不動産売却後に税務署から届くお尋ねって何?対処方法をわかりやすく紹介
不動産を売却した後に税務署から「お尋ね」が届く場合があります。
税務署からの確認ということですが、いざ自宅に届くと心配になってしまいます。今回は、お尋ねとは何なのか。また届いた場合の対処方法について解説します。
この記事の監修者
田島 美佳(タジマ ミカ)田島美佳税理士事務所
平成31年2月 税理士登録
令和2年1月 田島美佳税理士事務所 開業 (東京都中央区)
- 【活動実績】
- 不動産鑑定士実務修習講義、税務講師担当、ハウスメーカー主催、相続税セミナー講師、不動産会社主催、税制改正・民法改正セミナー講師、企業向け税金勉強会の開催・講師
- 【業務内容】
- 個人、法人に関する業務、企業のスタートアップ支援、会計、税務申告、財務分析、資産税に関する業務、生前対策、遺言書作成に関する税金面からのコンサルティング、相続税申告書作成
※社労士、司法書士、弁護士、測量士等、他士業との連携を行いスムーズな問題解決を行っております。
会社ホームページ:田島美佳税理士事務所
もくじ
お尋ねとは
「お尋ね」というと、一般的には悪い意味で使用されることが多いです。「お尋ね者」という言葉は警察が追いかけている容疑者のことを指します。
しかし、不動産においていえば、そのような悪い意味ではなく、税務署からの「確認」という意味合いが強いです。具体的には不動産の買い入れ価格の申告などにおいて税務署が内容確認するために送る文書のことをいいます。
税務調査と似ていますが、税務調査は法的に解答義務がありますが、お尋ねには解答義務はありません。
不動産売却後は税務署からお尋ねが届く?
税務署からのお尋ねは不動産売却後、必ず届くわけではありませんが、稀に届きます。
なぜお尋ねが届くのか、またお尋ねが届く時期や回答義務があるのかといったことを解説していきます。
届く理由
不動産売却後、税務署からお尋ねが届く理由は、ちゃんと税金を納めているか確認するためです。不動産を売却すると、その利益額に応じて譲渡所得税を納めなければなりません。
譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
会社員の場合、毎年の所得税や住民税は、会社が源泉徴収して代わりに収めてくれているため、確定申告について無縁という方も多いでしょう。
一方、不動産の売却は個人での手続きであり、会社とは無関係です。よって、納める税金については自分で計算して手続きをする必要があります。
不動産を売却して利益が出ると、その利益額に応じて税金を納める必要がありますが、利益が出ていない場合には税金を納める必要はありません。
利益が出ていない場合は、確定申告する必要はないのですが、税務署側からすると「利益が出なかったから確定申告をしなかったのか」、「利益があったけど確定申告しなかったのか」がわかりません。
こうしたことから、悪いことをしていないのにお尋ねがくる場合もあります。余計なトラブルを避けるためにも、不動産を売却して利益がある場合でも、損失がある場合でも確定申告すると考えるのがおすすめです。
届く時期
不動産売却後、税務署からお尋ねが届く時期については特に決まりはありません。不動産売却から数カ月後のこともあれば、1年後のこともあるようです。
なお、お尋ねは、確定申告する必要があるのにも関わらず確定申告していない人をターゲットにすることが多く、このため、売却の翌年の確定申告期限(一般的には3月15日)より後に届くことが多いといえるでしょう。
ちなみに、税務署がどのように不動産の売却を知るかについては、登記の移転から情報を得ている可能性が高いようです。よって、不動産の売却をしたという事実は、税務署に把握されていると考えていた方がよいでしょう。
回答義務
先述しましたが税務署から届くお尋ねは、法的な書面ではないため、回答しなかったからといって何らかの罰則が課されるわけではありません。とはいえ、お尋ねに回答しなかった場合、怪しいと判断されて、後々税務調査入られるおそれがあります。
お尋ねが届いた場合は、速やかに対応することが大切です。
お尋ねが届くケースとは
不動産売却時、税務署からお尋ねがある理由については、納税の必要があるのに確定申告をしていないことを疑われていることが多いでしょう。ここでは、お尋ねが届くケースについて、解説します。
利益が出たのに確定申告をしていない
不動産を売却して利益が出ていたのにも関わらず、確定申告していなかったケースです。この場合、速やかにお尋ねに対処して、正しい内容で確定申告手続きを済ませる必要があります。
