アパート経営・マンション経営でのゴミ問題と対処法
アパート経営・マンション経営をうまく行っていくには、アクセスの良い立地かどうかや、設備が整っているかどうかということも大事ですが、ゴミ置き場がきちんと管理されているかどうかということも重要です。
もくじ
アパート経営・マンション経営におけるゴミ問題の概要
ゴミ問題には「ゴミ置き場の問題」と「共用部分のゴミ問題」の2つがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.ゴミ置き場の問題
まずはゴミ置き場の問題についてご紹介します。アパート経営・マンション経営におけるゴミ置き場問題は、
- ゴミの日でないのにゴミが置かれている
- 燃えるゴミの日に燃えないゴミが置いてある
- 粗大ごみがある
- カラスや猫などにゴミが荒らされる
- いつもゴミ置き場が汚い
などアパート・マンションのゴミ置き場におけるさまざまな問題のことを指します。
とにかく見た目が悪く、ゴミ置き場がきちんと管理されていないということは、その建物自体の価値を落としてしまうことにもなりかねません。また、ゴミをきっかけに入居者や近隣住民などのトラブルを招いてしまうこともあり、野放しにはできない問題です。
ゴミ置き場の種類
アパートやマンションに設置するゴミ置き場には、いろいろな種類があります。種類によって起こる問題も違うので、確認していきましょう。
路上型のゴミ置き場
地域で決められた場所をゴミ置き場としている場合で、特に囲いなどがなく道路上などに設けられているタイプです。カラスや猫に荒らされる可能性が高く、ゴミの出し遅れによって回収されなかった場合、そのまま放置される可能性もあります。費用がかからないメリットはありますが、管理や衛生上の問題が発生するデメリットがあります。
開放型のゴミ置き場
コンクリートやレンガできちんと囲いを作ってゴミ置き場を作っているタイプです。ゴミ置き場としては確立していますが、起こりうる問題は路上型とほとんど変わりません。
密閉型のゴミ置き場
密閉できる箱型の置き場を設置するタイプです。中身も見えず密閉性も高いため、プライバシーの配慮や悪臭問題にも効果的です。カラスや猫の被害にも有効です。設置のコストは多少かかりますが、管理や衛生上の問題は比較的少なくなります。
特にこうしなければいけないという決まりはありませんが、アパート経営・マンション経営をしていくならゴミ置き場もきちんと整ったものにしておくことが必要です。
2.共用部分のゴミ問題
次に共用部分のゴミ問題についてご紹介します。共用部分の問題に関しては他の入居者の迷惑になるだけでなく、安全面においても問題があるので、見ていきましょう。
ゴミを勝手に処分できない
たとえ廊下に置かれたものでも、勝手に捨てることができません。もし捨ててしまうと、所有権の侵害にあたる可能性があります。
避難経路を塞いでしまう
法律上はベランダも共用部分とされており、避難経路として重要な役割があります。もし廊下やベランダがゴミで覆い尽くされていると、火災が発生した時に避難を妨げる、などといった深刻な問題を招きかねません。
可燃物があると放火される危険がある
誰でも立ち入ることができる共用部分に可燃物があると、放火される危険があります。愉快犯は何もない場合より、燃えやすい場所を好む傾向があるので、気をつけなくてはいけません。
ゴミがあることでゴミが捨てられやすくなる
誰かが捨てていると心理的なハードルが下がり、追加でゴミを捨てやすくなってしまいます。「ゴミがゴミを呼ぶ」状態を避けるためにも、根本的な問題解決が必要です。
アパート経営・マンション経営におけるゴミ問題の対処法
1.ゴミ置き場の問題の具体的な対策
ゴミ問題の具体的な対策をご紹介します。順見に見ていきましょう。
防犯カメラの設置
