【解決】任意売却で発生するトラブルと対処法!事前に回避するためのコツも
住宅ローンの滞納が続くと、家が差し押さえられ強制的に競売で売却されてしまいます。競売では安い価格でしか家は売れず、さらに強制的に家を追い出されます。
競売を避ける方法として、住宅ローンが残っている状態でも市場価格で家を売れるのが任意売却です。
競売が開始される前に、任意売却を成功させたいものですが、トラブルが発生するリスクがあります。競売に進んでしまうと手遅れなため、事前の対策が必要です。
本記事では、任意売却で起こるリスクがあるトラブルや予防策を紹介します。
任意売却は悩んでないで即行動!まだ間に合います!
もくじ
任意売却は後戻りできない
任意売却を開始すると、途中で取りやめることができません。万が一トラブルが生じた場合は、トラブルとなってしまった事実を受け止めて、最低限の対処をするしかありません。
そのため、手続きの手順や仕組みなどをしっかりと理解しておくことが重要です。
任意売却とは
任意売却は、債務者が住宅ローンなどの債務を整理するために、債権者である金融機関の同意を得て担保である不動産を売却する方法です。
住宅ローンを組むと、担保となる不動産に抵当権が設定されます。抵当権とは、債務者が住宅ローンを返済できなかったときに、家を強制的に売って債務を回収できる、金融機関が持つ権利のことです。
抵当権を解除するには、住宅ローンを完済する必要があります。しかし住宅ローンを完済するには、残債と家の売却に必要な費用の合計金額より高い価格で家が売れるか、または不足分を自己資金で補う必要があります。
任意売却で処分する家のほとんどは、残債を超えた価格で売却できないものです。しかし任意売却は、残債に満たなくても、債権者の許可を得て抵当権を解除できる売却方法です。
手順
任意売却は、まず債権者と協議して許可を得てからスタートします。許可を得たら、次の手順で進めていきます。
- 不動産査定と売り出し価格の決定
- 不動産会社と媒介契約を締結
- 売却活動
- 購入希望者と売買条件の調整
- 売買契約の締結
- 引き渡しの準備と引っ越し
- 売買代金決済と引き渡し
- 金融機関と残債の返済方法について協議
不動産会社の担当者は、売主(債務者)の代わりに金融機関や滞納税金などの徴収権限者との調整業務を行います。
売却代金で滞納している税金や金融機関債務、その他の債務を整理します。生活を新たにスタートさせるサポートをするのが、任意売却を扱う不動産会社の責務といえるでしょう。
不動産会社の力量によって成功するかが決まるため、選択が非常に重要です。
スタートさせる条件
任意売却は、債務者が住宅ローンの返済が困難な状態になっていることが条件です。そのため、返済能力があるのに返済しない場合には適用できません。また、返済能力がないことを示すためにも、滞納が続いている状態が必要です。つまり、任意売却の活動中に「ときどき返済をする」ことがあってはいけません。
なお、任意売却を決断する時期には、いくつかの段階があります。
- 住宅ローンの返済が苦しくなってきたとき
- 返済が滞りはじめ、1カ月遅れで返済を続けているとき
- 2カ月滞納が続き、督促状などが届いたとき
- 3カ月以上の滞納が続き、「期限の利益喪失通知」が届いたとき
- 期限の利益を喪失し、「代位弁済通知書」が届いたとき
- 競売決定と差押えの通知書が届いたとき
期限の利益損失通知は、下記のような書類で届きます。
また、代位弁済通知書は以下のよう書類です。
危険!任意売却で発生するトラブルと対処法
任意売却は期限のある手続きであり、長い期間行えるものではありません。そのため必ずしも成功するものではなく、望みどおりの結果にならないこともあります。
任意売却を希望する売主にとって、最大のトラブルは市場で売れずに競売に進んでしまうことです。
それ以外にも任意売却のトラブルといえる代表的なケースをここでは紹介します。万が一トラブルが生じた場合は、最低限の対処をする必要があります。
トラブル例1:家が売れず競売が開始される
任意売却で起こるトラブルでもっとも深刻なものが、「売却できない」ことです。
任意売却は、売れるまで売却活動を続けるということができません。
債権者である金融機関は任意売却で売れない場合のために、競売の準備も並行して進めます。売却活動開始から3カ月あるいは6カ月経過しても買い手が見つからないと、競売開始の手続きに入ります。
競売開始の手続きに入っても、期間入札通知が届くまではしばらく時間があります。期間入札通知とは、競売の入札開始日やその期間が記載されている書類です。
期間入札通知が裁判所から届くと、入札開始日の前日または開札日の前日が任意売却の期限となります。この期限を過ぎると任意売却はできず、家は競売により強制的に売却されてしまいます。
競売では家が安く売られてしまうため、引っ越し費用はまったく捻出できず、住宅ローンの残債を返済するのも厳しいでしょう。
