建売住宅は売却しやすい!相場や具体的な売却方法を紹介
戸建住宅には建売住宅と注文住宅の2種類があります。その中でも建売住宅は比較的売却しやすいとされています。
なぜ、建売住宅は売却しやすいのでしょうか。この記事では、建売住宅が売却しやすい理由や売却相場、売却の進め方を分かりやすく解説します。
もくじ
建売住宅は売却しやすい?
建売住宅が売却しやすい理由や、売却しにくい建売住宅の特徴について紹介します。
そもそも建売住宅とは?
建売住宅とは、建築物と土地がセットになった住宅のことをいいます。ハウスメーカーなどが自社所有地に建物を建てて販売しているのが一般的でしょう。
それに対し、すでに持っている土地や新しく土地を購入して、家の設計からするのが注文住宅です。建売住宅の場合、間取りのパターンが決まっており、材料などもほかの建売住宅と同じものを使用するためコストを下げられます。そのため、注文住宅よりも安く購入できる傾向があります。
売却しやすい理由は?
なぜ建売住宅は売却しやすいといわれているのでしょうか。
一般的な間取りのため多くの人をターゲットにしやすい
建売住宅は、ハウスメーカーが幅広いユーザーに受け入れられるように、シンプルでバランスがよい間取りにすることが多いです。
一方、注文住宅はこだわりをもって建築している人も多いため、個性がでやすく、使い勝手が悪いケースもあります。その点、万人受けした設計である建売住宅なら多くの人をターゲットにしやすく、購入者の幅を広げられるので売却もしやすいです。
中古住宅の顧客ニーズと価格帯がマッチする
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によると、住宅建築における平均所要資金は下記のとおりです。
土地付注文住宅※(万円) | 建売住宅(万円) | |
---|---|---|
全国平均 | 4,397 | 3,495 |
建売住宅が土地付注文住宅の約8割の価格ということが分かります。購入時の金額が安い分、売却時も注文住宅よりも安い価格で売り出す傾向があります。購入時にお手頃だった分、これはある程度仕方のないことでしょう。
しかし、中古住宅を購入したい人は、一般的に購入価格を抑えたいという人が多いものです。そのため、相場で売りに出されている中古注文住宅より、相場を少し下回る中古建売住宅のほうが魅力的です。安く購入したい人の需要が期待でき、購入者の幅を広げられます。
売りにくい建売住宅の特徴
すべての建売住宅が売りやすいわけではありません。売りにくい建売住宅には、どのような特徴があるのでしょうか。
立地が悪い
立地が悪い場合、間取りに関わらず売りにくい傾向があります。建売住宅に限ったことではありませんが、生活するのに不便な立地ではなかなか買手が付きません。
駅から遠い、周辺に学校や病院、商業施設がない場合は売りにくい場合があります。
建築前に購入して自分の要望を多く取り入れた物件
建売住宅であっても建築前に購入した場合、ある程度間取りや設備の色などを指定できるケースがあります。
間取りなどが一般向けではなくなったケースでは、ターゲットが絞られてしまい、売りにくくなる可能性があります。
建売住宅の売却相場は?
建売住宅の売却相場について見ていきましょう。
データから見る売却相場
ここでは、一般的な中古戸建の売却相場について解説します。
東京カンテイの「中古一戸建て住宅平均価格」による2022年1月の中古一戸建て住宅平均価格、平均土地面積、平均建物面積は次のとおりです。
エリア | 平均価格(万円) | 平均土地面積(㎡) | 平均建物面積(㎡) |
---|---|---|---|
東京 | 6,183 | 142.3 | 109.9 |
神奈川 | 3,482 | 146.5 | 104.2 |
千葉 | 2,543 | 162.2 | 107.2 |
大阪 | 2,887 | 141.6 | 109.4 |
兵庫 | 2,524 | 167.6 | 115.7 |
宮城 | 2,440 | 193.5 | 113.7 |
福岡 | 2,209 | 189.2 | 105.1 |
上記のように、地域によって売却価格は大きく違います。相場はあくまで目安として参考程度にとらえるようにしましょう。
また、先述したように建売住宅は購入時の金額が安い分、売却時も注文住宅よりも安い価格で売り出す傾向があります。地域など、条件によって違いますが上記の中古住宅の平均価格を1~2割下回ることが一般的です。
売却価格の構成要素とは
自分の家の売却相場を知るには、まず、住宅売却価格の構成要素を理解する必要があります。戸建て住宅の売却価格は、主に次の3つの要素で構成されます。
- 土地
- 建物
- 外構などのその他の要素
売却価格の大きな要因を占めるのが土地と建物です。特に、土地の価格は重要な要素です。築年数の古い建物では、建物に価値がなく土地部分のみの価格となる可能性があります。
