土地活用の失敗例5選!失敗から学んで成功に導くポイント
土地活用は、使われていない土地を活用して利益や節税効果を得ることを目的としています。しかし、十分な資金計画とシミュレーションを行わずに始めると、失敗してしまいます。
土地活用を成功させるために一番大切なのは、計画性です。資金と期間、活用を終了する条件やタイミングを明確に決めておきましょう。
もちろんあくまで計画に過ぎないため、予定どおりに進まないこともあるでしょう。それでも指針となる計画があれば迷いは少なくなり、損失を最小限に抑えられます。
具体的な土地活用の失敗例を紹介するので、そこから対策を練って成功させましょう。
もくじ
土地活用の失敗例5選
ここでは、土地活用の代表的な失敗例を5つ紹介します。
失敗例1:土地活用=アパート経営だと思い込む
アパートを建築して家賃収入を得るのが土地活用だと思い込むと、失敗につながります。
土地の広さや場所によって、最適な活用方法は異なります。
収益率で見ても、アパート経営より高い土地活用も存在しています。たとえば、土地を貸し出して借主が店舗の建築と運営を行う事業用定期借地方式を利用すれば、建築費などの費用負担を抑えることが可能です。
また、建築してから建物を貸し出す「リースバック方式」であれば、土地+建物費+諸経費(手間賃を含む)を賃料として請求するため、収入が増えるなどのメリットがあります。
とにかく土地を活用するならアパート経営だ!と、視野を狭くすることは土地活用において得策ではありません。
安易なサブリース
土地活用でアパート経営を始める際、サブリースを検討する人も多いでしょう。
サブリースは、物件をまるごとサブリース会社に貸し出し、サブリース会社が入居者に転貸する運営方式です。運営や入居者募集をすべて任せられるだけでなく、空室期間も一定の賃料を得られます。そのため、長期間安定した賃料収入を得られて、支出と収入の計画が立てやすいメリットがあります。
ただし、自身が貸主となりサブリース会社が借主の立場になる点には注意が必要です。基本的に借地借家法では、借主が守られるためです。
たとえば、サブリース期間中に借主であるサブリース会社が解約を申し出た場合、契約書と法律に照らし合わせて契約満了となります。一方、自身がサブリース会社に解約を申し出る場合は正当事由が求められ、簡単には解約できません。
これは、サブリース会社から家賃の減額を求められているケースでも同様で、近年、社会問題にもなっています。
安易に土地活用=アパート経営=サブリースとするのは、典型的な失敗例といえます。
初期費用と維持費用の関係
アパート経営を開始する際、初期費用と毎月の収入を比較検討する人がほとんどでしょう。一方で、建物を維持するための大規模修繕や管理費などは見落とされがちです。
初期費用を抑えるために外構や素材のグレードを落とした結果、メンテナンス費用が膨らんでキャッシュフローが悪化するのは、計画性に問題があるでしょう。
建物の素材や広さなどによりバラつきがありますが、20年で1戸あたり200万〜300万円は必要です。
築年数の経過
アパート経営の宿命ともいえるのが、築年数との戦いです。
家賃や間取りなどの条件が同じ場合、築3年のアパートと築30年のアパートを比較すると、間違いなく前者のほうが入居者に選ばれるでしょう。
最近の家探しは、インターネット検索が主流です。インターネット上で最初に条件を入力する際に「10年以下」の条件にチェックを入れれば、その時点で築30年の物件は表示されなくなります。「条件とは異なりますが、このような物件もありますよ」といった営業は、対面でしかできません。
つまり、築年数が経過するだけで検索条件の範囲外となり、新しい入居者を見つけることが困難となり、結果として家賃を下げるしか方法がありません。
入居率が悪化する一方で、築年数が経過すると維持費用は右肩上がりで増加します。ローンが残っている場合、支払いが困難になるかもしれません。また、耐用年数が経過すれば価値が下がっていく減価償却という考え方のもと、所得から差し引ける減価償却費もなくなり、税金の負担も増えます。
築年数の経過により八方塞がりとなる前に手を打ち、土地活用の失敗を防ぐ必要があるでしょう。
失敗例2:計画性の不足
土地活用には、アパート経営のように長期に渡り運用するものだけでなく、短期間だけ運用するものもあります。
短期間での土地活用は回収期間が短いため、初期費用を抑える必要があります。また、更地に戻しやすい活用方法にすることが大切です。
候補は、以下のような活用方法です。
- 駐車場や駐輪場
- レンタサイクルやカーシェア
- 移動販売車の誘致
- 証明写真・自動販売機などの機械設置
将来的に自身や子どもが土地を利用する可能性があるなら、アパート経営のように長期的な土地活用ではなく、短期的なものを検討すべきです。
