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仮換地は売買できる?所有権の権利移動や契約時の注意点をわかりやすく解説

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仮換地は売買できる?所有権の権利移動や契約時の注意点をわかりやすく解説

所有している土地が土地区画整理事業の対象となった場合、ある時期に仮換地の指定を受けます。

仮換地は土地区画整理事業が終わるまでに与えられた仮の土地です。この仮換地は売買取引が可能です。しかし、一般の土地売買とは大きく異なるので注意が必要です。

この記事では仮換地を売買する方法と注意点についてわかりやすく解説します。

仮換地をわかりやすく解説

勘違いしやすいですが、仮換地とは、換地予定地(工事完了後に割り振られるであろう土地)にあたり、一時的に移動した土地のことではありません。

仮換地についてわかりやすく解説します。

そもそも土地区画整理事業とは

土地区画整理事業とは、簡単にいうと街並みを整える事業のことです。

昔からある街は道路がせまく、所有者も分からない空き地が多く見受けられます。こういった街をきれいに整え、整然とした街づくりを推進することを目的としています。

一般的に計画開始から事業終了まで10〜15年という年月がかかります。

仮換地が指定される流れ

土地区画整理事業のおおまかな流れは、次のとおりです。

  1. どのような街にしたいのかを計画し決定する
  2. 計画した内容に基づいて、公園や道路、宅地区画の位置を決定する
  3. 具体的な完成予定時期を決定し、工事を開始する
  4. 工事が完了したエリアから仮換地を指定し、使用を認める
  5. すべての工事が終われば換地処分する

仮換地とは上記の流れで4にあたります。

もともと住んでいた人が利用できるようになるタイミングは、すべての工事が終了してからではありません。工事が完了した所から順番に利用できます。一部の工事が完了し、使用の許可を得た場所を仮換地といい、この仮換地は売買取引ができます。

また、すべての工事が終了し、所有権やその他の権利をもつ人に対して、土地を割り当てることを換地処分といいます。

仮換地指定される前の土地はどうなる?

仮換地指定される前に、もともとあった土地は従前地と呼ばれます。土地区画整理事業が行われる前の土地を従前地、土地区画整理事業によって生まれた土地が仮換地です。

  • 土地区画整理事業が行われる前の土地⇒従前地
  • 土地区画整理事業によって生まれた土地⇒仮換地

ここでポイントなのが、所有権は仮換地にはなく、従前地にあります。この点が仮換地を売買をする上で非常に重要です。

仮換地とよく似た保留地とは

仮換地と同じような土地に保留地があります。この土地は整然とした街を作った結果、余った土地です。この土地には所有者はいません。

保留地は事業の資金源として扱われることが多いです。つまり、区画整理で余った保留地を売って、土地区画整理事業の財源にします。見た目では分かりませんが、所有権や利用の仕方が、仮換地とはまったく違う土地といえます。

仮換地は所有権はないが売却できる

仮換地には所有権がありませんが、売却できます。詳しく解説していきます。

所有権と使用収益権

土地区画整理事業中において、所有権はあくまでも従前地にあります。

ここで注意したいのが、土地には所有権とは別に、土地を使用できる権利である使用収益権があるということです。本来この権利は所有権とセットになっていますが、契約や状況に応じて分離することも可能です。

たとえば、賃貸住宅や駐車場を借りるときなどに持っている権利です。所有権と使用収益権の権利関係は、土地区画整理事業中に以下のように移動していきます。

土地区画整理事業における所有権と使用収益権の関係
  所有権の所在 使用収益権の所在
土地区画整理事業開始前 従前地 従前地
土地区画整理事業開始中 従前地 仮換地
土地区画整理事業後(換地処分後) 換地 換地

このように、仮換地は使用収益権が移っても、所有権が移ることはありません。そのため、仮換地の売買は可能ですが、売買契約書に記載されるのは、従前地の内容です。

仮換地の売買は、使用収益が開始できる日から可能になります。

仮換地の売却価格設定は慎重に

仮換地を売却する際の価格設定には注意が必要です。なぜなら、仮換地には相場がないからです。

土地区画整理事業が開始されるまでは、同じ立地条件にある周辺の土地の実際に売れた価格を確認して、相場を把握できます。そこから、およそこれくらいの価格で売れるだろうと想定して売却価格を決定できました。

