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【親子間の不動産売買】メリットや注意点を紹介

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【親子間の不動産売買】メリットや注意点を紹介

親子間売買は一般的な不動産売買とは異なる点が多いため、手続きや税金の違いがわからず、損をしたり失敗したりするおそれがあります。

不動産の親子間売買について、概要とメリット、手続きや税金面での注意点などを詳しく解説します。

親子間売買とは?どんなメリットがある?

不動産の親子間売買が行われる背景には、さまざまな理由や事情があります。ここでは親子間売買の定義、行われる主な理由と、親子間売買のメリットについて解説します。

親子間売買とは?

不動産の親族間売買の中でも、親子間で売買することを「親子間売買」と呼びます。

親から子へ不動産の名義が移行するケースとしては、相続と贈与、売却の3つがありますが、通常は相続か贈与が選択されるため、売却は特殊なケースといえます。

たとえば、親か子のどちらかにまとまった資金が必要になるケースでは売却が選択されやすいでしょう。売却を考えた際に、親子なら融通を利かせてもらえると考えるためです。

親から子へ売却するケース

親から子への売却を検討する主な理由には、以下のようなものがあります。

  • 住宅ローン支払い負担の軽減
  • 生活資金の確保
  • 相続対策
  • 施設入居資金の確保
  • 任意売却や競売の回避

売却理由として多いのは親子間売買のあと、元の所有者がそのまま住み続ける「リースバック」の形態を取り、親が事実上賃貸で借りるケースです。

親が施設に入るための費用を捻出するための売却や、のちに相続で揉めないよう、子どもに売却してできた現金を、子どもたちへ分与するというケースもよくあります。

また、自宅を担保に事業資金の借入をしていた人が、経営に行き詰まり、自宅を手放したくないケースや資産を子へ売却し現金化することで生活資金を確保するケースもあります。

子から親へ売却するケース

子から親へ売却する場合の主な理由は以下のとおりです。

  • 住宅ローン支払い負担の軽減
  • 自宅の競売の回避
  • 親の相続に関する節税のため

親が子の家を買うパターンで多いのは、子の住宅ローンの返済が困難になったために親が買い取るケースです。子の転勤で空いた家を、親が買い取るケースもあります。

親から子へ売却するの事例と同様に、事業の資金繰り悪化による売却は、子から親に売却するケースでもよくあります。「担保の自宅を手放したくない」「子どもを転校させたくない」などで、親に買い取りを依頼するのです。

また、親が自身の相続税額を減らすために、子の不動産を買うケースも見受けられます。現金資産を減らし、相続税の評価額が低い不動産に替えるという節税法ですが、親子間では難易度が高くなり、かなりの税務知識を必要とする手法です。

子が親へ売却するケースでは、親にある程度の資金力があるのが一般的です。

親子間売買のメリット

親から子・子から親の両方を踏まえて、親子間売買のメリットには以下のようなものがあります。

  • 契約交渉がスムーズ
  • 仲介手数料が不要
  • 相続対策ができる
  • 節税になる
  • 相場よりも低い価格で取得できる
  • 親のローンを子が、子のローンを親が肩代わりできる
  • 元の家に住める(行き来できる)

一般的な住み替えでは、家が売れるまでに3〜6カ月ほどかかりますが、親子間なら確実に売却でき、条件交渉もスムーズです。市場では不人気な条件でも、家族なら購入してもらえる可能性が高いでしょう。内見の手間が要らないことも、親子間売買のメリットです。

親子間売買では、不動産会社への仲介手数料や、各種手続きの依頼費用を削減することも可能です。


また、不動産は分割できない実物資産のため、相続で揉めがちですが、生前に売却して現金化すれば、納得のいく財産分与が可能です。さらに、贈与よりも不動産売買のほうが一般に税負担が軽いことから、節税にもなります。

買い手側は、周辺相場よりも低い価格で家を購入できることも、親子間売買のメリットです。売り手側は、ローン物件を売却することで借入がなくなり、返済比率がリセットされるため、新たなローンを組みやすくなることもメリットです。

親子間売買の注意点

親子間売買には多くのメリットがある一方で、トラブルや注意すべきポイントも多くあります。ここでは、実際の親子間売買でトラブルや失敗の起こりやすい注意点を解説します。

