マイホーム購入後の離婚率は高い!?住宅ローンや名義などの注意点
結婚してマイホームを購入したのに、離婚してしまうことはよくあります。中には、マイホームを建てたことが原因で、離婚に至るケースもあるようです。
マイホームを建てたばかりで離婚すると、住宅ローンの支払いが終わっておらず、家の名義などもどうすればよいか悩んでしまうでしょう。
離婚はひとりだけの問題ではありません。いっしょに過ごしてきた夫婦でしっかりと話し合い、トラブルなくマイホームを手放して次のステップに進みたいものです。
もくじ
マイホームを建てたばかりで離婚する人は多い?
マイホームを建てる過程や建てたばかりのタイミングで離婚する人も中にはいるそうです。ここでは、その原因や理由についてみてみましょう。
マイホームを建てると離婚するという5つの説
マイホームを建てる夫婦の離婚率が高いといわれる理由を5つ紹介します。
夫婦間での意見の食い違い
理想のマイホームを手に入れるため、お互いどうしても譲れないポイントが発生します。
話し合ってお互いが歩み寄れたら問題ないのですが、妥協するのが難しいようです。
言い合いになって双方の気持ちがどんどん離れていくため、離婚しやすいといわれています。
話し合いに協力的でない
夫婦のどちらかがマイホームに興味がなく、相手にすべて任せきりになることがあります。
任されたほうは「非常に重要なことなのに、なぜ自分ばかりが」とイライラしてストレスがたまり、夫婦仲が悪くなるといわれています。
住宅ローンの返済が困難
返済可能だと予測して住宅ローンを組んだものの、転職を余儀なくされ年収が下がったり、働けなくなったりすることもあります。
住宅ローンの返済が困難になると、金銭的だけでなく精神的余裕もなくなり、夫婦関係がギクシャクします。
住宅ローンに限らず、金銭的なトラブルは夫婦仲を悪化させ、離婚に至るケースが多いです。
態度が急変する
マイホームをどちらかの名義にし、夫婦一方の給料のみで住宅ローンを返済している場合、「自分の城」と勘違いしてしまい、パートナーに威圧的な態度を取ってしまうかもしれません。
夫婦2人で協力して建てたマイホームであることを忘れないようにしたいものです。
家の中での夫婦の時間が減る
以前住んでいた住居より広くなり部屋数が増えると、自分の部屋を持つことも多いです。
2人ともお互いの部屋に閉じこもって顔を合わせる回数が極端に減り、すれ違いの生活が続くと、冷めていき離婚するというケースもあるようです。
実際の離婚率は減少傾向にある
マイホーム購入は、離婚の原因になっているのでしょうか。
厚生労働省の平成21年度「離婚に関する統計」によると、離婚件数は2002年の29万組をピークに減少傾向にあり、2008年には25万組となっています。さらに、厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)」によると2020年にはさらに減少し、19万3,253組です。
また、平成17年度の離婚率がもっとも高い年齢は、男女ともに30〜34歳でした。それ以降は男女それぞれ以下のように続きます。
割合が多い順 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1 | 30〜34歳 | |
2 | 35〜39歳 | 25〜29歳 |
3 | 25〜29歳 | 35〜39歳 |
また、国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、初めて一戸建てを購入した割合がもっとも多い年代は、30代でした。
このように、30代は男女ともにマイホーム購入と離婚が多い世代ということがわかります。しかし、30代は婚姻も多い世代です。そのため、マイホーム購入が直接離婚率に関係しているかは不明です。
マイホームブルーを侮ってはいけない
マイホームブルーによって離婚に陥るケースもあるようです。マイホームブルーとは、マイホームの購入前後に情緒不安定な状態になることです。似た言葉として、結婚前後に情緒不安定な状態になるマリッジブルーがあります。
主な原因は、以下の3つといわれています。
