リロケーションはもうかる?賃貸の収支計算と税金について
転勤や長期の出張で、せっかく購入した不動産を持て余すことがあります。月々のローン支払いは続くので場合によっては売却も考えなくてはいけませんが、戻ってきたらまた住みたいという気持ちから、売却はしたくない方もいるでしょう。 そんな時、一時的に不動産を貸し出して運用できるのがリロケーションです。実際、リロケーションでの運用をすると収支はどのようになるのでしょうか。ここでは、リロケーションとお金(利益)について見ていきます。
もくじ
リロケーションでの運用における利益の基本的な考え方
まずはリロケーションでの利益計算について簡単にご紹介します。リロケーションでの収入は入居者から貰えるお金です。一方で支出は、物件を所有していることでかかるお金や管理会社への報酬などいろいろな費用の合計です。税金が発生する場合にはこれも計算に含めて、以下のような式で考えることができます。
利益をどのくらいプラスにできるか、もしくは損失をどのくらい小さくできるのかというのがリロケーションでは大切です。それでは、以下で収支・税金について詳しく見ていきましょう。
リロケーションでの収入
リロケーションでの収入は家賃など入居者から受け取るお金です。原則としてその他の収入はないので、比較的シンプルに考えることができます。
家賃収入
リロケーションで不動産を賃貸にする場合、2年~4年程度の期間を決めて「定期借家」という形で貸し出します。入居者には一定期間で退去してもらうため、相場より安い家賃で貸し出すことになります。家賃を試算する時は、周辺の家賃相場の70~90%で計算するとおおよその収入を把握できるでしょう。
実際の金額決定に関しては管理会社との協議で決めていきます。あまり高い金額を設定して入居者が集まらないという空室リスクについては考えなくてはいけませんが、最終的には自分の意向も反映されるので勝手に安い金額で貸し出されるということはないでしょう。
敷金・礼金・更新料
入居者が決まると賃貸契約を交わすので、敷金・礼金についてはどうなるのでしょうか。まず、敷金は預り金なので、退去時の修繕費と相殺して残額を返済します。従ってオーナーの収入にはなりません。一方で、礼金や更新料は家賃の1カ月分ほど、収入となることがあります。ただし、そもそも礼金を取らないことや管理会社への報酬とすること、もしくは地域性などによって手にできないことも多いので、確認しておいた方がいいでしょう。
リロケーションでの支出
支出については少し複雑です。ここでは支出の内訳について基本的なものを確認していきましょう。
管理会社への支出
リロケーションでは管理会社に物件や入居者など多くのことを管理してもらうことになります。何を委託するのかによっても違いますので、一般的に生じる管理会社への手数料を見ていきます。
以下は管理会社への委託(手数料)の例です。
- 入居者の募集
- 家賃回収やクレーム対応
- 退去対応
- 契約更新にかかる事務手数料
広告出稿や内覧対応など、入居者募集のさまざまな業務に対してはおよそ家賃一カ月分の報酬を支払います。また、入居が決まった後は家賃の回収や巡回、クレーム対応などまとめて委託していくことになりますが、こちらは毎月、家賃の5%程度を支払っていきます。細かな費用をすべて把握するのは大変かもしれません。一時的な支出と継続的に発生する支出の合計で年間支出を概算するといいでしょう。
なお、管理会社への報酬・手数料は、委託先の会社によって違います。いくつかの会社に相談して、自分に合った会社を選びましょう。
不動産維持にかかる費用
不動産を所有していることで生じる費用についても考えなくてはいけません。
以下は不動産所有でかかる費用の例です。
- 住宅ローンの利息
- 火災保険や地震保険などの保険料
- 修繕費
住宅ローンを借りているので、月々支払う利息を計算に含める必要があります。また、任意のものもありますが、万一に備えて加入している保険の費用も計算しましょう。マンションなどの場合には、何もなくても修繕費を積み立てていることもあるので、こちらも費用として勘案しましょう。
リロケーションに関する税金
リロケーションでは税金についての理解も大切です。場合によっては生じない税金もありますが、見ていきましょう。
不動産をもっていることで生じる税金
固定資産税、都市計画税は所有者が支払う税金です。毎年1月1日時点での所有者に納税通知書が届くので、リロケーションの有無によらず納めなくてはいけません。課税標準額(評価額)にもよりますが、居住用に購入した不動産の場合は年間で10万円前後が目安になると考えておくといいでしょう。
利益があると支払う税金
不動産収入を得ている場合には、利益に対して所得税・住民税がかかります。不動産所得にかかる税金だけを把握したい場合があるかもしれませんが、リロケーションでは原則として給与所得と不動産所得を合算し、必要経費や控除などを差し引いて計算を行います。このため、不動産収入に対する税金の把握については前年度との比較などで概算するといいでしょう。
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