建物については、築年数によって価格が大きく左右されます。土地と建物の相場については、詳しくは後述するので参考にしてください。
また、外構などのその他の要素も、不動産価値があるものと判断されるため売却価格を左右します。外から見た時の印象がよい物件は、売却価格が高くなる可能性があります。
ただし、買手の好みなど、個別の状況により異なるので、不動産査定で判断することをおすすめします。
売却相場の調べ方
戸建て住宅は、マンションに比べて建物の寿命が短いです。先述したとおり、築年数の古い建物では、土地部分のみの価格となる可能性があります。
そのため、建物と土地で別々に価値を算出することで正確な価値が把握できます。
土地部分の売却相場
土地の売却価格は、近隣の類似物件の取引価格を参考にすることでおおよその価格を把握できます。大手不動産サイトなどで、売却価格が掲載されているので、類似物件の価格を調べるとよいでしょう。
また、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」を利用することでも把握できます。過去に実際にあった取引データを、物件種別や地域を選択して確認できるので、近隣物件を調べてみるとよいでしょう。
建物部分の売却相場
戸建て住宅では、建物分の価格は築年数によって大きく左右されます。建売住宅であっても、自分である程度指定した場合など建物部分は個別性が高いため、相場を一概にいえるものではありません。
そのため、築年数を元に新築時の価格の何割程度なのかを把握するのが、ひとつの方法といえます。
基本的には、どのような戸建てであっても築年数が経過するほど建物の価値が下がり、売却価格は下がっていきます。築年数に応じた、売却価格の目安は下図のとおりです。
築年数 | 売却価格の目安 |
---|---|
築5年 | 新築価格の3割以下 |
築10年 | 新築価格の5割以下 |
築20年以上 | 新築価格の2割以下 |
たとえば、4,000万円で新築した物件を築10年で売却するなら、2,000万円が目安です。
建売住宅の売却方法
建売住宅の売却方法について見ていきましょう。
建売住宅売却の流れ
建売住宅を売却する場合、基本的には不動産会社と契約して売却を進めていきます。
建売住宅売却の主な流れは、次のとおりです。
- 不動産査定
- 不動産会社との媒介契約
- 売却活動
- 売買契約締結
- 決済と引き渡し
建売住宅であっても通常の不動産売却の流れと違いはありません。売却までには、おおよそ3カ月〜半年かかるのが一般的です。
複数の不動産会社に査定してもらうのがおすすめ
売却を決めた場合、まず不動産会社に不動産査定を依頼して、売却価格を把握します。この時、不動産査定は複数の不動産会社に依頼することが重要です。
不動産会社によって査定方法は異なり、査定価格も変わってきます。複数の不動産会社に見積もりを取ることで、おおよその相場も見えてきます。
この時に、査定額が相場よりも高すぎる、低すぎる不動産会社はおすすめできません。相場よりも査定額が低すぎる場合は、不動産相場に詳しくない可能性があります。
反対に、高すぎる場合は、媒介契約を取りたいために高い査定額を提示しているケースが考えられます。この場合、契約後に買手が付かない場合や値下げが必要な場合があり、結局安い価格で売却する羽目になる可能性があります。
高いにせよ安いにせよ、査定額に根拠を提示できる不動産会社を選ぶようにしましょう。また、査定額だけではなく次のようなポイントをチェックすることが重要です。
- 実績や評判
- 対応
- 担当者の人柄
- 不動産会社の得意分野
また不動産会社といっても、得意とする分野は違います。戸建住宅を売却する場合、戸建て住宅を得意とする不動産会社を選ぶことが重要です。不動産会社の実績や取扱数などを確認しましょう。
不動産会社を選ぶうえでは、複数の不動産会社を比較して総合的に判断することが重要です。
複数の不動産会社に見積もり依頼するとなると、1件1件問い合わせて依頼していると多くの手間と時間がかかります。
複数見積もりを取るなら、一括査定サイトの利用をおすすめします。一括査定サイトなら、一度にまとめて査定依頼ができ、結果も短期間で分かるので手間や時間を省けるでしょう。
建売住宅の売却に関するよくある質問
- 建売住宅は売りやすいの?
- 間取りや広さが大衆向けに作られているので、買手が付きやすいです
- 売却価格の目安は?
- 一概にはいえませんが、築10年で新築価格の約5割になってしまいます
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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