- 住宅ローンの返済に追われて、金銭的・精神的な余裕がなくなる
- 賃貸と異なり気軽に引っ越しができないため、マイホームに束縛された感覚が生じる
- 実際に住んでみて、間取りや使い勝手の悪さなどマイナス部分が目立ってしまう
精神的に苦痛が続いて離婚に至るケースもあるので、マイホームブルーを侮ってはいけません。マイホームブルーにならないために、ここで紹介するような工夫が必要です。
住宅ローンの返済は無理のない範囲で
余裕のある生活を送るには、一般的に30~35%が妥当といわれている住宅ローンの返済負担率を、10~20%に抑えるとよいかもしれません。返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。
生活動線を考えた間取りを
生活をしやすい間取りを考えて、マイホームを設計しましょう。
たとえば、以下のような工夫があります。
- 洗濯機と洗濯を干すスペースが離れていると不便なため、近い場所に設計する
- 部屋移動でほかの部屋を横切る必要がない設計にする
生活がしやすくストレスにならない間取りにしましょう。
周辺の環境や治安もチェック
購入前に、マイホームだけでなく以下のような周辺の環境や治安をしっかりとチェックしましょう。
- 駅近で通勤が負担にならないか
- 商業施設が近くにあり利便性がよいか
- 学校や公園など子育ての環境が整っているか
環境や治安が悪いと、いくら理想のマイホームでも住むのが嫌になってしまいます。
離婚したらマイホームはどうする?
離婚時に住宅ローンが残っていたらどうすべきなのでしょうか。ぺアローンの場合や名義についても解説します。
住宅ローンの支払いは住宅ローンの名義人がする
離婚時に残っている住宅ローンは、住宅ローンの名義人に支払う義務があります。住宅ローンは財産分与の対象外のため、配偶者で折半して支払うわけではありません。
しかし、実際は離婚前に夫婦で話し合って、住宅ローンの残債をどうするか決めるのが一般的なようです。
名義人には、家の名義人と住宅ローンの名義人があり、支払い義務があるのは住宅ローンの名義人です。離婚時は、家と住宅ローンの両方の名義人を確認しましょう。
また、自分が住宅ローンの連帯保証人になっているかも確認しましょう。連帯保証人は、名義人に住宅ローンの返済能力がなくなった場合、代わりに返済する義務が発生します。
連帯保証人の変更は、基本的にできません。また、名義人に支払うよう訴えることもできないため、必ず離婚時に確認しましょう。
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ペアローンを組んでいる場合
ペアローンとは、夫婦のそれぞれが債務者となって組む住宅ローンです。つまり、ひとつの家に対して2つの住宅ローンを組む形です。さらに、お互いが相手の連帯保証人になります。
夫婦共働きの場合、夫婦の年収を合算すると、夫のみや妻のみより融資額が多くなるため、ペアローンを組む夫婦も多いでしょう。
ぺアローンの場合、離婚時に名義をどちらか片方に変更することが難しいといわれています。なぜなら、夫婦の年収を合算して融資を考慮しており、どちらか一方のみでは返済が困難とみなされるためです。
対策としては、マイホームを売却して手に入ったお金を、住宅ローンの残債に充てるとよいでしょう。十分な収入があれば、パートナー(夫または妻)の持ち分を買い取り、住宅ローンの借り換えなどができます。
家の名義変更
家の名義がパートナーのままだと、家はパートナーの財産とみなされます。そのため、パートナー名義の家に離婚後も自分が住み続ける場合は、家の名義を自分に変更する必要があります。
しかし、住宅ローンの支払いが残っていると、家の名義変更も融資側から拒否されることがあります。
そのため、離婚前に専門家を交えて名義変更をどうするかを相談しておきましょう。
離婚時にマイホームを売るときの注意点
離婚時にマイホームを売却する際、どのタイミングで売却すべきかなどの注意点を紹介します。
売却したほうがよい3つの理由
そもそも離婚でマイホームを売却するべきか悩む方もいるでしょう。離婚時にマイホームを売却したほうがよい理由を3つ紹介します。
