賃貸の管理手数料相場と管理手数料に含まれないものを紹介
マンションやアパートの一室、もしくは一棟を所有して賃貸経営をする多くのオーナーは管理会社に賃貸管理を委託しています。
当然、賃貸管理には手数料が発生しますが、相場はどのくらいなのでしょうか。また、賃貸管理といっても、その内容は管理会社ごとに異なるため、自身に合った管理会社、管理内容を選択する必要があります。
賃貸管理の手数料相場と、管理会社の選び方について解説します。なお、賃貸管理の手数料を、ここでは「管理手数料」という言葉で紹介します。
もくじ
管理手数料の相場
管理手数料は、どのくらいが相場なのでしょうか。また、保有している物件の立地やエリアによって相場は変わるのでしょうか。
管理手数料は家賃の3~10%が相場
賃貸経営の管理手数料は、一般的に家賃の3〜10%が相場です。
たとえば、家賃が5万円であれば、管理手数料は1,500〜5,000円となりますが、都心では管理手数料は安くなり、郊外では高くなる傾向にあります。これは都心のほうが利回りが低くなる傾向にあるのと、都心の入居付けが郊外に比べると容易で、業務の圧縮につながるからです。
ただし、郊外であっても都心へのアクセスがよいエリアでは、管理手数料が安くなるケースもあります。このように、管理手数料の相場は周辺環境や立地などによっても左右されるといえるでしょう。
管理手数料に含まれる内容を理解しよう
賃貸管理には一定の定義はなく、管理会社によって管理内容は異なります。
たとえば、同じ管理手数料であっても、家賃回収業務だけのケースもあれば、家賃回収+契約や更新の代行まで行うケースもあります。管理手数料が相場より安い会社の場合、管理項目が極端に少ない可能性があるため、注意が必要です。
このように、管理手数料というコストを支払うことで得られるメリットを、正しく把握することが重要です。
コストと委託するメリットとのバランスも重要
管理手数料と管理項目の確認は費用対効果という点で非常に重要ですが、含まれる管理項目が多ければ多いほどよい、というわけではありません。
作業工数がかからない項目については自分で実施したほうが安くなり、その分管理手数料の値下げを交渉できるからです。たとえば、更新契約書の作成などは、一度作成してしまえば使いまわせることが多いでしょう。
ただし、細かい作業をしたくない場合や法改正の対応に自信がないオーナーであれば、軽微な作業であっても管理会社に委託することがおすすめです。
このように、支払うコストと依頼する管理内容のバランスを見ておくことで、賃貸経営を成功させられるでしょう。
管理手数料に含まれないもの
管理手数料に含まれない項目も理解しておく必要があります。含まれないものに関してはオーナーが対応する必要があります。
また、管理手数料に含まれない項目について、どのくらいの管理工数と費用がかかるのかについても、あらかじめ知っておきましょう。
賃貸借契約の更新業務
賃貸借契約の更新業務は作業工数が少ない割に責任負担が多いため、管理会社に任せると家賃×0.5カ月分を別途費用として請求されるのが一般的です。
ただし、この項目は仲介業務となるため、管理会社は借主からも支払いを受けることができます。そのため、更新業務にかかる費用を借主に請求する契約内容にすることで、オーナーの費用負担を回避できます。
このように、別途費用となる管理項目については、管理工数と費用を削減できる方法を十分に検証することが重要です。
室内の原状回復・維持費用
退去があった場合に部屋を原状回復する費用や、水回りや建具の修繕などの維持管理費用は都度見積もりを取る必要があり、予測することは難しいです。
とくに、水回りの故障は生活に直結してしまうため緊急の対応が必要であり、費用負担も増加してしまうでしょう。このような管理項目は突発の費用を増大させる要因にもなり、その結果、計画どおりに収益をあげられないリスクを抱えてしまいます。
そのため、なるべく計画どおりに収益を得るためにも、突発でかかる管理項目と費用は事前に知っておくことが重要です。
建物の維持管理費用
維持管理をするのは、室内だけではありません。エレベーターや廊下部分の照明の点検や故障対応、庭や駐車場の草むしりなど、入居者が快適に暮らしてもらうためには細かい手入れが必要です。
常に満室状態を維持するためにも、建物維持管理の工数と費用は必要といえるでしょう。これらの管理項目を管理会社に依頼することもできますが、管理手数料とは別途費用となるケースも多いです。
このことからも、管理会社に依頼をする際には、管理手数料に含まれる項目だけでなく、ほかの管理項目の内容と費用についても確認する必要があります。
管理会社はどのように選ぶべきか
賃貸経営を成功させるためには、賃貸管理のプロである管理会社の協力が不可欠です。しかし、多くの管理会社から依頼する会社を選ぶためには、管理会社を見極めるポイントを知っておく必要があります。
管理会社を選ぶポイントを3つ解説します。
- 管理手数料だけで選ばない
- 管理実績は重要
- 複数の管理会社に相談する
管理手数料だけで選ばない
管理手数料の安さだけで管理会社を決めることは、結果的に管理工数や費用が増加するリスクがあるといえるでしょう。
そのため、管理手数料だけでなく、管理項目やほかの管理を依頼した際の費用についても把握し、最適な管理手数料であるかを検証することが重要です。最適な管理手数料を理解するためには、複数の管理会社に相談し、比較検討することが必須です。
管理実績は重要
管理会社は個人経営から大手までさまざまですが、会社の規模に関わらず管理実績数が重要です。
賃貸管理業務は月々の安定収入と引き換えに、住民のトラブルやクレームに対応する必要があり、管理実績が多ければノウハウが蓄積されます。そして、ノウハウが多い管理会社に依頼することで、オーナーとしてイメージしづらいトラブルにも事前に対処ができ、結果的に安定した賃貸経営ができます。
このような理由から、管理会社を選ぶ際には事前にホームページなどで管理実績数を調べましょう。
複数の管理会社に相談する
管理手数料と管理項目のバランスは重要ですが、具体的にどのような管理を依頼すればよいのか、判断に迷うオーナーも多いでしょう。
そこで、なるべく多くの管理会社に相談し、管理に関する知識を増やしましょう。賃貸管理に関する知識を増やすことで、管理会社に任せる項目を最適化できます。
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大手住宅メーカーの注文住宅販売や不動産テック企業の仲介業務に4年間携わり、不動産取引にかかわった件数は350件以上にわたります。2021年よりリビンマッチコラムの執筆・編集を担しています。皆さんが安心して不動産取引を行えるよう、わかりやすくリアルな情報を発信します。
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