しかし、土地区画整理事業では、土地の面積だけでなく、地目などの条件が大きく変わります。そのため、土地区画整理事業が始まると、土地の価格が大きく変動します。たとえば、田畑が住宅地になる場合には、価値が数十倍になることもあります。そのため、基準となる相場がない状態で、価格を決めなければなりません。

この問題を解決するために、販売を依頼する不動産会社とは別に、土地区画整理組合の相談窓口に相談しましょう。土地区画整理組合とは、土地区画整理事業を推進している事業団体です。土地所有者の質問や相談に応えてくれるため、同じ都道府県の過去事例を参考にできます。

また、後述する減歩げんぶの割合や清算金の有無も分かる範囲で教えてくれます。過去事例と不動産会社の提案を踏まえ、納得のいく売却価格を決定しましょう。

換地まで待って売るとどうなる?

土地区画整理事業内の土地を売買する上で、最も高く売ることができるタイミングは換地後です。

換地完了後は街並みが完成しており、購入検討者も建てる家のイメージがつきやすい状態になっています。また、その頃になると仮換地の売買も相当数行われており、周辺相場もある程度把握しやすいでしょう。

土地をなるべく高く売りたい人は、換地まで待って売るという方法が効果的です。一方、土地区画整理事業開始から換地までは10年以上の年月がかかり、それまでは固定資産税が発生します。さらには換地までに震災や浸水、経済情勢の影響で土地価格が大きく下がることもあります。それらのリスクを踏まえた上で、慎重な判断をする必要があります。

契約時の注意点

仮換地は使用収益権が開始されていれば問題なく売買できます。しかし、通常の土地とは違い、さまざまな制約を受けます。ここでは仮換地の売買を行う際の注意点について解説します。

換地まで所有権を登記できない

不動産の所有権を主張するためには、登記をする必要があります。しかし、仮換地の場合、換地処分があるまでは個別に登記ができません。つまり、すべての工事が終わるまで所有権を主張できません。売主である仮換地所有者は気にすることではありませんが、購入予定者は下記のような不便を被ります。

  • 仮換地を買ったけど工事が終わるまで所有していることを主張できない
  • 住所が正確に決まらない

購入予定者が躊躇する理由になるため、せっかく決まった売買契約が白紙になることもあります。

面積が変わる可能性がある

仮換地指定のタイミングで減歩と呼ばれる面積の調整が行われます。土地区画整理の計画では、もともとあった土地面積を少しづつ削って、新しい道路や公園を作ることがあります。つまり、一般的には仮換地は従前地よりも面積が減少します。

不動産売買契約書には従前地の面積が記載されていますが、仮換地指定された面積はこれよりも小さくなることを買主に伝える必要があります。仮換地の売買でよく起きるトラブルでもありますので、注意が必要です。

清算金が発生する可能性がある

清算金とは、換地を行った結果、隣地などと不均衡が生じた場合、それを調整するために支払う費用です。

北側道路の土地が南側道路になっただけでも、土地の価格は大きく上がります。土地区画整理事業では、こういった土地などの価値が不釣り合いとなった場合に清算金を徴収し、バランスを取ります。

仮換地の売買をするうえでは、清算金の負担を売主と買主のどちらが負担するのかを明記し、トラブルを避けるようにしましょう。

まずは相談してみよう

土地区画整理事業における仮換地に関する話では、聞きなれない言葉が並びます。すべてを理解するのは大変困難でしょう。

そのため、仮換地の売買を検討するためには、まず不動産会社などに相談してみてください。しかし、不動産会社もよく理解できていない場合があります。そのため、経験が豊富な不動産会社に相談する必要があります。

その際、不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社に査定依頼ができます。たくさんの不動産会社の提案を聞いたうえで、納得できる不動産会社を選びましょう。完全無料で気軽に利用できるので、ぜひ活用してみてください。

仮換地の売買に関するよくある質問

仮換地は売買取引できるの?
仮換地は売買取引できます。しかし、土地面積の減少など、注意点があるので十分理解したうえで取引しましょう。
売却は換地が終わるまで待った方がいい?
最も高く売ることができるタイミングは換地後です。しかし、換地までに震災や浸水、経済情勢の影響で土地価格が大きく下がることもあります。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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