現金化して財産分与
家のまま夫婦で均等に分けるのは難しいですが、売却すると現金化できるため、夫婦で分けられます。
なお、離婚前に売却して現金を分けると税金が発生しますが、離婚後であれば財産分与になるので税金は発生しません。
離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
連帯保証人の立場を解消できる
住宅ローンの連帯保証人になっていると、住宅ローンを完済するまでは連帯保証人から外れることができません。
住宅ローンの残債の支払いで、離婚後にトラブルが発生するケースもあります。トラブルを避けるには、すぐに売却して住宅ローンを完済したほうがよいでしょう。
困難な名義変更を避ける
住宅ローンの名義変更は、返済能力という点から金融機関で名義変更を認めてもらえないことがあります。
住宅ローンの名義人と住み続ける人が異なるのは難しいため、売却して現金で財産分与するのがよいでしょう。
離婚直後の売却がベスト
マイホームを売却するタイミングは、基本的に離婚後がよいといわれています。その理由は、税金が絡んでくるからです。
離婚前に売却し、売却したお金で財産を分けてしまうと贈与扱いとなり、財産をもらったほうに贈与税が課せられます。
離婚後に売却した場合は、贈与でなく財産分与の扱いとなり、贈与税が課せられません。
また、マイホームの売却は、名義人から売却意思の有無を確認する必要があります。
離婚後に数年間住んでいたものの売却したくなったとき、家の名義人がパートナーになっていると、自分の意思だけでは売却できません。離婚から何年も経過してしまうと、パートナーへの確認が困難になるおそれがあります。
これらを考慮すると、マイホームの売却は離婚後なるべく早く行うのがベストでしょう。
オーバーローンに注意が必要
オーバーローンとは、住宅ローンの残債が家の売却価格を上回り、売却代金だけでは住宅ローンの返済ができない状態のことです。
反対に住宅ローンの残債が売却価格より下回り、売却代金だけで住宅ローンの返済が可能な状態をアンダーローンといいます。
オーバーローンでも、不足分を自分の所持金で返済できれば問題ありません。しかし、不足分を自分の所持金で返済できない場合は、任意売却という方法が有効です。
任意売却は、住宅ローンの残債を整理して売却します。金融機関としては、住宅ローン完済扱いにならないため、金融機関の信用情報にその旨が記載されてしまいます。
不動産会社選びが重要
離婚におけるマイホームの売却は、一般的な家の売却より多くの注意点があります。
そのため、実績が豊富な不動産会社に依頼すると安心です。さまざまな事情がある家を売却した経験が豊富なため、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
また、親身になって相談に乗ってくれるかは重要なポイントです。離婚時はマイホームだけでなく、ほかにもさまざまな手続きが必要です。ストレスがかかることも多く、余裕がないかもしれません。そんなときに自分の状況をしっかりと考えてくれる不動産会社であれば、負担が軽くなるでしょう。
自分に合った不動産会社を見つけるには、一括査定サイトのリビンマッチを利用しましょう。リビンマッチは、簡単な情報を一度入力するだけで、複数の対応可能な不動産会社に問い合わせができる無料のインターネットサービスです。対応や提案内容を比較して、不動産売却を依頼する会社を選びましょう。
マイホームと離婚に関するよくある質問
- マイホーム購入後の離婚率は高い?
- 夫婦間でのマイホームに対する意見の食い違いがあったり、住宅ローンの返済が困難になったりするおそれがあるため、マイホームを建てる過程や建てたばかりのタイミングで離婚する人も中にはいるそうです。
- 離婚してしまったらマイホームはどうする?
- 離婚時に残っている住宅ローンは、住宅ローンの名義人に支払う義務があります。また、パートナー名義の家に離婚後も自分が住み続ける場合は、家の名義を自分に変更する必要があります。
この記事の編集者
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