田舎の土地相続が地獄に?その理由と回避方法!天国に変えるには?
「田舎の土地を相続したけど、まさに地獄…」と感じている方や、そんな未来を不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
相続した土地が遠方で使い道がなく、維持費や税金の負担がかさむと、負の遺産になりかねません。実は多くの人が、このような問題に直面し悩んでいます。
そんな悩みをお持ちの方へ、田舎の土地相続が地獄といわれる理由と、どうすればその状況を回避し、相続を天国に変えられるのかを解説します。これを読んで、今からできる最善の対策を見つけてみましょう!
田舎の土地相続が地獄といわれる理由
田舎の土地は賃貸住宅などの需要が少なく、売却も困難なケースがよく見られます。ここでは、田舎の土地相続が地獄といわれる4つの理由を紹介するので、自身の実家を思い起こしてみてください。
田舎への移動負担が大きく、時間とコストがかかる
田舎にある実家の土地を相続で引き継いだ場合、自宅のある都市部からの距離が遠い場合がほとんどです。
仕事や子育てを両立させながら、頻繁に手入れのために移動する時間を捻出するのは難しいでしょう。筆者の知人も「平日は自宅で過ごして手入れのために毎週末、田舎に車で1時間以上かけて移動するのは負担」と話しています。
しかし、土地の相続に関する手続きや実家のメンテナンスには、田舎の土地を頻繁に訪問しなければなりません。放置するとどんどん家が傷み、雑草や木が隣家に侵入するなど、近隣に迷惑をかけて苦情につながるリスクがあります。
放置すると金銭的・心理的負担が増える
人が住んでいない空き家は、1カ月放置しただけで老朽化が進むとされています。水の流れがないため配管が劣化したり、カビやシロアリ被害を受けたりと、見た目だけではなく家の内部も被害を受けてしまうのです。
また、壁や屋根などの外装も傷んでいくため、台風のときに屋根瓦などが飛んでしまい、近隣住宅に被害を与えるおそれもあります。最悪、大地震で実家自体が倒壊して近隣との大きなトラブルになる事例もあります。
そのうえ、田舎の土地は面積が広いことが多く、家の周囲の雑草や木の手入れが大変です。特に夏はあっという間に木や草が伸び、毎週手入れをしても間に合わない家もあるでしょう。
伸びた木や草の隣家への侵入や虫の大量発生などを理由に、処理してほしいという苦情もよくあります。
田舎の土地は維持管理コストが高くなりがち
使わない田舎の土地を所有していると、維持管理コストの負担も重く感じるでしょう。実家の土地の維持管理には、次のような費用がかかります。
- 固定資産税
- 家屋のメンテナンス費用
- 庭の樹木などの手入れ費用
田舎の土地や家屋は、空き家になっていても所有している限り固定資産税がかかり続けます。固定資産税評価額500万円の土地であれば、固定資産税は約7万円です。活用していない土地のために毎年7万円も支払い続けるのは、負担が大きいといえます。
また、地域によっては、住んでいなくても町会費がかかるケースもあります。
さらに、空き家の期間が長くなると浴室やトイレなどの水回りの設備が劣化したり、湿気で床下が腐ったりし、補修が必要です。
床の張り替えは面積によりますが、1㎡あたり約1万2,000〜1万5,000円かかります。10畳ほどの張り替えで、40万円前後の費用がかかる見込みです。
空き家となっている家や土地は、放火や不法侵入、粗大ゴミが放置されるなどの被害に遭うこともあります。管理が行き届かず「特定空き家」に認定されると、固定資産税が何倍も増加するリスクもあります。
10カ月以内に相続税を納めないと延滞税がかかる
田舎の土地を相続する場合、相続開始を知った日から10カ月以内に相続税の申告と納税を行わなければなりません。この期限を過ぎると、延滞税という罰金を支払う必要が出てきます。
そのため、早めに遺産分割協議を行い、財産の分け方を決める必要があります。現金などは分割しやすいのですが、土地の相続は複雑になる場合があります。
