不動産売買で司法書士が行う3つの業務と依頼費用の相場。専門家を使わないで取引は可能?
不動産の売買を行う際には、司法書士を利用するのが一般的です。多くの書類が必要になる不動産売却のやり取りや、手続きが面倒な登記手続きを代理で行ってくれます。
しかし、司法書士は「なんとなく利用するもの」というイメージを持っている方が多く、必要性については詳しく知られていません。
そこで本記事では、そもそも司法書士とはどういったものなのか、なぜ不動産売買で依頼する必要があるのかについて解説します。
もくじ
司法書士とは
司法書士とは、不動産の権利関係や登記手続きのための書類作成などを代理で行う有資格者のことです。
不動産関係の書類作成だけでなく、成年後見業務や遺言書の作成なども、個人や企業から依頼を受けます。
司法書士になるには国家試験に合格する必要があり、難関資格のひとつです。法務省「令和4年度司法書士試験の最終結果について」によると、令和4年度の受験者数は1万2,727人に対して合格者数は660人と、合格率は約5.19%でした。
不動産売買で司法書士が行う業務
不動産売買において司法書士が行う業務は、所有権移転登記の代行や不動産決済の立ち会いなどがあります。これらの業務について知って、依頼する価値があるかどうかの判断材料にしましょう。
不動産決済の立ち会い
不動産決済時には、司法書士が立ち会って書類への署名や捺印、意思確認などを行います。すべての確認が終わったら、司法書士が売買代金の支払いや、金融機関からの融資を許可します。
ここまでして、はじめて取引が成立します。
仮に書類や意思の確認で問題が発生した場合には、許可をしないため、金融機関の融資や買主の支払いが実行されません。
なお、司法書士は不動産売買において、売買代金の支払いや金融機関の融資の実行に関する責任を負っています。仮に問題が発生した際に、司法書士は損害賠償責任を負います。
登記に必要な書類の収集
不動産売買で司法書士が行う業務のひとつが、所有権移転登記や抵当権抹消登記などで必要になる書類を収集する業務です。
たとえば、住宅ローンを完済していない状態で、売主が不動産を売却する場合があります。その際、売主の代わりに住宅ローンを組んでいる銀行に出向いて、抵当権抹消登記に必要な弁済証書や委任状などを集めます。
また、不動産の売買に行政の許可や承認が必要な場合があります。その際も、許可や承認を得るために行政へ出向き、必要な書類を集めて申請まで代行してくれます。
不動産売買を円滑に進めるために必要な準備を代行してくれるため、手間や時間をかけたくない方は司法書士に依頼しましょう。
登記業務の代行
所有権移転登記や抵当権抹消登記などに必要な書類を集めるだけではありません。登記の申請も代行してくれます。
なお、登記申請の代行が可能なのは、法律で司法書士や弁護士のみと定められています。
登記申請は集めた書類から自身で作成するものもあり、手続きが複雑です。そのため、専門知識を持たないと、書類に不備があるリスクがあります。
司法書士は国家資格であり、その道のプロです。安全に取引をするためにも、依頼を検討しましょう。
不動産売買では司法書士に必ず依頼したほうがいい?
