戸建て賃貸住宅をローコストで建てるコツ4選とリスクや注意点
戸建て賃貸住宅はファミリー層からの需要があるため、長期間の入居を期待でき、リスクを抑えたい人に向いている不動産投資です。
また、アパートやマンションの経営に比べ、少額投資で始められるのもメリットといえるでしょう。
しかし、戸建て賃貸住宅は構造や間取り、住宅設備などの選択によって建築費に差が生まれます。ローコストで建てるコツと注意点を、戸建て賃貸経営の特徴と併せて紹介します。
もくじ
戸建て賃貸経営は気軽に始められる投資!
戸建て賃貸経営は、ほかの土地活用よりも比較的収益性が高い投資のひとつです。
一般的なアパート経営の利回りは約2〜5%といわれます。一方、戸建て賃貸経営の利回りは約5〜8%です。
戸建て賃貸経営のメリットを詳しく紹介します。
ファミリー層のニーズが高く長期間の家賃収入が期待できる
ファミリー層をターゲットとする戸建て賃貸住宅は、ワンルームなどの単身者向け賃貸住宅に比べ、長期間住み続けてもらえる可能性が高いです。そのため、空室リスクを抑えられるメリットがあります。
具体的には、以下のような生活をしたいファミリー層からの需要が見込めます。
- 騒音を気にせず、子どもをのびのび育てたい
- 周りを気にせずペットと暮らしたい
- 子ども部屋やベッドルーム、書斎など部屋数が必要
- 家庭菜園をしたい
- 専用の駐車場がほしい
戸建てに限らず、賃貸経営では入居者が退去すると原状回復や新しい入居者の募集を行う必要がありますが、その間は家賃収入を得られません。
しかし、ファミリー層に長期間住み続けてもらえれば、空室期間を減らせるため、安定した収入につながります。
比較的少額投資で済む
アパートやマンションを建てる場合は、億円単位の建築費がかかります。
土地を活用する方法として、賃貸住宅以外に太陽光発電事業やサービス付き高齢者住宅なども検討するかもしれません。しかし、いずれもある程度のまとまった敷地面積と高額な初期投資が必要です。
一方、戸建て賃貸住宅の建築費は、一般的なファミリー層を想定した場合、約1,500万〜2,500万円が目安です。
初期投資を抑える観点では、戸建て賃貸経営は比較的気軽に始められる投資です。
管理の手間が少ない
アパートやマンション経営の場合は、共用部分の管理の手間がオーナーにとって負担になることがあります。
また、騒音によるクレームや改修時の総会対応など、戸数が多いほど手間も増えるでしょう。
戸建て賃貸経営の場合は、敷地内の庭や建物をすべて入居者に任せられるため、オーナーの負担は大きく軽減できます。
戸建て賃貸住宅をローコストで建てるためのコツ4選
戸建て賃貸住宅をローコストで建てるためのコツは、以下の4つです。
- 建物の構造は木造にする
- 階数は2階建てがベスト
- 間取りはシンプルにする
- 住宅設備は見た目よりも汎用性の高い商品にする
建物の構造は木造にする
戸建て賃貸住宅に限りませんが、木造の建物はほかの構造の建物に比べて建築費が安い傾向にあります。
国土交通省の「2022年度 建築着工統計調査報告 住宅着工統計」によると、貸家を目的とした戸建ての工事費予定額は、以下のとおりです。
構造 | 一戸あたりの金額(万円) | 1㎡あたりの金額(万円) |
---|---|---|
木造 | 1,584 | 18 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 1,600 | 18 |
鉄筋コンクリート造 | 5,927 | 31 |
鉄骨造 | 2,800 | 27 |
コンクリートブロック造 | 2,412 | 23 |
アパートやマンションは規模が大きいため木造で建てるのは難しく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を選択せざるを得ない場合があります。
しかし、戸建て賃貸住宅は規模が小さいため、木造での建築が容易に実現できます。
木造が安い理由は、鉄骨造や鉄筋コンクリートはすべてオーダーなのに対して、木造は柱や梁に既製品を使えるためです。
また、日本の戸建て住宅は大半が木造のため、大量生産と流通性が有利に働き、ローコストで建てられます。
階数は2階建てがベスト