例えば、田舎では祖父の兄弟が共有名義で土地を所有しているケースがあり、その際、所有者が多すぎて全員を把握できなかったり、長らく連絡を取っていなかったために話し合いが進まなかったりすることもあります。
親の兄弟、いとこ、その子どもなど、相続に関わる親族が増えるほど、遺産分割に時間がかかり、相続税の期限を越えてしまうリスクが高くなります。
さらに、田舎の土地が不要だからと相続放棄を考えても、土地以外の預貯金や株なども同時に放棄する必要があります。
そのうえ相続放棄をしても、相続するはずだった家屋の管理義務が残るため、田舎の土地相続の問題を簡単に解決できるわけではありません。
子や孫世代へ負担を先送りすることになるおそれ
とりあえず…という気持ちで田舎の土地を相続すると、数十年後の子や孫世代に負担を先送りしてしまうリスクがあります。
自身の世代で田舎の土地を相続した場合、子や孫世代も同じように管理の手間やメンテナンス費用、税金の支払いなどを引き継いでいく必要があるためです。
さらに、田舎の土地は賃貸住宅としての需要も少なく、管理の手間や費用もかかる「負動産」といわれることもあります。
そのため、親の世代や自身の世代で、実家を今後どうするか話し合っておいたほうが良いでしょう。
地獄の土地相続を避けるための方法
田舎の土地を相続して後悔しないためには事前の準備や、不動産に関する知識をつけることが重要です。ここでは、地獄の土地相続を避ける3つの方法をお伝えします。
相続「前」に土地の今後について家族と相談しておく
田舎の土地相続については、相続が起こる前に親や兄弟と話し合って、今後どのようにするか決めておくのがおすすめです。相続前なら現在の所有者である親の意向を聞いたり、現時点で共有名義になっている所有者がいないかなどを確認したりできます。
また、親自身が生前のうちに田舎の実家を手放す選択肢について、話し合ってみるのもおすすめです。土地を手放すには単に売却するだけでなく、次のような方法があります。
- リバースモーゲージを利用する
- リースバックを利用する
リバースモーゲージは、親の存命中はそのまま住み慣れた自宅に住みながら、土地や家屋を担保にまとまった資金を借りられます。亡くなったあとは、担保となっている自宅の売却で一括返済します。
また、リースバックは売却した家にそのまま賃貸住宅として家賃を支払い、住み続けられる方法です。親の死後は賃貸契約を解除すれば良く、売却時にまとまった資金が得られるメリットがあります。
このように売却以外の方法も含めて事前に相談すれば、相続がスムーズにいく可能性が高まります。
土地の相続税が軽減される制度を確認しておく
土地の相続の際は、相続税を軽減する制度があります。知らないままだと通常どおりの相続税を課されるため、活用できる制度について確認しておきましょう。
相続税や贈与税に関わる制度には、次のようなものがあります。
小規模宅地等の特例を活用すれば、一般的な宅地であれば330㎡(約101坪)までの面積の価額を80%減額可能です。
例えば、面積が100坪で相続税評価額が500万円の土地なら、相続財産に加算する額は400万円減額した100万円として計算します。これにより、相続税が少なくなるケースや、基礎控除内におさまって相続税を支払わなくても済むケースもあるでしょう。
また、2024年1月1日の贈与税の改正によって、これまでよりも相続時精算課税制度を利用する人が増えるとされています。相続時精算課税は、暦年贈与のように基礎控除を受けながら、贈与された財産を相続時に精算する制度です。
相続手続きや税務の専門家に相談する
事前に相続手続きや税務の専門家である、弁護士や税理士に相談しておけば、相続がスムーズに進む可能性が高まります。税理士は税務のプロであるため、被相続人の財産を整理し、適切な相続対策を提案してくれるでしょう。
また、税理士と弁護士は相互に提携しているケースもよくあります。士業が互いに提携している場合は、事務所税理士の意見を踏まえながら、弁護士や司法書士とともに遺言の作成が可能です。
