別荘を売却する4つのポイント!自宅との違いは?需要はある?
別荘を所有していたり、相続で取得すると、固定資産税や建物のメンテナンスにも費用がかかります。しかし、別荘の利用頻度が減った場合は、手放したいというケースもあるでしょう。
一般的に別荘の売却は難しいといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
本記事では、別荘の売却事情について、一般的な住宅の売却と比較しながら解説します。
もくじ
別荘が売却できないといわれる理由
なぜ別荘の売却は難しいといわれてるのでしょうか。一般的な住宅の違いを確認しておきましょう。
不便な立地の物件が多い
バブル期に別荘が多く建てられたエリアは、自然が豊かな観光地が多いです。そのため、公共交通機関や主要幹線道路が遠く、交通の便があまりよくありません。
それが魅力でもありますが、買い物施設が遠いなどという不便さがあります。
観光産業自体が縮小しているエリアでは、かつては充実していた飲食店や土産物店などの数が減少しています。バスなどが廃線になっていることもあるなど、利便性が下がっていることがあります。
築年数が古く修繕が必要な物件が多い
別荘が人気になったのは1980年代後半〜1990年代前半のバブル期ですが、バブル崩壊に伴い需要が急減しました。
当時の建物は、築40年近く経過しており老朽化が進んでいます。
そのため、快適に利用するためには、以下のような大規模なリノベーションが必要です。
- 外壁や屋根の塗装
- 給排水管の刷新
- 水回りの設備の更新
- 内装の張り替え
また、新たに建物を建てる場合にも、既存の建物を解体する費用などがかかります。
ランニングコストが高い
別荘を所有しているときにまず気になるのが、税金や管理費などのランニングコストです。
不動産を所有していると、毎年住民税や固定資産税、都市計画税などの税金がかかります。自宅の場合は固定資産税の軽減措置がありますが、別荘は余暇を楽しむためのものですから適用対象外です。
さらに、リゾートマンションで共用部分に温泉施設などが設置されていると、管理費や修繕積立金が高額なケースもあります。
戸建ての場合でも、前述したような修繕費などが定期的にかかります。そのため、自宅以外にも費用を捻出できる経済的な余裕が必要です。
優遇税制が適用されない
不動産の売却時に出た利益は譲渡所得、損失は譲渡損失といいます。
この譲渡所得に対して課税される税率は、不動産の所有期間で決まります。
- 短期譲渡所得
- 売却した年の1月1日において取得してから5年以内で、39.63%
- 長期譲渡所得
- 売却した年の1月1日において取得してから5年超で、20.315%
一定期間居住した自己居住用の不動産の場合は、売却益のうち3,000万円までが課税対象から控除されるという優遇措置があります。
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
自宅を売却して損失が出た場合は、給与所得などと損益通算できる場合があり、売却することが節税対策になることもあります。
別荘地の場合、全体として地価が下落しているケースが多いため、譲渡損失が発生しているケースも多いでしょう。しかし、この優遇税制は別荘の売却で出た利益や損失に対しては適用できないため注意が必要です。
このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。
- この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
- 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
- 別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋
別荘の需要はある!
維持費など経済的負担の大きい別荘ですが、売却したい場合、市場に需要はあるのでしょうか。
経済的余裕のある人が持つイメージがある別荘ですが、近年は状況が少しずつ変化し始めているようです。ここでは、最近の別荘の売却事情について紹介します。
田舎暮らしへの憧れ
別荘は余暇のための住宅ですが、田舎暮らしに憧れている人が別荘を自宅として購入するというケースも増えています。
近年、InstagramやYouTubeなどのSNSで、家庭菜園や日曜大工など、田舎暮らしの魅力を配信する人が増えました。そのような発信に触発された方が、実際に都会から田舎に移住するという動きもあります。
また、コロナ禍の影響で、人口密度の高い都会から田舎に移住したいという方も増えています。
ライフラインやインターネット環境さえ整えば、田舎であっても通販で大抵のものは入手可能なため、昔ほど不便ではなくなったことも理由のひとつでしょう。
二拠点生活ブーム
コロナ禍以降、テレワークやリモートワークを取り入れる企業が劇的に増え、働き方の多様化が進みました。オフィスに出勤する日が週3日以内という企業も増えました。
そのため、田舎暮らしをしてみたいけど完全に住居を移転することには抵抗があるという人の間でも、二拠点生活がブームになっているようです。
セカンドハウスであれば、別荘では適用されない固定資産税や都市計画税の優遇を受けることもできます。ランニングコストの面でもメリットがあり、検討する人が増えています。
ワーケーションのニーズ
ワーケーションとは、ワークとバケーションから生まれた造語です。
コロナ禍によって働き方の多様化が進み、平日に観光地に滞在してワーケーションを行うということも珍しくありません。
休暇を楽しみながらリモートワークで働くという認識が一般的です。しかし最近では、企業がより高い成果や社員のモチベーションアップのために、部署ごとオフィスを地方に分散や移転をするケースも増えています。
さらに、都心部の満員電車通勤は社会問題化しており、政府もテレワークとともにワーケーションの普及を後押ししています。
別荘をそうした企業の職場として活用すれば、従業員の住居としての需要もあります。
また、別荘を買い取ってリノベーションを施し、ワーケーションを希望する方に住居と職場両方の役割を兼ね備えた物件を賃貸する、新しいスタイルの不動産投資も注目を集めています。
別荘を売却する4つのポイント!