木造の戸建て賃貸住宅をローコストで建てるには、以下のような木造の利点を生かしましょう。
- 柱や梁が小さいため人の手で簡単に持ち上げて組み上げられる
- 規格品サイズの柱や梁を使用することで効率化が図られる
階数を2階建てまでにすることで、上記の2点を最も効率よく生かせます。
現代の技術では、3階以上の木造建築も可能です。ただし、上層へ積めば積むほど構造部材が大きくなり、大きな重機が必要となったり、規格品サイズから外れたりします。
また、地域によっては、3階以上の建物は準耐火建築物にする必要があります。この場合、防火措置の対応のため、外壁や屋根、窓に追加のコストがかかります。
間取りはシンプルにする
建築費を抑えるには、できるだけ使用する部材の数と種類を減らす必要があります。具体的には、建物を総2階の正方形に近づけ、シンプルな間取りにするのが最も効果的です。
同じ面積の場合、建物の平面形状が長方形よりも正方形のほうが外装面積は小さくなります。面積が小さくなると、その分使用する部材の数が減るため、建築費が安くなります。また、屋根面積と基礎面積が最も少ないのは、1階と2階をほぼ同じつくりにする総2階のケースです。
さらに、クロスやフローリングの種類を各部屋ごとに変えるのではなく、できるかぎり統一しましょう。部材の種類が少なければ工事の手間が省略され、コストを抑えられます。
住宅設備は見た目よりも汎用性の高い商品にする
昨今の住宅設備は、デザイン性の高い商品が各メーカーから発売されています。これらは、デザイン性を求める戸建て住宅層をターゲットとした商品であり、コストが高くなる傾向があります。
戸建て賃貸住宅の場合は、広く集客することで安定した経営が可能です。一部のデザイン性を求める層に向けた商品を選択する必要はありません。
汎用グレードの商品であれば、戸建て賃貸住宅だけでなく、市営住宅や賃貸マンションなどでも大量に流通しているため、安く手に入れられます。
また、修理が必要になった場合もコストを抑えられるため、ライフサイクルの観点でも有利です。
戸建て賃貸住宅をローコストで建てるときの注意点
戸建て賃貸住宅をローコストで建てることにリスクはあるのでしょうか。注意するポイントを紹介します。
集客できないほどのローコストは注意
戸建て賃貸住宅をローコストで建てるのは、収支をよくするための方法として間違いではありません。しかし、ローコストを意識しすぎると安っぽい見た目や設備になり、入居検討者から敬遠されるおそれがあります。
特に戸建て賃貸住宅は、長期間の入居を目的として探しているファミリー層も多いです。
入居者に、「ここであれば住みたい」と思ってもらえる最低限の見た目と設備を備える必要はあるでしょう。
外装材はトータルのコストを考慮する
建物を長く維持するポイントとして、屋根や外壁の外装材はできるだけメンテナンス頻度が低いものを選択しましょう。
外装材のメンテナンス費用は、建物の維持管理費の中でも最も金額が高いため、トータルのコストに大きな影響を与えます。
ローコスト建築の場合、屋根や外壁にすぐメンテナンスが必要な外装材が選択される可能性があります。
少し高くてもメンテナンス頻度の少ない外装材を選択しましょう。結果として、トータルのコストを抑えられます。
また、外観がきれいかどうかは、戸建て賃貸住宅で重視されるポイントのひとつです。外観が悪ければ、インテリアがよくても入居者にとって印象はよくありません。
ローコストばかりを意識して安い外装材を選択すると、そもそも入居者が見つからないリスクがあることに注意しましょう。
必ず複数社の見積もりを比較する
戸建て賃貸住宅を建築するメーカーは、会社によって考え方や建物のグレード、コストが異なります。
各社の提案が適切かを判断するには、必ず複数社から見積もりをもらいましょう。
「リビンマッチ」の土地活用サービスなら、簡単な土地の条件などを入力するだけで、無料で複数社に資料請求ができます。
リビンマッチを活用して、ローコストで満足度の高い戸建て賃貸経営を始めましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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