路線価は売買価格の8割?両価格の関連性を解説
路線価は、国税庁が毎年7月1日に公示する、1月1日時点の土地の価格です。主に贈与税や相続税の計算のために用いられます。
2023年の路線価は、全国平均で前年比1.5%上昇し、2年連続でプラスとなりました。上昇率は前年の0.5%から拡大しました。最高路線価は38年連続で東京都中央区銀座の「鳩居堂前」で、1平方メートル当たり4,272万円でした。
土地などの不動産を売却する場合、路線価はどのくらい参考になるでしょうか。路線価と売買価格の関係性について解説します。
もくじ
路線価と売買価格の関連性
一般的に、路線価は売買価格より安くなりますが、このふたつの価格にはどのような関連性があるのでしょうか。
不動産には複数の価格が存在する
不動産には複数の価格が存在します。これを、一物五価や一物六価と呼びますが、具体的には以下のような価格のことを指します。
- 実勢価格
- 公示地価
- 基準地価
- 路線価
- 固定資産税評価額
- 不動産鑑定評価額
これらのうち、公示地価は国土交通省が毎年公表するもので、不動産取引の指標となるよう定められます。つまり、実際の取引価格に沿うような価格で設定されるということです。
また、基準地価は公示地価と同じ性質を持つほか、路線価や固定資産税評価額は公示地価を参考にした価格で設定されています。
なお、不動産鑑定評価額については、不動産鑑定士の資格者が、不動産鑑定評価基準に基づいて価格を算出します。一般的には、裁判の資料などとして用いられます。
路線価は実勢価格の8割
路線価は公示地価を参考にして設定されると先述しましたが、具体的にどのように価格が決まるのでしょうか。
冒頭でお伝えしたとおり、路線価は1年に1回、7月1日に公表されます。しかし、1年の間には地価が変動することがあります。 路線価は、贈与税や相続税の算出に用いられることから、実際の地価より路線価がかなり高く設定されていると、納税者から不満が出やすいでしょう。
そこで、路線価については、納税者間の不公平をなくすために、実勢価格の約8割を目安に定められるとされています。実勢価格とは、市場で取引される価格のことで、つまり売買価格となります。
なお、固定資産税評価額は3年に1回しか価格の改定が行われません。そのため、こちらも納税者間の不公平をなくすために、実勢価格(売買価格)の約7割を目安に定めることとされています。
路線価から売買価格を査定する方法
路線価から売買価格を査定する方法を紹介します。不動産を売却したいと考えている方は、路線価を用いれば、比較的簡単に、売買価格を調べられます。
路線価を調べる
まずは国税庁の「路線価図・評価倍率表」から路線価を調べましょう。 地名を入力すると地図が表示されるので、地図から自分の土地のあるエリアを表示して、土地に接した道路の価格を調べます。
路線価は、「1㎡あたりの単位を千円単位」で表示されています。たとえば、「65」と書かれている場合、路線価は6万5,000円/㎡と判断します。 なお、「65C」などのように、アルファベットが書かれていることがありますが、これは借地権割合と呼ばれるもので、一般的な方法で土地を売る際には気にしなくてもよいでしょう。
65と書かれた道路に面した100㎡の土地の場合は、価格を以下のように算出できます。
路線価から売買価格を算出する
次に、路線価から売買価格を算出します。
先述のとおり、路線価は実勢価格(売買価格)の約8割が目安です。このため、路線価から売買価格を算出する際には、以下のように計算します。
たとえば、路線価が650万円だった場合は以下のように計算できます。
路線価以外の公的価格も活用しよう
路線価以外の公的価格を活用することで、複合的に不動産の査定が可能です。
固定資産税評価額は、土地の所有者に対して毎年交付される固定資産税の納付書で、評価額がわかります。 固定資産税評価額は実勢価格(売買価格)の約7割が目安なため、以下の計算式で求められます。
特に、路線価は土地の価格しか調べられませんが、固定資産税評価額であれば、建物の価格も算出できるので、両方用いるのがおすすめです。
まとめ
路線価や固定資産税などの公的価格を用いることで、自分でも比較的簡単に不動産価格を調べられます。不動産売却を検討されている方は、本記事の内容を参考に計算してみるとよいでしょう。
しかし、実際の売却価格は、路線価や固定資産税評価額で算出した価格通りではありません。
路線価や固定資産税評価額から不動産価格を算出するのは、あくまでも参考程度にし、実際に売却に進めるときはプロである不動産会社に査定をしてもらいましょう。
なお、不動産会社ごとに得意分野は違います。そのため、不動産会社に査定依頼するときは、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
リビンマッチであれば全国各地の不動産会社と提携しているため、売却したい不動産とマッチした不動産会社の紹介を受けられます。不動産売却を検討されている方は、リビンマッチを利用しましょう。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
誤字脱字や事実誤認などございましたら、ぜひともご指摘ください。
運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
人気ワード
離婚で家を財産分与 (27) 老後の住まい (24) 売れないマンション (16) 一括査定サイト (15) 離婚と住宅ローン (13) 海外移住 (11) 訳あり物件 (11) 家の売却 (11) 家の後悔 (10) 不動産高く売る (9) 実家売却 (9) マンション価格推移 (8) マンションの相続 (8) 移住 (7) アパート売却 (7) 不動産会社の選び方 (6) マンション売却の内覧 (6) 家の価値 (6) 離婚と家 (6) 売れない家 (5) お金がない (5) 空き家売却 (5) 離婚準備 (5) 離婚と家売却 (5) 農地売却 (4) 近隣トラブル (4) マンション買取 (4) 家の解体費用 (4) 売れない土地 (3) マンションか戸建てか (3) サブリース (3) イエウール (3) 不動産価格推移 (3) リビンマッチ評判 (2) シンガポール移住 (2)リビンマッチコラムを引用される際のルール
当サイトのコンテンツはどなたでも引用できます。 引用にあたって事前連絡などは不要です。 コンテンツを引用される際は、引用元が「リビンマッチ」であることを必ず明記してください。
引用ルールについて