新たな需要が生まれつつある別荘ですが、うまく売却するにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
日頃からメンテナンスをしておく
自然豊かな環境の別荘を見学に来る方は、立地面のネックはクリアしていると考えてよいでしょう。
実際の見学者の購入意思を左右するのは、物件の第一印象です。
築年数が古い場合、リフォームやリノベーションを検討する方がいるでしょう。しかし、それらにかかった費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。
リフォームやリノベーションをしなくても、きちんと掃除やメンテナンスがされていれば、第一印象がグッとよくなります。
そのため、以下のようなメンテナンスがとても大切です。
- 不要なものの処分
- 水回りの設備の掃除
- 定期的な換気
買主の負担を軽減する
別荘の売却は一般の住宅より難しいため、あまり高望みをすると長期間売れ残ってしまうリスクがあります。そのため、ある程度の値下げは覚悟しておきましょう。
売り出し価格だけでなく、「この価格までなら値下げしてもよい」というラインを決めておきましょう。そうすれば、購入希望者の値下げ交渉の際に悩む必要がなく、担当者も見学者にアピールしやすくなります。
また、なかなか売れない場合は、買主の負担を軽減するという手もあります。
必要な建物の修繕や解体費用などを売主が負担することは、買主にとって大きな魅力になるでしょう。
さらに、一般的には買主が負担する所有権移転のための登記費用や不動産取得税といった諸費用を売主が負担することで、買主の負担が軽減されるため、買いやすくなります。
不動産買取も検討する
不動産の売却には、仲介と買取の2つの選択肢があります。
仲介の場合、不動産会社と媒介契約を締結します。レインズという不動産の取引情報が載っているサイトや、ネットの広告などを活用して購入希望者を探します。
しかし、需要が少ない立地は売却に時間がかかってしまうことがあります。また、価格が安いと報酬として得られる仲介手数料も少額になってしまうため、不動産会社に引き受けてもらえないケースもあります。
一方、不動産買取の場合は不動産会社が掲示した金額で売却するため、スムーズな現金化が可能です。
ただし、相場よりも安くなってしまい、時には建物の解体費を別途支払うというケースもあります。
それでも、利用しないのに維持費だけがかかり続ける、いわゆる負動産を所有し続けるよりはよいでしょう。できるだけ早く処分したいという場合は、最悪の場合の選択肢として考えておくことも必要です。
一括査定サイトのリビンマッチを活用する
相続した別荘などを売却したい場合、自宅付近と違って地価などが分かりにくいため、いくらくらいで売れるのか検討もつかないこともあるでしょう。
不動産会社に査定を依頼するにしても、1件1件問い合わせるのは非常に手間がかかります。
そこで活用したいのが、無料のインターネットサービスである一括査定サイトの「リビンマッチ」です。売却したい不動産の所在地や土地・建物の広さ、築年数などを一度記載するだけで、複数の業者に査定依頼ができます。
査定価格は業者によって違いますが、おおよその売れる価格が把握できます。信頼できる不動産会社探しの第1歩として、まずはリビンマッチを利用しましょう。
別荘の売却に関するよくある質問
- 別荘の売却は需要がある?
- 近年、SNSで田舎暮らしの魅力を発信する人が増えたことや、コロナ禍の影響で田舎暮らしに憧れる人の需要が見込めます。また、二拠点生活やワーケーションなど働き方の多様化から検討する人もいるでしょう。
- 別荘の売却は一般的な住宅の売却と何が違うの?
- 一般的な住宅の場合は固定資産税の軽減措置がありますが、別荘は余暇を楽しむためのものですから適用対象外です。また、購入者にとってはランニングコストが高かったり、リノベーションが必要だったりといったハードルがある場合もあります。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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