不動産売却はどこがいいの?不動産会社の選び方と売却方法の解説
不動産の売却を依頼する場合、どの不動産会社がいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
不動産会社には、各社特徴があります。不動産仲介が得意な会社もあれば、不動産買取しかやっていない会社もあります。また、全国規模の不動産会社と地域密着型の不動産会社などに分けることができます。
売却方法やそれぞれの会社の特徴を把握することで、満足のいく不動産売却ができます。
どのような不動産会社を選ぶべき?
家の売却が成功するかどうかは、販売を依頼する不動産会社の選定で決まります。
そのため、不動産会社は必ず複数社検討し、納得のいく不動産会社を選びましょう。不動産会社の選び方のポイントを5つ解説します。
売却実績数が多い
売却実績数の多さは信頼の多さです。
不動産会社が売却を滞りなく進めるためには、ある程度経験を積む必要があります。こうした経験は難しい案件であってもクリアできる対応力につながり、その結果売主の満足度を高めることになるでしょう。
しかし、売主からすると自分が保有している不動産の売却が、簡単なのか難しいのかはわかりません。そのため、ホームページなどを確認して不動産会社の売却実績数を調べ、確実に売却してもらえる不動産会社を選びましょう。
ちなみに、2023年に住宅新報が公表した、2022年の売買仲介の取扱件数が多いランキング上位10位は以下のとおりです。※()内は取扱件数です。
- 三井不動産リアルティグループ(3万9,106)
- 住友不動産販売(3万4,906)
- 東急リバブル(2万9,577)
- 野村不動産ソリューションズ(9,985)
- オープンハウス(8,497)
- 三井住友トラスト不動産(8,128)
- 福屋不動産販売(7,875)
- 積水ハウスグループ(7,075)
- 東宝ハウスグループ(6,268)
- 大和ハウスグループ(4,884)
また、仲介ではなくて不動産を直接不動産会社が買い取ってくれる売却方法もあります。これを不動産買取といいます。買い取った不動産はリフォームなどをして付加価値をつけたうえで再販売することが一般的です。
リフォーム産業新聞が公表した「買取再販ランキング2022」の、年間販売戸数が多いランキング上位5社は以下のとおりです。※()内は年間販売戸数です。
- 株式会社カチタス(4,627)
- 株式会社リプライス(1,493)
- 株式会社レジデンシャル不動産(1,352)
- 株式会社大京穴吹不動産(1,152)
- 株式会社インテリックス(1,144)
対応エリアに詳しい
売却実績数だけでなく、売却予定の不動産があるエリアに詳しいという点も重要です。
なぜなら、売却実績数だけであれば大手の不動産会社が強くなりますが、大手だからといってすべてのエリアに詳しいわけではありません。
たとえば、浸水実績や地域条令などはそのエリアに住む人にとって常識であっても、他のエリアから移住する人にとっては予想外の情報になりかねません。このような情報は説明の仕方次第では購入意欲を下げてしまうことになるため、注意が必要です。
対応エリアに詳しく、適切な説明ができる不動産会社に依頼することで、早期売却につなげられるでしょう。
査定価格の根拠が明確
査定時には不動産会社から査定価格の根拠について説明を受けますが、「弊社の経験上」や「大体これくらい」というような説明をする不動産会社には注意しましょう。
そもそも査定価格の根拠の説明は法令で義務付けられており、説明漏れは許されるものではありません。
査定価格がどのような算出方法で決められているのかを明確に説明し、不動産売却に詳しくない売主であっても理解しやすい解説をする不動産会社を選ぶことが重要です。
売却のプランがわかりやすい
不動産を売却する場合、仲介と買取の選択や引き渡し条件の設定、内覧時のルール決めなど、売主が決めることは多いです。
しかし、どのような選択が正しいのかを判断することは難しいため、不動産会社に一任してしまうケースもあります。一任しても問題なく売却できることが多いのですが、やはり売主として自分の不動産がどのように売却されていくのかは知っておくべきでしょう。
提示する売却プランがわかりやすく、これからの売却ステップがイメージできる説明をしてくれる不動産会社を選びましょう。
担当者が誠実
大手であろうと地元の不動産会社であろうと、担当者の誠実さは非常に重要なポイントです。
担当者は引き渡しが完了するまで対応を依頼することになります。つまり、数カ月〜半年、なかには1年近くの付き合いになる場合もあります。
そのため、査定価格の説明や売却プランの提案を踏まえ、「この人なら安心して任せられる」と感じた担当者がいる不動産会社に、売却を依頼しましょう。お互いが相性が悪いと感じながら売却活動を進めれば、大変ストレスのかかることでしょう。
各不動産会社の特徴を把握しよう
不動産会社の特徴を把握し、ミスマッチが起こらないように気をつけましょう。
不動産会社には得意・不得意分野がある
不動産会社といっても、主に賃貸を取り扱う会社と売買を取り扱う会社があります。
