家を売る人が続出しているのはほんと?2023年は売りどき?
2022年頃から家を売る人が続出していると聞いたことはありませんか。それが本当であれば、売却を検討する人からするとライバルが多くなり、売却までに時間がかかってしまうかもしれません。
しかし、実際は家を売る人は増加傾向にあるものの「続出」しているわけではありません。この記事では実際のデータをもとに、2022・2023年の売却事情を紹介します。
もくじ
なぜ続出しているといわれるのか?
なぜ家を売る人が続出しているといわれるのでしょうか。それは2019年に蔓延した新型コロナウイルスが要因となっています。実際に、この影響で家を売る人は一定数いたでしょう。
新型コロナウイルスと家の売却の関係について紹介します。
リモートワークで郊外でも仕事しやすくなった
コロナ禍でリモートワークが導入され、都心に住む必要がなくなり、郊外に住みたいと考える人が増えました。そのため、移住による家の売却が増えました。
都心は職場へのアクセスは便利ですが、狭い部屋に非常に高額なお金を支払わなければならないことも多いです。
一方、郊外で同じ位のお金を支払えば、広い家に住める可能性は高いです。
コロナ禍に適した家の需要が増えた
コロナ禍に適した、以下のような設備が整っている家の需要が増えています。
- ワークスペース
- 換気や空調などのシステム
リモートワークで仕事するにあたり、ワークスペースを確保したいと考えている人は多いです。特に自宅にお子様がいる家庭では、この需要は大きく狭い家では実現しにくいでしょう。また、コロナ禍に対応するために、換気や空調などのシステムがしっかり備えられている家に住みたいという需要が増えています。
特に古い家の場合はこうした部分の設備が十分ではなく、家の売却を検討するひとつの理由といえます。
住宅ローンの支払いができなくなった
コロナ渦による不況の影響で、減給された人や失業した人がいます。
マイホームを購入したにも関わらず、月々の返済が難しくなれば、売却を検討する必要があります。中でも、マイホームを一度売却しても、後に買い戻せるリースバックが注目を集めました。リースバックは売却後もそのまま住み続けられるので、引っ越しの必要がありません。
リースバックについてはリースバック比較PROで確認してみましょう。
不動産価格が上昇している
国土交通省の「不動産価格指数」を見ると、不動産価格が上昇し続けていることがわかります。
国土交通省「不動産価格指数」より
不動産価格が上昇している、つまり高値で不動産が売却できるため、売却を決断する人が増えたと予想できます。しかし、住み替えを検討している方は物件購入費用も上がっているため、一概にお得になるとは言い切れません。
家を売る人が続出しているのはほんと?
公益財団法人 東日本不動産流通機構の「季報MarketWatch(2022年7〜9月期)」を見ると、家を売りに出す人が増えてはいるものの「続出」とは言い難いことが分かります。
中古戸建住宅
一般的に、家を売り出す際は不動産流通サイトであるレインズに登録します。そこで、首都圏においてレインズに新規登録された中古戸建住宅の物件数と成約数を見てみます。
公益財団法人 東日本不動産流通機構「季報MarketWatch(2022年7〜9月期)」より
図を見て分かるように、2022年は新規登録件数が増加傾向にあるものの、2020年と比べると大きく下回っていることなどから、家を売る人が続出しているとは言い難いでしょう。
中古マンション
首都圏における中古マンションのレインズの新規登録数を見てみます。
公益財団法人東日本不動産流通機構の「季報MarketWatch(2022年7〜9月期)」より
中古マンションにおいても、2022年は新規登録件数が増加傾向にあるものの、ここ数年と比較しても続出といえるほどではありません。
2022・2023年は高値で売却できる
不動産価格指数の動向を見ても、2022年・2023年は比較的高値で売却できるでしょう。しかし、2023年以降は金利変動がポイントになります。
2022年12月に日銀が事実上の利上げを発表しました。金利が上昇すると、不動産に限らずモノの価格は下落する傾向にあります。これは、金利上昇によって買い控えが起こり、これまでどおりの価格ではモノが売れなくなってしまうことから、あらゆるモノの値段が下落するからです。
そのため、高く売れるときに売ってしまおうとする人が今後ますます増えると予想できます。売る人が増えてしまうと供給量が多くなるので売却価格は下がってしまいます。
不動産を所有している人は一度、査定依頼をしてみてもいいでしょう。思いもよらぬ査定額が出るかもしれません。
抑えておきたい売却のポイントとは
売り手市場では基本的に高く売れますが、売却時のポイントを抑えておくことでより高く、そして早く売れる可能性があります。
媒介契約の違いを理解する
不動産を売却する際には、まず不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約の違いを理解して、ご自分の物件を売却するのに適したものを選ぶようにしましょう。
媒介契約は以下3つの種類に分けられます。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれについて、特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
一般媒介契約
一般媒介契約は、ほか2つの媒介契約と一番大きな違いとして挙げられるのが、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができるということです。
売主としては、複数の不動産会社が売却活動に取り組んでくれるため、買主を見つけやすくなるという特徴があります。
一方、不動産会社側からすると、売却活動に取り組んでも、ほかの不動産会社が契約してしまった場合には報酬が得られません。そのため、積極的に売却活動に取り組んでもらいにくいというデメリットがあります。
たとえば立地がよいなど、不動産会社からして売りやすいと感じる物件の場合、競合がいても積極的に売却活動に取り組んでくれます。そうしたケースでは、一般媒介契約がおすすめだといえます。
専任媒介契約
専任媒介契約は、一般媒介契約と違い、1社としか契約できません。そのため、売主としては成約までに時間がかかってしまうと感じるかもしれません。 不動産会社からすると、買主を見つけられれば確実に仲介手数料がもらえるため、積極的に売却活動を行います。契約期間が3カ月間なので、それまでには必ず買主を見つけて、契約締結したいと考えます。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同様1社としか契約できません。さらに、売主が自分で買主を見つけて契約することが禁止されています。
専任媒介契約と比べて、報告義務の期間が短く設定されているなど、不動産会社側の縛りが強いです。不動産会社としても積極的に活動せざるを得なくなっているのが特徴です。
専任媒介契約、専属専任媒介契約ともに、1社としか契約できないため、立地が悪いなど多少条件が悪い物件であっても、積極的に活動してもらいやすいという特徴があります。
物件の第一印象にこだわる
家の購入を考えている人は、複数の同じような物件の中から、最終的にひとつを選びます。
購入希望者は、第一印象で物件のよしあしを決めてしまうものです。内見してもらったものの、印象が悪くて候補から外れてしまうことのないよう、内見前に徹底的に清掃することを忘れずに行いましょう。
当たり前といえることを、しっかり行うことが大切です。
一括査定を利用する
家の売却を成功させるためには、信頼のおける不動産会社を見つけることが最も重要です。不動産の売却は、一度売却を依頼したら、その後のほとんどの売却活動を不動産会社が行うからです。そのため、家の売却を検討したら、まずは一括査定サイトを利用しましょう。
一括査定を利用すれば、物件情報を入力するだけで一度に複数の不動産会社に査定依頼を出すことが可能です。複数の不動産会社の説明を聞くことで、より信頼できる不動産会社を見つけられるでしょう。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
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リビンマッチ編集部
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