しかし、競売以外の選択肢はなくなります。対策としては、引っ越し費用やその後の生活資金は身内を頼るなどの方法しかないでしょう。残債の返済が難しい場合は、自己破産を選択します。
トラブル例2:引っ越し費用を出してもらえなかった
売却代金から引っ越し費用を充当できるかは、債権者の判断によります。引っ越し費用負担のルールや習慣があるわけではなく、あくまでも債権者の債務者への思いやりにほかなりません。
「引っ越し費用を出してもらえる」と決めてかかるのは禁物です。
引っ越し費用がない場合は、身内を頼るなどの方法を選択するしかありません。任意売却の活動期間中は住宅ローンの返済がないので、その期間中に資金をためて最低限引っ越し費用を確保する必要があります。
トラブル例3:任意売却後の返済が厳しい
残債の返済についても理解しておかないと、トラブルに発展しやすいです。
任意売却で抵当権は抹消されますが、住宅ローンをすべて返済したわけではありません。売却代金で一括返済しますが、精算できなかった分の残債は返済を続ける必要があります。
残債については金融機関と話し合いにより、長期の返済を約束するのが一般的です。
一般的には、任意売却が成立する場合、その後の生活に支障が出ないように無理のない残債の返済計画が認められます。しかし交渉によっては、厳しい返済を求められるおそれがあります。
そのような場合は、自己破産で債務を整理する方法が有力な候補になるでしょう。
まとめ:トラブルは最後に起きる
任意売却で生じるトラブルは、その活動期間中に起きるものではありません。
紹介したトラブルをまとめると大きく次の2つに分類できます。
- 成立せずに競売によって不動産が処分される
- 不動産会社の説明不足などが原因で成立した条件が思っていた話と異なる
売主が引っ越し費用や残債の返済について誤解するトラブルが起きるのは、不動産会社の説明不足や認識の誤りが原因です。誤解をしたまま売買契約が成立すると、引き渡し近くでトラブルが発生します。
このように、最終段階で生じるのが任意売却のトラブルです。
事前にトラブルを回避するためのコツは3つ!
任意売却のトラブルを未然に防ぐには、不動産会社の選択が重要です。その理由となる、任意売却の成立条件やポイントを紹介します。
適切な売り出し価格を設定する
金融機関はできるだけ多くの債務を回収しようとします。しかし、売り出し価格が高いほど買主を見つけるのに時間がかかり、結果的に任意売却の可能な期間を経過し競売に進んでしまうことがあります。
そのため適切な売り出し価格を設定することが重要です。
査定価格を提出して売り出し価格を決定するまでは、売却活動を行う不動産会社の手腕によるところが非常に大きいです。
売主は早めの決断が大切であり、不動産会社は売主が適切に理解できる説明能力が求められます。
金融機関と密なコミュニケーションを取る
金融機関には物件が所在するエリアの市場情勢を正確に伝えます。査定価格と売り出し価格とのバランスを理解してもらい、任意売却が成立する価格帯を共有する必要があります。
そのうえで、価格の見直しを含めた任意売却の条件を常に調整しながら活動するため、金融機関と密なコミュニケーションを取っておきましょう。
不動産会社と信頼関係を作る
任意売却は通常の売却とあまり変わらないプロセスで進みますが、売主の意識としては「債務整理のため」という捉え方が強いです。そのため、売却活動に積極的に関わろうとする姿勢が薄れやすいです。
しかし、任意売却におけるトラブルは、最後の段階で初めて認識するものです。
- 売却活動の状況
- 競売手続きの進捗状況
- 引っ越し費用や残債の返済に関する金融機関との調整状況
上記のような任意売却の成否に関わる状況をこまめに確認して、不動産会社と本音で話し合えるように信頼関係を作る姿勢が重要です。
信頼できる不動産会社の見つけ方
任意売却を成功させるためにもっとも重要なポイントは、不動産会社の選択です。
任意売却の経験値が高いほどスムーズに進めるためのポイントをよく理解しており、売主が抱く不安を解消してくれます。
信頼できて安心して任せられる不動産会社を見つけるには、できるだけ正確な情報を集める必要があります。
そのために、不動産売却の一括査定サイト「リビンマッチ」を活用しましょう。リビンマッチでは、簡単な情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社に査定依頼ができます。査定結果だけでなく、提案内容や対応を比較できるため、任意売却を任せられるか判断できます。
任意売却は期限が決まっているため、時間をかけて不動産会社を探す余裕はありません。しかし焦って決めてしまうと、期限内で売れないような不動産会社に依頼してしまう事態になるかもしれません。
任意売却は後戻りができません。リビンマッチを活用して、すばやく確実に任意売却の成功を手に入れましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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