住宅ローンが組めない場合がある

親子間売買では、一般に住宅ローンを利用しにくく、金融機関によっては親子間売買のローンを受け付けていないところもあります。

取引相手が身内の場合、金融機関は資金の別目的への流用や、借金の付け替えを疑われ、審査基準が厳しくなるのです。住宅ローンは居住用住宅を取得する目的であることを条件に、低金利で提供するローンのため、事業資金などに流用されるおそれがあると、審査に通りません。

そのため親子間では、金利の高いほかのローンでも返済できるかどうか、検討してから売買契約を行うことが大切です。不動産担保ローンなどの別の選択肢も含め、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

贈与税が発生する場合がある

身内だからといって、相場よりも極端に低い価格で取引をすると、贈与税の課税対象となる場合があります。税務署から、贈与税を免れるための「みなし贈与」と判断されれば、贈与税が課されるおそれがあります。

みなし贈与とは近しい者同士などで、著しく低い価格で譲渡することです。みなし贈与が設けられている理由は、親族間の低額譲渡を相続税の抜け道に使われないためであり、当事者側に贈与の意思があるかないかは問われません。

仮に売却価格の相場が5,000万円にもかかわらず3,000万円で売却した場合、2,000万円がみなし贈与と判断されるおそれがあります。その場合は、585万5,000円の贈与税が発生する計算です(親から子への特例贈与)。

贈与税の課税対象とならないためには、実勢価格に基づく「適正価格」での売買を行う必要があります。しかし適正価格について税法上の定めはありません。

一般的に適正価格は「固定資産評価証明書」上の評価額や、国税庁の「路線価」を基準に算出しますが、それでも適性と判断される保証はありません。設定した価格が適正かどうかを知るためには、直近の不動産取引価格を把握している不動産会社に相談するのがベストです。

税制上の優遇措置が適用されない可能性が高い

一般的な不動産売買に適用される税制上の優遇措置が、親子間売買では受けられないおそれがあります。とくに以下の控除や特例は適用外となります。

  • 3,000万円特別控除(マイホームを売ったときの特例)
  • 所有期間10年超の軽減税率の特例(マイホームを売ったときの軽減税率の特例)
  • 買い換え特例(マイホームを売ったときの軽減税率の特例)

上記の特例には「親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと」という要件があるため、親子間売買では適用を受けられません。税金の支払い負担が大きくなると、納税のタイミングで現金の支払いが難しくなるかもしれません。

不動産の売買にはさまざまな税金がかかり、物件の評価額に応じて支払う金額も大きくなります。自分のケースで使える税制上の優遇措置があるのか、どの税金がどれだけかかるのか、専門家のアドバイスのもと、あらかじめ試算しておくと安心です。

国税庁「マイホームを売ったときの特例
国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例
国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例

売却物件の住宅ローンの一括返済を迫られる場合がある

親子間売買に限らず、住宅ローンの残債があり抵当権を設定している物件を売却してしまうと、ローンの一括返済を求められることがあります。

住宅ローンを完済していない不動産は、融資機関との契約上、譲渡(売買)が禁止されており、抵当権を外さないと売却自体ができません。通常の不動産売買では周知されていますが、親子間売買では業者や専門家を通さずに手続きを行って、知らずに売買契約をしてしまうケースもあります。

もし抵当権を外さずに物件を売却してしまうと、相手はいつ競売にかけられてもおかしくない物件を購入したことになってしまいます。

もし親子間売買の売却代金で一括返済ができるなら、売却とローン完済とを同時進行で行うことで残債があっても売却が可能です。ローン残債を完済できるかどうかは、売却価格にかかっているため、適正価格を把握する意味でも、物件の査定を受けることをおすすめします。


のちに親族間でトラブルになるおそれがある

親子間売買を行うと資産や相続に関して、のちに親族とトラブルになるおそれがあります。

よくあるケースとして挙げられるのは、親族から売買取引を装った生前贈与を疑われたり、当事者が亡くなってから財産分与で揉めたりすることです。相続や贈与のトラブルよりも事例や情報が少ないため、対処に難儀するかもしれません。

親族間で揉めたときに、正式な契約書類や所有権の証明がなければ、親族それぞれが家の権利を主張する可能性があります。トラブルの泥沼化を防ぐためにも、口約束のような簡易な契約を避け、取引の条件や内容に関する正式な書類を残しておくことが重要です。