司法書士への依頼費用を節約したいと考える方もいるでしょう。
司法書士に依頼する決まりはない
不動産売買において、司法書士に必ず依頼する決まりがあるわけではありません。依頼費用を節約したいと考える方もいるでしょう。
売買した不動産の登記業務に関しても、司法書士が作成した申請書を利用せずに、自分で作成することも可能です。
実際、法務局の「不動産登記申請手続」に作成方法も記載されており、必要な書類に関しても自分で手配できます。
また、法務局に直接相談に行って、書類の作成を手伝ってもらうことも可能です。
特別な事情がない限りは依頼したほうがよい
自分でも手続きは可能と説明しましたが、特別な事情がない限り、不動産売買の際は司法書士に依頼することをおすすめします。
不動産の売買では、税金や権利など法律に関わるような手続きが多いです。そのため、書類の作成方法などを調べることができても、専門知識がない人が自身のみで行うのは得策とはいえません。
司法書士に依頼することで、複雑な書類作成や手続きを代行してくれます。手間や時間を省くことができ、間違いのない取引をスムーズに進められます。
安心して取引を円滑に終わらせるためにも、司法書士への依頼を検討しましょう。
司法書士に依頼するための費用や書類
ここでは司法書士の依頼費用の相場や、不動産売却時に必要な書類を紹介します。また、依頼する具体的な方法も確認しておきましょう。
依頼費用の相場
以下の表は、司法書士への依頼料の相場です。
依頼内容 | 費用の目安(円) |
---|---|
所有権移転登記 | 数万〜5万 |
抵当権抹消登記 | 5,000〜1万5,000 |
取引立ち会い | 数万〜5万 |
所有権移転登記や取引立ち会いなどの料金に関しては買主が負担します。 一方で、抵当権抹消登記に関しては、売主が負担しなければなりません。
なお、司法書士の依頼料は、依頼する事務所や不動産の売買価格などによって違います。費用を抑えたいなら、相見積もりを行うようにしましょう。
売主が準備する書類
不動産売却において、売主は以下の書類を用意する必要があります。
書類名 | 内容 |
---|---|
購入時の契約書類 |
|
印鑑証明書 |
|
住民票 | 登記上の住所と現住所が異なる場合や住民票を異動する際に必要 |
登記済権利証または登記識別情報 | 物件の登記などで必要 |
固定資産税納税通知書 | 固定資産税額を確認するための書類 |
ローン残高証明書 | 売主がローン返済している場合に必要 |
銀行口座書類 | 振込先の確認のための書類 |
重要事項にかかわる調査報告書 | 大規模修繕や修繕積立金の運用などが記載されている |
地盤調査報告書 | 地盤の強度を調査した書類 |
上記の書類はあくまで一部で、不動産売却には多くの書類が必要です。
しかし、自身で集めなければいけない書類もありますが、司法書士に依頼することで、大半の書類を集めてもらうことが可能です。
司法書士を利用するなら不動産会社への相談がおすすめ
不動産売買では、仲介してくれる不動産会社から紹介してもらった司法書士に依頼するのがおすすめです。
自分で探すよりも実績が豊富な信頼できる司法書士を紹介してくれます。そのため、安心して代行業務などを任せることができます。
しかし、不動産会社が信頼できる会社でないと、紹介してもらった司法書士も信頼できない可能性が高いので注意が必要です。
そういった事態を防ぐためにも、仲介を依頼する不動産会社選びは大切です。
信頼できる不動産会社かどうか見極めるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 実績が豊富な会社なのかを確認する
- 一括査定サイトのリビンマッチを利用して複数の不動産会社を比較検討する
- レスポンスが早いのかを確認する
上記のポイントの中でも、特に一括査定サイトの「リビンマッチ」を活用して複数の会社を比較検討する方法は取り入れるようにしてください。
不動産会社の対応が比較検討できるうえに、一度に複数の会社に見積りを依頼できます。そのため、手間と時間をかけずに効率的に信頼できる不動産会社を探すことができます。
不動産の売却を検討しているなら、まずはリビンマッチの不動産売却サービスを利用しましょう。
不動産売買における司法書士に関するよくある質問
- 不動産売買で司法書士に必ず依頼しないといけない?
- 司法書士に必ず依頼する決まりがあるわけではありません。しかし、不動産の売買では、税金や権利など法律に関わるような手続きが多いため、専門家に任せるのが安心です。
- 不動産売買で司法書士に支払う報酬は?
- 所有権移転登記に数万〜5万円、抵当権抹消登記に5,000〜1万5,000円、取引立ち会いに数万〜5万円かかります。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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