不動産売却依頼の手紙やチラシはなぜ届く?内容は信じていいの?
不動産を所有していると、知らない不動産会社から手紙やチラシが届くことがあります。その内容は主に不動産の売却依頼であることが多いのですが、特に所有している不動産を売却したいわけでもないのに、突然そのような手紙やチラシが届くのは驚きます。
この記事では、売却依頼の手紙やチラシが届く理由と、その内容の信憑性について紹介します。
もくじ
売却依頼の手紙やチラシが届くのはなぜ?
売却を依頼したわけでもないのに、なぜ手紙やチラシが届くのでしょうか。不動産会社が所有者の住所を知っている理由と併せて解説します。
売買契約を仲介し、仲介手数料を得るため
売却依頼の手紙やチラシが届く最も大きな理由は、不動産会社が不動産売買を仲介することで手数料を得るためです。不動産の相場が高くなっている場合や、売却依頼を出したエリアで不動産購入を考えているお客様がいる場合に、売却依頼の手紙やチラシを出すケースが多いようです。
不動産売買の仲介ができると、不動産会社は報酬として仲介手数料を得ることができます。取引価格や契約内容によっては、100万円単位の仲介手数料を得ることも可能です。
不動産会社がビジネスを成功させる目的として、売却依頼の手紙やチラシを出しているのです。
なぜ所有者がわかるのか
近年、個人情報の取り扱いは非常に厳格になっており、そう簡単に不動産の所有者がわかるとは思えません。ところが不動産の所有者は、誰でもわかるようになっています。土地や建物の不動産情報は、法務局で調べることができます。
登記簿に不動産の情報が掲載されており、多少の費用がかかりますが法務局で登記簿を取ることで不動産の情報が得られます。登記簿では、以下のような情報が掲載されており、請求すれば誰でも見られます。
- 所有者情報
- 物件の所在や広さ
- 抵当権の有無
不動産会社は登記簿で不動産の所有者を調べ、売却依頼の手紙やチラシを送っています。不動産の売買は非常に高額な取引になることが多いので、取引に必要な情報が万人に開示されています。これは円滑な取引とトラブルの発生をなるべく抑えることが目的です。決して個人情報が漏れたわけではありません。
法務省より引用
電話ではなく手紙やチラシで送られてくる理由
登記簿に掲載されている所有者の情報は、名前と住所です。電話番号や年齢、家族構成といった情報までは記載されていません。不動産会社も電話番号までは把握できないため、手紙やチラシで売却依頼を行うケースが一般的です。
そのため、電話帳などに自分の電話番号を掲載していないのに不動産会社から売却依頼の電話などがあった場合は、個人情報が漏洩している可能性があります。
手紙やチラシの内容は信じていい?
売却依頼の手紙やチラシの内容は、不動産会社によってさまざまです。主に書かれている内容を3つ紹介します。それぞれの内容や信憑性について見ていきましょう。
内容① 高額で売却ができる
売却依頼の手紙やチラシを受け取ったとき、所有者は売却の検討をしていない場合がほとんどです。そのため、所有者が売却したいと思わせる材料が必要です。
高額で売却できるとなると、売却のことを考えもしていなかった所有者も売却しようと思うかもしれません。しかし、必ずしも手紙やチラシに書いてある価格で売却できるとは限りません。中には、明らかに相場から外れている価格が記載されている場合もあります。
高額すぎる売却価格は、必ずしも信用できる売却価格ではないでしょう。
内容② 購入希望者がすでにいる
購入希望者がすでにいるといった内容が書かれているケースもあります。しかし、実際には所有者の売却意向を受けてから、購入者を探すことがほとんどです。
現在は、多くの人が不動産ポータルサイトを利用しています。築年数が浅く、エリアも悪くなければ、ネット上で募集をかければ、購入希望者が現れるのにさほど時間はかかりません。
もちろん本当に購入希望者がいる場合もありますので、すべてがうそというわけではありません。気になる方は「うそかもしれない」ということを念頭に置きつつ、問い合わせしてみるのもよいでしょう。
内容③ 売却を決めたらすぐに現金化できる
不動産売却を決めるとすぐにでも売却し、現金化できるといった内容が記載されている場合もあります。すぐに現金化できるとなると少しお金に困っている人などは、魅力的に感じてしまいます。
売却意思があまりない人を売却させる気にさせる目的で、このような内容の手紙やチラシを出す場合が多いです。実際、不動産会社が直接買取ることで、すぐに売却ができ、現金を手に入れることができます。しかし、買取価格が市場より安かったり、売主に不利な契約内容となっていたりするおそれがあるので注意が必要です。
不動産に限りませんが、それぞれメリットとデメリットがあるので、しっかりと把握したうえで決断する必要があります。
売却の気持ちがあるなら、不動産会社の比較検討は必須
不動産売却の意思を持っている場合、売却依頼の手紙やチラシを出してきた不動産会社に問い合わせしてもよいのでしょうか。
手紙やチラシの内容は必ずしもうそというわけではありません。内容に惹かれて問い合わせしてみるのもよいですが、不動産売却を依頼する不動産会社は1社に絞らず比較検討する必要があります。不動産会社を比較する理由や比較する方法について詳しく解説します。
売却価格の妥当性
売却依頼の手紙やチラシに記載されている売却価格は、妥当なのかどうかがわかりません。前述したように売却の意思を高めるために、明らかに相場より高額な価格を提示している場合があります。
相場よりも高額で売り出しても買主は現れず、結局値下げして手紙やチラシに記載されていた価格を大きく下回ることがあります。また、相場より高額で募集しているが故に購入希望者からの価格交渉も多く、手間やストレスもかかります。
不動産売却時には、複数の不動産会社に売却査定してもらうことがセオリーです。価格の妥当性を自分なりに分析し、現実的な範囲内での高額な売却を目指しましょう。
不動産があるエリアに強いかどうか
売却依頼の手紙やチラシを出した不動産会社が、そのエリアに強いかどうかも重要です。
不動産売却は大手不動産会社なら安心かというと、そうとは言い切れません。不動産があるエリアに強いかどうかが、不動産の売却には大きなポイントです。エリアに強い不動産会社には、そのエリアで不動産を購入したいといった見込み客を多く持っている場合もあります。
複数の不動産会社からエリアに特化した強さを持っているかどうかを比較することにより、希望に近い条件での成約につながる可能性が高いです。
不動産会社の比較は一括査定サイト「リビンマッチ」が便利
不動産を売却するときは、複数の不動産会社の比較が必須です。しかし、何社も連絡をするには、大きな労力を要します。そこでおすすめするサービスが、不動産一括査定サイト「リビンマッチ」です。
リビンマッチは不動産に関する必要情報を入力することで、複数の不動産会社から不動産価格を査定してもらえます。その中で、査定価格が一番高い不動産会社を選んでもよいでしょうし、自分に合ったサービスを提供している不動産会社を選ぶのもよいでしょう。わざわざ複数の不動産会社に連絡する必要がないため、労力を大幅に省略することができるサービスです。
不動産売却を成功させるためには必須のサービスですので、ぜひご活用ください。
不動産売却の手紙に関するよくある質問
- 売却依頼の手紙やチラシが届くのはなぜ?
- 最も大きな理由は、不動産会社が不動産売買を仲介することで手数料を得るためです。土地や建物の不動産情報は、法務局で調べることができ、所有者は誰でもわかるようになっています。
- 内容は信じていいの?
- 手紙やチラシの内容は必ずしもうそというわけではありません。内容に惹かれて問い合わせしてみるのもよいですが、不動産売却を依頼する不動産会社は1社に絞らず比較検討する必要があります。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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