なお、確定申告する必要があったのにも関わらず、確定申告していなかった場合、ペナルティとして本来支払うべき税金以外に無申告加算税や延滞税が課される点に注意が必要です。
期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
税金が定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
利益が出ていない
不動産を売却して利益ではなく損失が出ていたケースです。この場合、確定申告の義務はありません。
しかし、税務署側からすると、確定申告していないため、利益があるのかないのかがわかりません。要らぬ疑問を払拭するためにも、しっかりお尋ねに対して回答するとよいでしょう。
返答義務やペナルティについて下記表にまとめます。
返答義務 | ペナルティ | |
---|---|---|
確定申告漏れ(利益有) | 無 | 加算税や延滞税が課せられる |
確定申告漏れ(利益無) | 無 | 無 |
お尋ねの対処法
不動産売却時、税務署からお尋ねがあった場合は、回答しなくとも法的には問題ありません。
とはいえ、わざわざお尋ねをしているのに、回答していないということは、何かやましいことがあると勘ぐられても仕方ありません。
間違いのない回答をするためにも、契約書や領収書、預金通帳などしっかり書類を用意しておくのがおすすめです。
無視するとどうなるか
税務署からお尋ねを無視したからといって、何らかの罰則があるわけではありません。
しかし、実際に確定申告する必要があるのにも関わらず、確定申告していなかったケースでは注意が必要です。お尋ねのタイミングでは法的罰則はありませんが、すでに申告漏れという違反をしていることになります。
後々、税務署からの税務調査のタイミングで、申告漏れがばれた場合には、遅れた日数分の無申告加算税や延滞税が、本来必要な税金とは別に課税されてしまいます。
追加課税される場合はあるのか
税務署からのお尋ねのタイミングで、追加課税される可能性があるケースとしては、お尋ねのタイミングで、必要な確定申告をしていなかったケースや、実際の確定申告額より少ない額で確定申告していたようなケースが考えられます。
お尋ね自体に何らかの法的意味があるわけではありませんが、申告漏れや過少申告がわかった場合には、その分について税金が課されるというわけです。いずれにせよ、お尋ね自体には何らかの法的拘束力があるわけではありませんが、真摯に対応するのがおすすめです。
まとめ
不動産売却後の税務署からのお尋ねについてお伝えしました。
税務署からお尋ねがあると、何か悪いことをしてしまったのではないかと不安に感じてしまうという方もいらっしゃるでしょう。
しっかりと確定申告している方や、確定申告する必要がなかったという方は、お尋ねに対してきちんと対応すれば特に問題はありません。
一方、申告する必要があるのに申告していなかった方や、過少申告したという方は、納税が遅れれば遅れるほどペナルティが大きくなってしまいます。お尋ねの時点ですぐに対応することをおすすめします。
監修者からのコメント
不動産を売却した後に税務署から「お尋ね」が届く場合があります。これは、税務署が売却に関する申告内容や取引の詳細について確認したいときに発行される文書です。
主な目的は、申告内容が正確であるかどうかを確認し、不正や漏れがないかを検証することです。このため、「お尋ね」が届いた際には、指示された書類や情報を速やかに提供し、疑問点があれば税務署に確認することが重要です。田島美佳税理士事務所
所長名:田島 美佳(タジマ ミカ)
保有資格:税理士
平成31年2月 税理士登録
令和2年1月 田島美佳税理士事務所 開業(東京都中央区)
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- 不動産鑑定士実務修習講義 税務講師担当
- ハウスメーカー主催 相続税セミナー講師
- 不動産会社主催 制改正・民法改正セミナー講師
- 企業向け 税金勉強会の開催・講師
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- 個人、法人に関する業務
企業のスタートアップ支援、会計、税務申告、財務分析 - 資産税に関する業務
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