アパート経営・マンション経営の利益率はどれくらいか
アパート経営・マンション経営で最も気になることといえば、もちろん家賃収入ですよね。
ですが家賃収入が入ったところで、手元に残る利益が想定と大きく違っていたら、人生設計も変わってきてしまうかもしれません。
今回はアパート経営・マンション経営の利益率についてご紹介します。
目安となる「表面利回り」
不動産サイトで物件を見てみると、大抵は「利回り」が表示されています。
「高利回り!●●%!」など、高い利回りが表示されていると魅力を感じて詳細を確認してしまいますが、「利回り=利益」ではありません。
ここでいう利回りとは、表面利回り(単純利回り)と言われ、計算式は以下のとおりです。
1億円の物件で年間1,000万円の家賃収入の場合は、1,000万円÷1億円×100=10%です。
ちなみに、この数値だけで購入を決意するわけにはいきません。
なぜなら、この表面利回りには、追加すべき計算が何点かあるからです。
まずは経費です。
一般的に年間家賃収入の20~25%が経費になると言われています。
この経費を家賃収入からマイナスする必要があります。
次に空室の可能性です。
表面利回りは満室を前提として算出される数値です。
実際に10部屋中5部屋が空室だとしたら、たとえ利回り10%の物件でも、5%の利回りと同じです。
この空室の可能性を数値にして織り込む必要があります。
この2点だけでも、表面利回りのみで物件選びをすることが困難であることがわかります。
では、この表面利回りは何のために必要なのか?それは物件選びの「目安」です。
実質的な利益を算出するには物件の事情を考慮しなければなりませんが、その事情は人と同じで物件ごとに違います。
そのため、どの物件にも通じる表面利回りが、第一段階の比較検討に使用されるのだと思えば良いでしょう。
現実的な利益に近い利回りを算出するには
では、見当をつけた物件の、より現実的な利益を算出するにはどのような計算方法になるのでしょうか。
それには、まず先に述べた経費と空室の可能性を確認する必要があります。
経費には建物維持のための修繕費や管理費などがあり、家賃収入の20~25%が一般的なので、年間家賃収入からその額を引きます。
これを総投資額で割ったものを「実質利回り」と言います。
さらに空室については、過去の数値や周囲の環境で想定が変わりますが、空室が埋まるまでの月数を想定して空室率を出してみます。
仮に10部屋中4部屋が空室であり、部屋が埋まるのに平均3カ月かかる場合の空室率は以下のとおりです。
この空室率10%と経費(25%と仮定)を表面利回りの計算に組み込むと、
表面利回りに比べると低い数値になりましたが、より現実に近い利益を算出できます。
その他、長期的な計画を立てるために減価償却費を経費に含む「投下資本利益率」などもあります。
魅力を感じる物件が発生したら、そのような具体的な数値も出して見て、さまざまな視点から検討をするべきのようです。
利回りを活用するためにこちらも合わせてご参照ください。
安心できる利益率はどれくらいか
上記の紹介でおわかりいただけるように、物件は人と同じでそれぞれ個性があります。
地域や築年数、周辺環境、空室率、売主の事情などもそれぞれ違い、さらに言えば、買主が希望する収入や返済期間、投資可能金額なども違うので、安心できる利回り・利益率というのも個人によって違うことになるのです。
それでも目安となる概要的な数値が欲しい場合は、物件購入を希望する地域の利回りや空室率などを参考に、独自で割り出して見ると良いでしょう。
例えば東京都心部における利回りはおおよそ6~7%で、空室率は10~20%と表示されている物件が多いなら、そこに実質利回りなどの計算式を組み込んで考えれば良いわけです。
物件の質だけでなく、経営方法によってもこの利回り・利益率は大きく違ってくるはずです。
選定から経営方法まで、より理想の利益をあげられるように研究をしていきたいですね。
(りびんまっちこらむへんしゅうぶ)
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