不動産の売却は、専門知識や経験を必要とします。賃貸をメインで取り扱う会社に売却を依頼しても、なかなか買主が現れないということもあります。
早く高く売ることも大切ですが、確実に売るということが重要なので、売買を主な業務とする会社を選ぶようにした方が間違いありません。
大手不動産会社の特徴
大手不動産会社といえば、三井不動産や住友不動産、東急リバブルなどが挙げられます。多くの方が利用する大手不動産会社にはどのような特徴があるのでしょうか。
大々的に広告を打てる
大手不動産会社は資金力が豊富なので、チラシやインターネット、雑誌、テレビなどの媒体を使って大量の広告を打てます。
そのため、多くの人に物件を知ってもらうことができ、好条件で売却できる可能性があります。
顧客データが豊富
大手不動産会社は販売網も整備されており、豊富な顧客データがあります。そのため多くの顧客に購入を検討してもらえるので、スピーディーに売却できる可能性があります。
従業員の質が均一化している
大手不動産会社は、社員の研修制度が充実しているので、社員の質に大きなばらつきがありません。そのため、どの従業員が担当者になっても、安心して依頼できます。
また通常業務においてもマニュアルが整備されているので、きちんとした対応が期待できます。
売りやすい物件を優先してしまう
大手不動産会社は抱える顧客が多いです。そのため、高く売却したいという顧客よりも、安くてもいいから早く売りたいという顧客を優先しがちです。
条件の悪い物件だと判断されれば、担当を新人に変えられ、売却期間が長引くこともあります。
地元不動産会社の特徴
地元の不動産会社にはどのような特徴があるのでしょうか。
地元の特性や顧客情報をよく知っている
地元の不動産会社は、地方自治体の優遇措置や規則をよく知っているので、お得に売却できる場合があります。
また、大手が知らないような独自の顧客情報を持っているので、その人脈を生かして売却できる場合もあります。
地元を拠点としているので親身になってくれる
大手不動産会社ほど顧客を抱えておらず、親身になって売却活動を行ってくれます。大手ではできないようなささいな相談事についても、丁寧に話を聞いてくれるでしょう。
営業範囲が狭いので顧客は少ない
大手不動産会社と比べると営業範囲は狭く、顧客もそう多くはありません。したがって売却活動がなかなか進まないということもあり得ます。
十分な資金がない場合が多い
大手不動産会社と比べると、一般的に資金が豊富ではないので、大々的に広告を打つことはできません。そのため物件が買主の目に留まりにくいというリスクがあります。
不動産仲介と不動産買取はどちらがいいのか
不動産の売却方法は、不動産仲介と不動産買取があります。
不動産仲介は不動産会社を通して市場で売却する方法で、不動産買取は不動産会社が物件を直接買い取る方法です。主な違いは下記表にまとめます。ケースごとにどちらがよいのかを紹介します。
不動産仲介 | 不動産買取 | |
---|---|---|
売却期間 | 約3~6カ月 | 約1カ月 |
売却金額 | 市場価格 | 市場価格の約7割 |
仲介手数料 | 必要 | 不要 |
高く売却したい場合は不動産仲介
少しでも高く売却したいと考える方は不動産仲介がおすすめです。
不動産仲介の場合は希望売却価格で募集を出せます。その額で購入希望者が現れれば、そのまま売買契約へと進みます。実際には希望額での購入希望者がなかなか現れなかったり、購入希望者が現れても価格交渉が入ったりします。
しかし、売却価格を他者に決められるのではなく、交渉が入ったとしても最終的な売却価格を自身で決定できます。
反対に買取は、不動産会社から買取金額を提示されます。スピーディーに買い取ってもらえるメリットはあるものの、買取価格は不動産仲介で売却する場合の約7割です。
即、現金化したい場合は不動産買取
不動産買取は売却価格が安くなってしまうデメリットはありますが、不動産を即、現金化したい場合におすすめです。
不動産仲介と違って、買主が業者なので交渉がだらだらと長引いたりはしません。買取業者が提示する買取金額に納得できればすぐに売買契約へと進めます。業者にもよりますが、売買契約後の約1週間~1カ月で入金されます。
築年数が古い物件は不動産買取
築年数が古く、購入希望者がすぐに決まらなさそうな物件は不動産買取がおすすめです。
買主が個人の場合、「契約不適合責任」といって、引き渡しから2年間は契約にそぐわない内容に対して売主に減額請求や損害賠償請求ができます。実際には契約不適合を免責にする特約を結ぶことが可能ですが、ほとんどの買主がそれを嫌がります。
しかし、不動産買取をする業者は契約不適合責任の免責に抵抗がありません。買取後に建て替えたり大規模なリノベーションをしたりするためです。その分、不動産買取は不動産仲介に比べて売却価格が安くなります。
築年数が古い物件は、基礎や屋根などに所有者も気づかないような何らかの不具合が生じているケースが多いです。契約後の建物に不具合が見つかったとしても、売主が責任を負わないのが不動産買取のメリットです。