さらに、あらかじめ遺言を作成し、実際に相続が起きたときに相続に関わる手続きを弁護士が行ってくれるサービスもあります。
相続の際は、被相続人の本席から戸籍をすべて取り寄せるなど手間や労力がかかります。すべての手続きを任せれば、相続人が納得するスムーズな相続となるでしょう。
一方、親が生きているうちに実家を売却すれば、相続財産を現金で残せるため分けるのも簡単です。ただし、親が認知症になっているなど、状況によっては子どもが代理人となったり、成年後見人を立てたりする必要があります。
田舎の土地相続が地獄?むしろ天国に変えるコツ
田舎の土地相続では、安易に相続すると困ってしまうような注意点が多いのも事実です。しかし、その土地の良さを見つけられれば、収益を生む土地になる可能性もあります。
ここでは、田舎の土地活用を最大化するコツを紹介します。
田舎特有の資産活用アイデアを検討する
田舎の土地を賃貸住宅や売却以外の方法で有効活用すれば、賃料などの収入を得られてプラスの財産になる可能性があります。
田舎特有の自然の多さや、土地の広さに着目すれば、次のような活用ができるかもしれません。
- 駐車場・トランクルーム
- 太陽光発電
- 資材置き場
- 貸し農地
- 民泊経営
- キャンプ場
特に、民泊経営やキャンプ場用の土地として貸し出す場合などは、事業用の土地となります。このため、個人に賃貸住宅として貸し出すよりも高賃料を得られる可能性もあります。
また、他人に貸し出すのではなく、田舎の土地を生かして自身が民泊経営などを行うのもひとつの方法です。
土地の価値を確認し、最適な使い道を見極める
田舎の土地をどのように活用するかを判断するには、土地の市場価値や活用できる可能性などをしっかりと調査しましょう。具体的には、次のような点を調査します。
- 地目や用途的地域を確認する
- 地域の特性を考える
- 活用にかかるコストを考慮する
- 管理の手間やコストが適切か検討する
例えば、田舎の土地は「市街化調整区域」に指定されていることがよくあります。市街化調整区域は、農地や自然を残すために建築物に制限があります。このような土地では、そもそもキャンプ場の建設などはできないことが多いでしょう。
また、初期費用がかかりすぎて回収に時間がかかったり、収益の割に手間やコストがかかったりなど、条件によっては適さない事業もあります。
一方、その土地に慣れた地元の人には良さが理解できなくとも、周囲から見れば魅力的な土地もあります。地域の特性を、第三者の目線で見ることが大切です。
土地活用のプロ、土地活用会社に相談する
田舎の土地を有効活用するには多方面からの調査が必要です。しかし、普段の生活を送りながら、同時に土地の調査を進め、どのような事業が適しているかなどを判断するのは至難の業です。
田舎の土地を相続することは一生に何度もなく、失敗できないとの思いも強いものです。
その場合は、土地活用のプロや土地活用会社に相談すれば、プロ目線のアドバイスがもらえます。しかし、それだけではありません。そもそも賃貸経営や事業が最適なのかなどもアドバイスしてくれます。
さらに、節税対策や税務について、資金繰りについてなど、さまざまな観点で検討してくれるため、一度プロに相談してみるのがおすすめです。
また、それと同時に不動産一括査定を行い、実家の土地の売却相場を知っておくことも大切です。賃貸や事業に比べて、売却は1度の手続きでまとまった資金を得られ、その後の手間やコストについて考える必要がなくなります。そのため、売却価格の目安も確認しておきましょう。
不動産一括査定なら、一度に複数の不動産会社から土地の査定を受けられます。各不動産会社の査定価格や対応を比較できるため、高値で売却できる会社に出会いやすくなるでしょう。
この記事の編集者
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