節税対策なのか、利益を得ることなのか、それとも土地を所有しながら当面の間だけ活用するのか、しっかりと目的を定めて未来予想図を描くことが重要です。
失敗例3:不動産会社に頼らない
土地活用の方法を検討し、建築の計画から集客、運用までを自身で行う場合、思い描くイメージどおりの土地活用を実現できるメリットがあります。
一方で、副業として土地活用を行う場合は時間が不足するでしょうし、下手をすれば本業に影響が出るかもしれません。また、専門的な知識がなければ、十分な収益が確保できないおそれもあります。
そのため、自分ですべてを行うのではなく、不動産会社に相談するようにしましょう。実際の運営はもちろん、自分では思いも寄らないようなアイデアを提案してもらえる可能性があります。
餅は餅屋という言葉があるように、土地活用においては不動産会社をうまく活用することが、成功の秘訣です。
失敗例4:資金計画とシミュレーションが不十分
土地活用の基本は収入を得ることです。そのためには、資金計画とシミュレーションをしっかりと行いましょう。
どれだけの期間、どれだけの費用をかけて、どれだけの利益を得るのか。また、どの程度の損益が生じた場合に売却などの出口戦略を行うのかをよく考えておくべきです。
フルローンで資金繰りの悪化
アパート経営を例にすると、予定外に長期間の空室が発生した場合、運用資金に余裕があるか、フルローンで目一杯まで使用しているかによって大きな差が生まれます。
フルローンで運営している場合、キャッシュフローが限界に達して売却を検討しようにも、売却価格がローン残債を下回って売却できないおそれがあります。
限度額いっぱいまで借り入れを行っての土地活用は、最悪の場合、土地まで手放すことになりかねません。ある程度の損失や収入減に耐えられる計画性が必要です。
節税対策の不足
土地活用で住宅を建てると、住宅用地の課税標準の特例措置が適用され、固定資産税と都市計画税の課税額がそれぞれ以下のように軽減されます。
住宅用地 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 6分の1 | 3分の1 |
一般住宅用地 (200㎡超えの部分) | 3分の1 | 3分の2 |
300㎡の土地については、200㎡までが小規模住宅用地として軽減され、残る100㎡が一般住宅用地として措置の対象です。
建物を必要としない駐車場などは、住宅用地の課税標準の特例措置の対象外です。そのため、特例措置の対象である空き家を壊して駐車場に活用した結果、税金が高くなり、結果的に赤字に陥ることも少なくありません。
失敗例5:需要と供給の読み違い
土地には、その場所の需要が存在します。
保育園や教育施設が少ない場所で、ファミリータイプのマンションの需要は少ないでしょう。また、田舎の駅から離れた場所にワンルームのアパートを建築するのも、同じく需要は少ないことが想像できます。また、駐車場や店舗も、人の流れがなければ利用者が少なく、需要も限られます。
所有する土地の場所や広さなどを考慮し、需要と供給がマッチした土地活用が基本です。
失敗から学ぶ土地活用の成功ポイント
土地活用で失敗する原因のほとんどは、事前の調査不足、キャッシュフローを含めた資金計画の不足、そして土地活用を取り扱う会社のアドバイスや知識を利用していないことでしょう。
正しく行えば、安定した収入を得られるのが土地活用の魅力です。失敗例から学ぶ成功のポイントをまとめました。
土地の特性を理解する
土地には特性があります。立地や人の流れ、需要など、その土地ひとつひとつが異なった特性を持ちます。
自身が所有する土地を活用するには、何が最適なのかをしっかりと見極めることが重要です。
複数のプランを比較してから始める
駐車場や店舗、マンション経営、アパート経営、トランクルーム。さらには、タピオカドリンクや無人のギョーザ専門店、冷凍食品専門店といった流行に応じたショップ経営など、土地活用のアイデアは無数にあります。
自分が所有する土地に合った活用計画を立てるには、不動産会社に聞いてみるのが一番です。土地の特性に応じたおすすめの活用方法や、収支シミュレーションなどを提案してもらえます。
まずは、不動産の総合サイト「リビンマッチ」の土地活用サービスを利用してみましょう。リビンマッチでは、簡単な土地の情報を入力するだけで、複数社から土地活用プランを無料で受け取れます。
さまざまなプランを検討することで、思いもよらなかったアイデアが降り注ぐかもしれません。比較検討をしながら、失敗しない土地活用を目指しましょう。
この記事の編集者
リビンマッチ編集部
リビンマッチコラムでは、むずかしい不動産の事をできる限りわかりやすく、噛み砕いて解説しています。不動産に対するハードルの高いイメージ、とっつきにくい苦手意識を少しでも取り除いて、よりよい不動産取引のお手伝いをさせていただきます。
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