを組んでる家を賃貸に出す目的が収益であるのなら、売却してしまうことがおすすめです。何年もかけて得る収益よりも多い額を一度で回収できます。
ここでは住宅ローンを組んだ家を売却するメリットと具体的な売却方法を解説します。
売却することで管理工数が0になる
賃貸に出すデメリットのひとつに管理工数が多くなるという点がありますが、売却してしまえばその手間は不要になります。
賃貸借契約では、トイレやキッチンといった住宅設備の不具合は貸主が修繕する必要があります。また、退去時の補修も敷金以上においては貸主負担となります。また、当然に毎年の固定資産税の支払い義務も生じます。
売却することで、そういった手間や費用がすべてなくなります。
住宅ローンを一括返済できる
住宅ローンの残債以上で売却することで、住宅ローンを一括返済できます。当然差し押さえのリスクはなくなり、新しく家を購入するために組む住宅ローンの審査にも影響がありません。
転勤によって家を売り、定住することがある程度固まったタイミングで再び家を購入するというケースは多くあります。
売却の際にはリビンマッチの利用を!
家を売却するには不動産会社への相談が不可欠ですが、複数の不動産会社を訪問するのには非常に手間がかかります。
そのため、家を売却するには、一括査定サイトのリビンマッチがおすすめです。複数の不動産会社に一度で問い合わせができ、査定結果を受け取れます。複数社からの査定結果を比較することで、安く売却してしまうおそれがなくなります。
電話やメール、オンラインでの対応で信頼できる担当者を絞って、選んだ数社だけを比較検討することも可能です。リビンマッチは無料で利用できるため、家の売却を検討する際はまず利用してみましょう。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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