媒介契約の種類
不動産仲介を利用する場合は、売主と不動産会社で媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約書には販売を不動産会社に依頼する旨、成約となった場合には仲介手数料を支払う旨などが記載されていますが、これ以外にも重要な項目が記載されています。
また、媒介契約書は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれ内容が異なります。最適な媒介契約を選ぶためにもそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は売主からもっとも選ばれている契約形態です。この契約形態には、次のような特徴があります。
項目 | 内容 |
---|---|
依頼社数 | 1社のみ |
自己発見取引 | 不可 |
販売報告頻度 | 7日に1度 |
更新頻度 | 3カ月に1度 |
専属専任媒介契約を選択した場合、依頼する不動産会社は1社のみとなり、自分で買主を見つけることができません。そのため、不動産会社に販売を一任することになります。また、販売に関する報告を7日に1度受けることになり、3カ月に1度更新が必要です。
つまり、販売を一任したものの、販売報告の内容次第では3カ月後に契約形態を変えたり、契約を終了するという判断ができる、ということになります。
専任媒介契約
専属専任媒介契約とよく似た契約形態で専任媒介契約があり、次のような特徴があります。
項目 | 内容 |
---|---|
依頼社数 | 1社のみ |
自己発見取引 | 可能 |
販売報告頻度 | 14日に1度 |
更新頻度 | 3カ月に1度 |
専属専任媒介契約との違いとして、自己発見取引ができるという点があります。そのため、知人や親族が不動産を購入する可能性がある場合には、この契約形態を選ぶ売主もいます。
また、販売報告頻度は14日に1度となり、専属専任媒介契約と比べると、不動産会社から連絡が入る機会が少なくなるでしょう。
一般媒介契約
一般媒介契約には次のような特徴があります。
項目 | 内容 |
---|---|
依頼社数 | 上限なし |
自己発見取引 | 可能 |
販売報告頻度 | 規定なし |
更新頻度 | 規定なし |
媒介契約のなかで、唯一複数の不動産会社に依頼することができる契約形態です。不動産会社を1社に絞れない場合に選択する売主が多く、自己発見取引も可能となります。
ただし、不動産会社からするとほかの会社に契約をされる可能性があり、仲介手数料を得られないおそれがあります。そのため、販売報告や更新頻度を定めなくてよいとされています。
売却の進捗を把握したい売主であれば、専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめといえるでしょう。
一括査定サイトを利用しよう
売却活動を始めるには、まず一括査定サイトを利用すると便利です。以前は不動産を売却したいと思ったら、不動産会社に出向いて相談する必要がありました。現在はインターネットの普及により、一括査定サイトを利用すれば家に居ながらにして不動産会社を探せます。
相場観を知ることができる
一括査定を利用すれば、売却を検討している不動産の相場を知ることができます。一社だけの査定だと、相場がわからず安い価格で売り出してしまうこともあります。
一括査定をすれば複数の会社の査定価格が比較でき、適正な価格を知ることができます。しかし中には媒介契約を得るために、高い査定額を出す不動産会社もあるので、注意しましょう。
信頼できる不動産会社を見つけられる
一括査定を利用すれば、数社の中から信頼できる不動産会社を見つけられます。
不動産会社は売却にあたって、ともに活動するよきパートナーでなければなりません。
問い合わせ時の対応や営業担当者の態度・口コミや評判などで信頼に足る会社かどうか見極める必要があります。また、きちんとした根拠に基づいた金額を提示してくれる会社は、信頼がおけると考えてもよいでしょう。
リビンマッチで自分に合う不動産会社を見つけられる
一括査定サイトの「リビンマッチ」を利用すれば、自身が所有している不動産を得意とする不動産会社を見つけられます。 不動産会社によって、マンションを主体に営業しているところや戸建てや土地を得意にしている会社があります。
売却を成功させるためには、自身が所有している不動産を得意とする不動産会社を見つける必要があります。
リビンマッチを利用することで、最大6社から査定見積もりをもらえるので、所有している不動産を得意とする不動産会社を見つけられる可能性が高いです。
大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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運営会社:リビン・テクノロジーズ株式会社(東京証券取引所グロース市場)
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