不法投棄やゴミによる深刻なトラブルを防止するには、防犯カメラで対処する方法があります。カメラの映像があれば、誰がやったのか特定できるだけでなく、場合によっては入居者以外の人が行っていても、警察へ届け出るなど対処することができます。また防犯カメラがあることで後で誰の仕業か特定されたくないという心理が働き、問題を未然に防ぐ効果も期待できます。
鍵の設置
密閉型のゴミ置き場では、入居者専用の鍵を取り付ける方法があります。これにより、入居者以外の不法投棄を防ぐことができます。さらに違反があれば入居者である可能性が高いので、問題があればアナウンスすることで意識の改善を図りやすくなります。
センサーライトの設置
夜中の不法投棄対策に、センサーライトで照らす方法も考えられます。明るく照らすことで入居者や近隣住民が不法投棄を見つけやすくなります。捨てる人もバレたくないという気持ちがあるので、一定の抑制効果が期待できます。また、入居者が普段ゴミを捨てる時には手元が見やすくなるという利点もあります。
清掃用水道の設置
清掃用水道などを使ってゴミ置き場を常にきれいに保つ方法があります。一般に他の人が無造作にゴミを捨てていると、美化意識が低くなってしまいます。掃除をしやすくするという意味でも、清掃に関する設備を置くことも有効かもしれません。
2.共用部分のゴミ問題の具体的な対策
続いて、共用部分のゴミ問題の対策をご紹介します。共用部分の問題は入居者によるものが多いので、個人に対する対策が有効かもしれません。
チラシの投函で注意喚起
入居者のマナー改善を促す方法があります。シンプルなやり方ですが、ゴミや私物を共用部分においている人は無自覚なこともあるので、一定の効果が見込めます。
内容証明郵便の送付
問題が深刻な時は、法的な効力をもつ内容証明郵便が効果的です。後のトラブルに備えておく意味でも、内容証明を送って様子をみてみると良いでしょう。
(参考)ゴミ屋敷の問題
共用部分に関連して、一室がゴミ屋敷と化している場合についてご紹介します。ゴミ屋敷の問題点は、すぐに強制退去させられないことにあります。平成10年の東京地裁の判例で、ゴミの状態が不潔でも即時退去はできないとされました。ベランダや廊下のような共用部分までゴミで覆い尽くされている場合は危険なので、行政に相談するなど早めの対処が必要です。
ゴミ問題全体における対策
最後に、ゴミ置き場・共用部分に共通してできる対策をご紹介します。
張り紙
目立つ場所に張り紙をする方法があります。コストがかからない対策なので、手始めに使える方法でしょう。ちなみに、最近はSNSの発達もあり、ユニークな張り紙が話題になることもあります。
管理会社を使う
アパート経営・マンション経営でオーナーが自主管理している場合、ゴミの問題があっても大家さん自身が対処しなくてはいけません。管理会社は多数の物件を扱う管理のプロなので、清掃においてもノウハウを持っています。すべてを任せたくはない場合でも、清掃作業など一部を管理会社に委託することもできるので、検討してみても良いかもしれません。
管理会社を変更する
清掃作業を管理会社に委託しているのにゴミ問題があるなら、管理会社に問い合わせる必要があります。管理会社の対応が良くなければ、他の会社に変更することも考えた方がいいかもしれません。
ゴミ問題が解決することで期待できる効果
賃貸経営への好影響
アパート経営・マンション経営においてゴミ問題を解決することのメリットは、管理が行き届いている物件だと判断してもらえることにあります。管理が行き届いている物件には入居者が集まりやすくなり、入居者が集まれば空室率は下がります。ゴミ問題の解決で、結果的にアパート経営・マンション経営における収益性向上が期待できます。
入居者にとっても自分の住んでいるアパート・マンションがきれいに保たれていれば、生活しやすくなります。近隣住民にとっても周辺の印象が良くなるので、ゴミ問題の解決は、地域への貢献になると考えることもできます。
(りびんまっちこらむへんしゅうぶ)
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