司法書士や不動産仲介業者のサポートがあれば、法的根拠のある売買契約書や登記関係の権利書類を、正式な形で整えることが可能です。

親子間売買で必要な費用や税金

親子間売買でかかる費用と税金について解説します。

不動産売買にはさまざまな税金がかかります。しかし中には税金が発生しないケースもあるため、自分のケースではどの税金がどれだけかかるのか、個別に専門家へ相談することをおすすめします。

売主にかかる費用と税金

売主にかかる費用と税金は以下のとおりです。

売る主にかかる費用と税金
必要な費用と税金 概要
印紙代 売買契約書に貼付する印紙 
※売買金額により金額が異なる
抵当権抹消費用 住宅ローンがある場合に必要
不動産1件につき1,000円の登録免許税
※土地・建物それぞれに必要
譲渡所得税 譲渡益にかかる税金
※税率は所有期間5年以内で約39%、5年超で約20%
証明書発行手数料 住民票・印鑑証明書などの取得費用
住宅ローン一括返済手数料 住宅ローンの一括返済時にかかる手数料

売買契約書は売主・買主の両方で2通作成し、収入印紙も両方に必要です。

譲渡所得税とは、家を購入時の価格よりも高く売却できた場合に、譲渡益(売却差益)に対してかかる税金のことです。物件の所有期間により税率が異なり、所有期間5年以内で約39%、5年超で約20%です。

親子間売買の場合は低価で売却する例が多く、実際には差益がないケースがほとんどです。とはいえ、物件を適正価格で譲渡した結果、差益が生じる可能性もあり、課税対象となった場合は、売買の翌年に納税する必要があります。

国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

売主には譲渡所得税のほか、転居する場合は登記上の住所変更に関わる登録免許税が発生します。土地と建物に対し、それぞれに1,000円ずつかかるため、合計2,000円が必要です。

売主にかかる税金以外の諸費用としては、住民票などの証明書類発行手数料や、元の家の住宅ローン一括返済時にかかる手数料などが挙げられます。

買主にかかる費用と税金

買主にかかる費用と税金を見てみましょう。一般的に売主よりも多くの費用がかかります。

買主にかかる費用と税金
必要な費用と税金 概要
印紙代 売買契約書に貼付する印紙
※ローンを組む場合は、金銭消費賃貸契約書にも貼付が必要(融資額に応じた金額)
登記費用・登録免許税 所有権移転の登録免許税
司法書士の依頼費用
不動産取得税 不動産取得時にかかる税金
※不動産の価格や種類、用途により異なる
消費税 建物のみにかかる
証明書発行手数料 住民票・印鑑証明書などの取得費用
抵当権設定の登記費用 ※ローンを組む場合の抵当権設定のため
住宅ローン手数料 ※ローンを組む場合の借入にかかる手数料

買主には所有権移転登記が必要となり、登録免許税がかかります。登録免許税は以下の方法で計算します。

  • 土地:固定資産税評価額の1.5%(2026年3月31日までの軽減税率)
  • 建物:固定資産税評価額の0.3%(2024年3月31日までの軽減税率)

たとえば、固定資産税評価額が土地1,300万円、建物200万円だとすると、軽減税率を加味した登録免許税の合計は20万1,000円です。(土地19万5,000円+建物6,000円)

なお、所有権移転登記にともなう司法書士の依頼料は、数万〜5万円程度が目安です。手続きを自分で行うこともできますが、多大な時間と手間がかかり、専門知識も必要なため、司法書士に依頼するのが一般的です。

不動産を購入したときには、不動産取得税も必要です。不動産取得税も、不動産の「固定資産税評価額」に基づいて計算します。

  • 土地:固定資産税評価額の2分の1×3%
  • 建物:固定資産税評価額の3%

取得した住宅が床面積・用途・耐震基準などの要件を満たした場合に、建物の評価額から控除を受けられるケースもあります。ただし都道府県により計算方法が異なる場合もあるため、個別に確認が必要です。

税金以外の諸費用として発生するのは、各種証明書類の取得費用や、住宅ローンを組む場合の抵当権設定費用、借入手数料などです。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 リビンマッチ編集部

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