土地買取なら売れない土地でも買い取ってもらえる理由
土地を売却する時は、不動産会社に仲介を依頼して市場に流してもらい、購入希望者と合意するまでじっくりと進めるのが一般的です。
しかし土地をお持ちの方の中には、安くてもいいから早く現金化したい方や、市場では買い手がつきにくい土地を何とか手放したい方などもいるでしょう。
こういった場合における解決策として、不動産会社に直接土地を買い取ってもらう方法を提案します。
もくじ
土地買取のメリットは?
まずは土地売却の2つの方法である不動産仲介と不動産買取とを比較して、買取にはどんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきます。
仲介業者による一般的な土地売却
仲介による売却では、まずは土地の調査をしてもらい査定額を算出してもらいます。その金額に納得すれば不動産会社と媒介契約を交わし、不動産のネットワークなどを活用して買い手を探してもらいます。その後、見つかった買い手と合意することで、ようやく売買が成立します。およそ3カ月から半年程度の期間、購入希望者を探し、できるだけ高い金額での売却を目指します。
不動産会社への土地売却
一方で買取では、業者に土地を調査してもらうところまでは変わりませんが、査定額に納得すればすぐに買取へと進むことができます。
土地買取のメリット・デメリット
土地買取のメリットは業者が引き受ければ、決まった時期に、確実にお金が入ることです。仲介の場合は、購入希望者が現れなければ売却は成立しないので、いつ、いくらで売却できるのか予測が簡単ではありません。その点、買取は購入希望者がすでに現れているので、その後の計画が立てやすくなるでしょう。
また、買主が不動産業者になるので買主が個人の場合よりも扱いにくい物件に対応してもらえることがあります。それに加え、契約不適合責任※がないので、売却後のことを気にせず安心して売却することができます。
一方で、土地買取のデメリットは買取金額が仲介の金額の約8割程度になってしまうことです。買取業者は購入した土地を活用、再販するなどして利益を得ます。買取ったものの利益が出ないなどのリスクを負うため、どうしても金額が安くなってしまいます。
買取の相談をした方がいい土地
買取査定を依頼しても、すべての土地が買取ってもらえるわけではありません。仲介ではもちろん難しく、買取でもきちんと相談した方がいい土地について見ていきましょう。
瑕疵のある土地
土地に瑕疵がある場合は、仲介での売却はほとんど期待できません。しかし買取では場合によって相談に応じてもらえることもあります。ここで、土地における瑕疵について確認しておきます。
物理的瑕疵
水を多く含んだ緩い土地や土壌汚染された土地などは、物理的瑕疵に該当することがあります。
この場合は、その土地に建物を建築する時にいろいろと制限があり、場合によっては建築不可となってしまうこともあります。
心理的瑕疵
過去に火災や死亡事故などがあった場合は心理的瑕疵に該当することがあります。
心理的瑕疵のある物件には告知義務があるので、事実を伏せて売却してしまうと損害賠償を支払わなくてはいけないこともあります。
法律的瑕疵
都市計画法や建築基準法、消防法などの制限があることを法律的瑕疵と言います。
例えば、都市計画区域内では、建物を建設できる土地を定めるルールがあります。具体的には、原則として道の幅が4mを超えている道路に対して、2m以上接していなければならないというものです。これを満たさない土地の場合、建物を建築することができなくなるので、買手に敬遠されることがあります。
環境的瑕疵
土地自体に問題が無くても、周辺に問題がある場合には環境的瑕疵となるかもしれません。
例えば高層マンションがすぐ近くにあって、日当たりが著しく悪い土地は建物を建てにくくなります。また、周辺に悪臭の伴うゴミ屋敷があったり反社会的な物件などがあると、同様に瑕疵とみなされることもあります。近年はこれらも心理的瑕疵として告知義務が伴う場合もあるので、適宜確認する必要があります。
広すぎる土地、狭すぎる土地、特殊な地形
土地が広すぎても、狭すぎても買取後の活用が難しい場合があります。また、地形が特殊な形状であったりしても土地の再利用が難しく、通常の仲介で買手がつくことは稀です。
しかし買取業者なら、たとえば広い土地をまとめて事業用施設を建築するなど、解決策を持っていることがあります。
売れない土地を所有し続けるとどうなる?
最後に、うまく売却できない土地を所有し続ける場合のデメリットと、寄付など売却以外で手放す方法についてご紹介します。
土地所有にかかる税金
土地は所有しているだけで固定資産税や都市計画税がかかります。自治体によって違いはあるものの、一般的に固定資産税の評価に対して以下の税率が設定されています。
- 固定資産税:課税標準額の1.4%
- 都市計画税:課税標準額の0.3%
土地を維持・管理するコスト
土地を放置してしまうと、雑草が茂ったり不法投棄が行われたりしてしまうことがあります。これを防ぐために定期的に足を運び、手入れをしておかなくてはいけません。また、例えば草刈り機の使用など、維持のために電気や水道を使えるようにしておく必要があればそれに対しても基本料金などの負担が必要です。
自治体への寄付はできる?
自治体にとっては、固定資産税という収入を減らしてかつ土地の管理に税金を使うことになるので、寄付するためにもいろいろな条件があります。内容は自治体によって違うので、窓口で相談してみるといいでしょう。
また、相続税に関しては一定の要件を満たし規定の手続きを経ることで売れない土地でも手放せることがあります。物納と呼ばれるやり方なので、相続した土地の場合には相談してみてもいいでしょう。
(りびんまっちこらむへんしゅうぶ)
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