【解決】親の家を相続したくない!相続放棄やほかの方法を紹介
不動産を所有すると、納税義務や管理費負担、近隣とのトラブルなどのさまざまな負担が発生します。それらを避けるために、親の家を相続したくないと考える方もいるでしょう。
相続を放棄するという手段がありますが、その場合家だけを相続しないということはできないため、ほかの財産も受け取れなくなってしまいます。
本記事で、相続放棄以外にも、親の家を相続しない方法があるのか確認してみましょう。
もくじ
親の家を相続するとどういった負担がある?
親の家を相続した場合に発生する義務やデメリットについて解説します。
納税義務
不動産は居住を問わず、所有しているだけで固定資産税が発生します。
固定資産税は、建物の大きさに応じた減額ができます。住宅1戸につき、200㎡までは課税標準を6分の1、200㎡越えの場合は3分の1に減らせます。
そのため、親の家を相続した場合、必要ないからといって、安易に家を取り壊して更地にしてしまうとさらに高額な固定資産税を支払う必要があります。
また、2014年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。それにより、次の条件を満たした場合は固定資産税が減額されません。
- そのまま放置して、建物倒壊や衛生上有害などの危険性がある状態
- 適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
- そのまま放置して、周辺の生活環境を保全できない可能性がある状態
この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
家の管理を怠っても減額されず、更地にしても減額されないため、必然的に家の管理をする必要があるということです。
管理費の負担
家を管理して良好な状態に維持するためには、次のような管理費が発生します。
- 水道光熱費
- 建物や設備の修繕費
- 土地のメンテナンス費
電気代については、電力会社によって支払う金額が異なるため注意が必要です。使用の有無に関わらず、基本料金が必要な電力会社もあります。
また、庭に生い茂った雑草の手入れや老朽化した箇所の修理など、メンテナンスの費用がかかります。
家や土地の手入れをする管理費だけがかかるわけではありません。相続した家が離れた場所にある場合、移動費も発生します。お金だけでなく、時間も大きな負担になるでしょう。
近隣とのトラブルを招く
管理を怠った家は、空き巣にあったり、不審者が近付いてきたりします。不法投棄をされることもあるでしょう。また、庭に雑草が生い茂ったままにした場合、景観が損なわれて、近隣全体の治安も悪化してしまいます。
これらにより、近隣とのトラブルにつながります。クレームへの対応次第では、損害賠償責任を問われる可能性があります。
親の家を相続すると、近隣との関係にまで気を配る必要があるということです。
親の家を相続しない方法
親の家を相続しないためには、遺産のすべてを相続しない相続放棄や、遺産を放棄せずに寄付する方法などがあります。
また、相続前に家を売却してしまえば、介護面の不安解消や相続時のトラブル回避をすることも可能です。
相続放棄
相続放棄をすれば、親の家を相続する必要はありません。
ただし、預貯金や株券といった財産が残っていた場合は注意が必要です。
相続放棄は財産も含めたすべての遺産を放棄することです。遺産には、不動産だけでなく預貯金、株券、借金などがあります。
借金が多く、親の家も相続したくないのであれば、相続放棄がよいでしょう。
相続放棄をしても本当に自分にとってプラスになるのかをしっかり考えたうえで、相続放棄を選択しましょう。なお、相続放棄は原則的に相続開始から3カ月以内でないとできないため注意しましょう。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。(後略)
寄付
親から相続した家を地方公共団体などに寄付する相続財産寄付を行えば、固定資産税の納税や家の管理をする必要がありません。また、社会貢献に寄与することにもつながります。
相続放棄とは異なり、財産は残したままで家だけを放棄することができるため「財産は相続したいけど家だけを放棄したい」という方には有効な手段です。
ただし、必ずしも寄付を受け取ってくれるわけではありません。不動産の固定資産税は地方公共団体の収入源でもあります。有効活用できる家ではない場合、受け取ってもらえない場合があることを頭に入れておきましょう。
相続前に売却
相続する前に、以下のような手段で親の家を売却しておくのもよいでしょう。
- 自分の家で親と同居して、住まなくなった家を売却してしまう
- 自身が住んでいるところが持ち家でないのであれば、親の家を売却し、その資金を使って親と同居できる家を購入する
親が高齢の場合、介護が必要になった時でも、近くにいることで介護がしやすくなります。親との同居は双方が安心して暮らすことにつながります。
また、相続財産が不動産のみの場合、相続人が複数いればトラブルになってしまうケースがあります。先に売却しておけば現金化できるため、容易に分配することが可能です。相続前の売却は、トラブルの発生防止にもつながります。
相続してから売却する
まずは相続してから売却することでも、前述したデメリットを避けることができます。
ただし、どんな家でも売却できるわけではありません。以下でご紹介するポイントを押さえることで、スムーズな売却が可能です。
できる限り早く売却
家を売却する場合、築年数が大きく影響します。同じ設備や耐震強度の家であっても、築年数が3年と5年の家では築3年の家の方が人気も高く、売却率も上がります。
そのため、相続した後はできるだけ早く売却してしまうことが大切です。
親の家であれば築年数が経過していることが想定できるため、売却が遅くなるほどさらに建物の老朽化が進み、維持費や修繕費が膨れ上がってしまいます。不要な出費を抑えるためにも、できる限り早く売却するようにしましょう。
共有者の同意を得ておく
家を相続したとき、兄弟と共有名義で相続するケースがあります。相続した家が共有名義の場合、家の所有権は複数人が持っていることになります。
共有名義ではそれぞれの持ち分が決められ、割合も相続人ごとに異なるのが一般的です。ただし、売却の同意に関しては割合は関係ありません。所有権を持っている全員の同意が必要です。
全員の同意がない状態で売却手続きを進めた場合、手間が増えるだけでなく高額な費用が発生する場合もあるため、しっかり同意を得たうえで売却手続きを進めましょう。
信頼できる不動産会社を探す
家の売却はひとりではできません。また、相続した家は複雑な手続きが必要な場面もあります。
不動産会社の力を借りることで、売却をスムーズに進めることができます。
ただし、不動産会社であれば、どんな会社でもよいわけではありません。信頼できる不動産会社に依頼することで、安心して売却できます。
信頼できる不動産会社を見つけるためには、できる限り多くの不動産会社に査定を出して比較することが必要です。
しかし、その中から探すのは大変な労力と時間がかかります。
不動産の一括査定サイト「リビンマッチ」を利用すれば、簡単に複数の不動産会社に査定を依頼できます。リビンマッチで信頼できる不動産会社を見つけ、家の売却をスムーズに進めましょう。
親の家の相続に関するよくある質問
- 親の家を相続したくない場合はどうしたらいい?
- 遺産のすべてを相続しない相続放棄や、遺産を放棄せずに寄付する方法などがあります。また、相続前に売却してしまうことでもトラブルを回避できます。
- 親の家を相続してから売却する場合は?
- できる限り早く売却することで、負担を軽減できます。また、事前に共有者の同意を得ておくことで、スムーズに売却手続きが進められます。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
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